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スキーマ療法④「終わりはないのだけどとりあえずの感想」

一生続くスキーマ療法

前回まででモードワークまで学び、とりあえず「これを一生続けていきましょう」ということでワークブックは読了となった。

結局、8月に始めて12月までかかったので、4か月で一通り学んだという感じだった。カウンセリングやトラウマ治療と並行して取り組んでいたし、成育歴は既に洗い出しが完了していたので、そこまで時間がかからなかったのだと思う。

スキーマ療法に取り組んでいる途中でトラウマ治療に出会ったので、途中からスキーマ療法に対する考え方も捉え方も変わった。
トラウマ治療と身体からのアプローチを中心に取り組んでいこうと考えているけれど、スキーマ療法も私の強力な武器になると思っている。

私がスキーマ療法を受けてよかったことは以下の通り。

・自分の恥の感覚を初めて自覚することができた
・自分の内面がどんなことになっているのかに気づくことができた
・セルフモニタリングとマインドフルネスを身につけることができた
・外在化や自分との対話をこれまでよりもスムーズにできるようになった
・認知行動療法について学ぶことができた
・セルフケアを心がけるようになった

トラウマ治療の下準備になった感もあるし、トラウマ治療によって停滞していた部分が進んだところもあった。相互補完的にどちらも進めることができたのは、ラッキーだったと思う。


スキーマ療法に1人で取り組んだ場合のメリットとデメリットを考える

スキーマ療法は、認知行動療法の延長線上にあるもので、プロトコルも決まっていて手順通りに確実に進めば回復に向かえるという意味では、自分1人でできるのかなという印象はある。

ワークブックも出ているし、治療者向けの本などを読むと理解を深めることもできる。そういうことも踏まえた上で、私個人として感じるメリットとデメリットを考えてみた。ちなみに、メリットの方は伊藤絵美先生のワークブックを使って取り組む場合限定かなと思う。

【メリット】
・手順が決まっているので取り組みやすい
・心のことにありがちな「表現がフワッとしすぎて意味不明問題」が無い
・マインドフルネスとセルフモニタリングを学べる

【デメリット】
・ワークや外在化など、コツコツ取り組むことが結構多い
・イメージ化が苦手な人は難しいかもしれない
・教わらずに自分自身へ養育的な態度を取ることが難しい
・成育歴の洗い出しを1人でやるのは人によっては厳しい

本を読むのが苦ではなく、紙とペンでコリコリと言語化したものをこまめに書き出していくことが得意で、手順通りにコツコツと進めていくことができるタイプならいいのではないかなと思う。あとは、心の傷がそこまでひどくない人。これに1人で取り組めるような状態というのは、ほどほど健やかだということなのではないか。

やっぱり、スキーマ療法も専門家と一緒に取り組む方がいいに決まっている。ただ、スキーマ療法を専門にするセラピストはあまりいない。伊藤絵美先生がワークブックを出版されたのも、機会が無くて受けられない人たちに機会を提供したいという意味もあったと読んだ。

思うのは「1人だと難しいけど、だからといって何もしないよりはずっといい」ということだ。最後までできなかったとしても、おそらく何かしら気づくことなどはあると思う。それが大きいのだ、きっと。


進研ゼミのようなものかもしれない

スキーマ療法は手続きやラベリングすることが結構あって、外在化もワークも多い(セラピストと取り組む場合も宿題が出ると聞いている)。
めんどくさ…!と敬遠する人もいそうな感じはある。結局内観して自分の内側と対話するということではあるのだけど、こういうことをざっくり抽象的に言われてもよくわからないので、やっぱりプロトコルがあって「これやりましょうね」と指定されている方がありがたい。

進研ゼミだけで大学受験に受かる例はあまり多くないと思う。そう、進研ゼミのようなものかもしれない。赤ペン先生はいないし、正解が存在しない分しんどいことも多いけれど。
塾や家庭教師の方がいい人もいるだろうし、進研ゼミをやりながら塾に通うのもアリだ(そういう子は周りによくいた記憶がある)。向き不向きがあるのは当然だ。

まあ、何の責任感も無くフワッと「自分を愛する!」とか「自分にフォーカス!」とか言ってて「じゃあいったいどうしたらいいんだよ」っていうこちらからの問いかけにはお茶を濁してしまうものよりも(おそらくフワッと言ってる側も実は解決策を分かってないんじゃないかと今は思う)、ずっとスキーマ療法は丁寧で寄り添っている。ゴールは見えるようになっているのだから。私はこういう方が断然好きだ。

と言っても、スキーマ療法はちゃんと効果が実証されて学会もあり、論文もいくつも発表されているれっきとした心理療法なので、フワッとしたものと比較するのは間違っているのだが。



認知行動療法も使えそうな予感

スキーマ療法やトラウマ治療で自分の内面が回復に向かっていくと、早期不適応的スキーマや批判家が力を無くしていき、だんだんヘルシーなアダルトが強く大きくなっていくと思う。
そうしたら、認知行動療法が力を発揮するようになるのではないかと思う。
自分の認知をブレインストーミングするやり方は面白いし好きだ。

そう思うと、スキーマ療法は1粒で何度でもおいしい感じがする。
これからもぼちぼち続けていこうと思っている。とりあえず私、おつかれ。

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