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カウンセリング/9回目

前回からの振り返りと報告

・夫に対して怒りを感じる出来事があり、なぜここまで腹が立つんだろう?と掘り下げていったら、父に同じ感情を持っていたことに気づいた。
・自分の成育歴の詳細な振り返りは、小学校高学年まで進んだ。
・私が家族システムの中で演じていた役割について気づいたことがあった。


夫への怒り=父への怒り

先週末、夫とのやり取りで強烈に怒りを感じる出来事があった。
出来事自体はささいなことで、夫から自治体の電子商品券がお得だから購入してと言われたことだった。
夫がその分のお金をくれるわけではなく、生活費から出して購入してねという意味だ。
これまでにその電子商品券は何度も使っているし、お得なのもわかっている。夫は私をコントロールするようなことはしないが、「お得」「安い」「割引」などという言葉に弱く、そういったものについては私に対して勧めてくる。
実際お得なのだから、やった方がいい(結局後になって申し込み手続きをした)。何も反対する理由が無い。夫は私に無理難題を突き付けているわけではない。

でもこういう時、私は「こいつの言いなりになってたまるか」「こいつの思う通りにはならない」という怒りや苛立ちが出てくる。
やるにせよやらないにせよ「ふーんそっか、わかった~」とでも言っておけばいいのだ。実際にやっているかどうかまでチェックされたりはしない。
なのに、できない。「私はお前の思い通りにはなりませんよ」ということを意地でも表明したくなる。
そしてこの時も「気が向けばね」と返事をした。
それを聞いた夫はため息をつき、不機嫌になり部屋を出て行った(ちなみにこれ以上は何も無く、翌日はお互い普通に戻った)。

私は怒りが消えないままだったが、そもそもどうしてこんなに嫌だと感じるのだろうか。何に怒っているのだろう。
そこで、認知の偏りを見ようと自分の気持ちをどんどん書き出していった。その時、ふと思い出した。思い出したというのは正確ではない。「そこにあったけど特に重要じゃないと思って見過ごしてきたものに気が付いた」という感じだ。これは本当によくある。どれだけのことを見ないフリしてきているのだろうといつもびっくりする。

私は、父に今回の夫に対してと同じような怒りを持っているのだった。そして、夫に対するのと同じような言動をずっとしていた。
夫に父を投影していることに気づいたら、この時の夫に対する怒りはすっと消えていった。


父の過干渉とコントロール

父は、自分は好き勝手して家にもロクに帰ってこなかったくせに、過干渉とコントロールはしてきた。
父方の実家に帰省する時や初詣などの記念写真を取る時に、家族全員に父好みの小綺麗な恰好をさせた。記念写真は最悪で、父の納得のいくまでポーズを何回も取らされた。
私の髪型に口を出し、私の一番忌み嫌っていた、前髪をオンザ眉毛で切りそろえる髪型を強要した。
私の好みとは違う服を買ってきて着させようとした。
勉強についてもうるさく、中学生になるとテスト前に私の集めていた洋楽のCDを没収された。勉強を始めるまで私の部屋の入口に立って見張り、私が反抗するとひどく怒った。
結婚してからも干渉は続き、私の子どもを溺愛しかわいがってくれた一方で、育て方などについて口を出してきた。

母は干渉しない人だったが、父がいるのでただ干渉する必要がなかっただけなのかもしれないと思う。
母は日頃喧嘩はしていたのに、父のこういった干渉ぶりには何も言わなかった。私が反抗していると「言う事を聞いておけばいいのに」と言うか、父のいないところで悪口を言うだけだった。

私は小さい頃から夢を見てうなされ、自分の叫び声で起きることが多かった。よく見た夢に「父に何を言っても伝わらずに怒り叫ぶ」という内容のものがあった。その時の怒りは、この過干渉されて抵抗する時の怒りと同じだったことに気が付いた。

とにかく父の思う通りになってたまるかと、何でも反抗した。
常に怒りや苛立ちがあったけど、同時にしんどくていつも力が出ない感覚があった。それはずっと今まで続いてきたように思う。
過干渉は子どものエネルギーを奪うというのを、身をもって体験した。
でもこれまでは全て「私が悪い子だから仕方ない」と自分を納得させてきたのだった。
そしてこうしなさい、ああしなさいと言われたことに抵抗はしても、結局不安で従わないといけないような気持になってしまう。

本当は思う通りにしたかったし、私は悪い子ではなかった。
父がコントロールしてきたことに対して怒っていい。
父は勝手なことばかりしてきたのに、私には父の思う通りにさせようとしやがって。自由になりたい。自分の思うように、自分の力を出したい。
この気持ちを抑圧してきたのだから、自分自身で受け止めて認める必要がある。本当にしんどかった。
だから常に「自由になりたいのになれない」という気持ちが心の奥にあったんだとわかった。今の私は自由なはずなのに。
この気持ちを受け止める作業は、次回までに自分でやっていくことになった。


