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「美味しかった」とはじめて伝えられた日。

京都で暮らすようになって6年あまり。
引越してから、喫茶店やカフェがほんとうに多いことに驚きました。

実は長年ひとりで飲食店に入るのが苦手だったのですが(なんとなく緊張してしまうので…)、京都に来てからコーヒーの美味しさに目覚め、喫茶店・カフェめぐりをするのが好きになり、いつのまにか苦手意識が薄れていきました。

とはいえ、最初の頃は「このお店のコーヒーとても美味しいな」「インテリアが素敵だな」と思っても、お店の方に伝えることができなくて、お会計のときに「ごちそうさまでした」とひとこと告げるのが精一杯。

でもやっぱり、自分の気持ちを伝えたいな…という思いは持ち続けていて、ある日、勇気を出して帰りぎわに「コーヒーもケーキもとても美味しかったです!」と口に出してみたのです。

すると、お店の方は一瞬びっくりしたような顔をされた後、パッと輝くような笑顔になり、「ありがとうございます!ぜひまたお越しください!」と言ってくださりました。

その表情を見て、今日ここに来てよかったな、と思えたし、自分が発した言葉で笑顔になってもらえてとても嬉しいと感じたのですね。

この日を境に、自分が素敵だと思ったことを、はじめて訪れるお店であっても、自然に口に出して伝えることができるようになりました。

昔の自分からすると、初対面の方にみずから話しかけるなんて考えられなかったな、と思い、小さなきっかけで人は変われると感じた出来事なのでした。


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