左手に剣を、右手に燃える心臓を。

最近、正義の女神像というのを知りました。
片手に剣を持っていて、もう片方の手に天秤を持っているアレです。
それを見た時、ふっとバタイユのことを思い出しました。

バタイユはフランスの哲学者です。
彼は哲学の入り口であり、私は就職に失敗した直後のとてもつらい日々を彼の思想とともに過ごしました。

彼の思想に無頭人というものがあり、その無頭人についての描写が
「左手に剣を、右手に燃える心臓を」なのです。

この共通する“剣”が表すものは力であり、相手に強く働きかける攻撃的なもの。
といっても、正義の女神は長い剣を持っており、無頭人は短剣ですから、やはり無頭人の方が野蛮な感じはします。

さらに、無頭人の右手には燃える心臓。
実はこれはキリストの心臓のことなのです。
バタイユは20代の時にカトリックの信仰をやめました。
右手の心臓には、キリスト教という権威への反逆の気持ちが表れているのかもしれません。


バタイユの思想については、あまりに陶酔的なので、なかなか日常的に摂取するというわけにはいきません。

しかし、セクシャルな刺激が足りない時や、理性にとらわれすぎてがんじがらめになっている時に読むと、きっとよく「効く」と思います。
そう、彼はさながらドラッグのような存在なのです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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