家族システムでの私の役割について

私の成育歴を振り返り、気づいたことや印象的な出来事を脈絡なく話してから、自分の家族での役割がどんなものだったかを振り返った。
すでに学童期までは自分で書き出していたが、私は
・悪い子、問題児
・何も知らない子
・しっかりしているから大丈夫な子
という役割だったように思う。

両親は私の前で平気でいろんな内容の喧嘩をしたが、私には分からないだろうと思っていたはずだ。私どころじゃなかったから見えていなかったというのもあるとは思うが、私は何も知らないはず、という扱いになっていた(もちろん弟も)。
母の自殺未遂について私が知っているということは、話してくれた叔母以外は知らない。父が自己破産していた事実は、私と弟だけの話に留めている。
両親はかなりおめでたい人たちだ。

そして、1人で放っておいたりきつい喧嘩を見せても、しっかりしているから大丈夫だろうと思っていたと感じている。
「あんたは頭がいいからグレてもいないし、大丈夫」と母に言われたことがある。確かにグレはしなかったけど、あまり大丈夫ではなかった。
弟は小さい頃体が弱かったが、私は丈夫に生まれついた。そういうこともあったのだと思う。

そして家族での一番のポジションは「悪い子」だった。
わがままな子、問題を起こして困らせる子。
私はその役割をきちんと演じ続けてきたと思う。
大事な時に台無しにしてしまうような行動を取ったり、絶対に怒られるだろうという場面で怒られるようなことをしたり、見事に演じてきた。
ちなみに母は叔母に私のことを「しっかりしたとてもいい子だった」と語ったらしい。たぶんそれが本当の事実なのだろうと思う。
でも私の中では私は悪い子で、その意識がずっと私の足を引っ張って蝕んできた。自分で選んで自分でやってきたことだった。そうするしかなかったし、あの家庭の状況では無理もなかった。

私はとにかく自分のことを見て欲しかった。
カウンセラーには「こんな私でも愛してくれるのか」という意思表示だったのでしょうと言われた。
でも、結局愛されていて大丈夫なんだとは思えなかった(実際には愛されていたと思うが、自分の気持ちではそう思っていたのだから仕方がない)。
ずっとこんな感じで生きてきたので、いつでも自分で自分のことを台無しにしてきた感がある。
この役割を手放す。悪い子ではない、知らないフリはしなくていい、大丈夫じゃないんだから甘えて助けを求める。自分で自分のことを放っておかないようにする。


成長してからの私の役割

自分ではまだ振り返っていないが、高校生以降の役割についても少し話した。
その頃になると母は私に父の浮気や父方の親戚の悪口など、あけすけに話すようになった。私も何も感じずに、友達の打ち明け話のように母の話を聞いた。
大学生になった頃、父には今も愛人がいるに違いないから尾行しようという話になり、母と2人で父の会社の近くまで行ったことがある(結局父を見つけられずに断念した)。
母のぶっちゃけ話に軽いノリで応じる私、という図式が出来上がった。

父はほとんど家に帰ってこなかったが、私とは連絡を取り、都心のレストランなどで2人で食事をしたりした。
他愛もない話をして、穏やかに笑顔でご飯を食べてその場でバイバイするだけだった。父は帰らないので、もちろん一緒には帰らない。
でも、何も言わないし責めない。私は何も知らない。父と夕飯を一緒に食べるだけだった。母の時と同じで特に何も感じなかった。

自分の気持ちがどうだったのかを覚えていないが、あまり深く考えないようにはしていた。
カウンセラーには「この辺りにくると、ご両親との役割が逆転して、面倒を見てあげる役割になっていますね」と言われた。
確かにそうだった。この辺は、自分でももっと詳しく振り返りたいと思う。


私の持って生まれたもの

こうやって向き合ってきた出来事について、私みたいに感じない人もいるだろう。辛いと感じるのは大袈裟なのではないか、とよく思ってきた。
カウンセラーには「みんなそれぞれ持って生まれた気質が違うのだから、反応もそれぞれです。比べることではないのです」と言われた。

私が辛かったなら辛い。それでいい。
私の強迫的なこだわりも、私がもともとこだわりを持ちやすいタイプなせいもあると思う。
しんどくなるようなこだわりは手放すつもりだが、普段の生活で持つこだわりはそのままでいいのかもしれない。私が辛くなければいい。

今日はたくさん話して気づき、たくさん感情が動いた。
最近気持ちが少し不安定で、体調にもそれが出ているような気がする。それをカウンセラーに話すと「小さい頃の気持ちを感じているのだから不安定になるのは仕方がない。無理をせず、体の変調は病院に行ったりしてください」と言われた。
確かにそうだ。無理はせず、体の声も聴くようにしたい。


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