back number 「in your humor tour 2023 備忘録
1か月前に友人が「back numberが京セラドームでライブをするんだよ」と教えてくれ速攻でチケットを申し込んだ。最終一般のようなものの締切が当日で「それは、行くしかないだろう……?」と。この日は、京セラドームの上段。上から数えた方が早い座席からライブを観た。
この世の大多数は「巡り合わせ」でできていると思っていて。……いやあ、いきなりなんなんだ?という話なのだけれど、昔から結構本気でそう思っていて。巡り合わせ、縁、タイミングみたいなものを大事にしているからこそ、このタイミングでライブがあるということを知ったのも、長年好きだったもののなかなかタイミングが合わず、満を持して参加出来たのが今回のワンマンライブだというのも。
全部全部自分にとってこれ以上ない最高の巡り合わせなのだなあと思っているのですよ……!
まあ、セトリを見たら、「昨年のツアー行きたかったな!?」とか「なんでこのツアーに行かない選択をしたんだ!?」とかぐだぐだいいはじめてしまう気もするんですがね。(言っていることに一貫性がないことで有名です)
とにもかくにも、「ユーモア」というアルバムがわたしにとってとても大切なアルバムになったので、それも併せて記録しておきたくてこのブログを書いています。(またしても前置きが長くなってしまったぜ……。最近のライブレポが全部「後半に続く」で終わっていて、永遠に続いていないのでこのブログこそは書き終えたいと思っています。いつも思っては、いますよ)
ここからはセットリストに触れることもあると思いますので、閲覧の際はご注意くださいませ〜!
私が会場に入ったのは、30分前。客入りBGMは邦楽のバンドのものが多かった。私が入ったときに流れていたのは、ハンブレッダーズ、sumika、マカロニえんぴつ、ストレイテナー。
自分たちの好きな曲や、自分たちにまつわる曲や、仲の良いバンドや親交のあるバンドの曲を選んでいるのかなあなどと推察していたのだけれど、やっぱりここでsumikaが流れていたことに勝手にグッときて、開演前に既に泣きそうになっていた。
同時にライブハウスみたいだとも思った。あの雰囲気がライブハウスの客入りBGMみたいで。ドームだろうが、アリーナだろうが、「いつも通り」なのだろうなと、そんなところからも伝わってくる。
そして、ストレイテナーの「Graffiti」の音がどんどん大きくなって暗転。
大きな拍手に包まれている会場に現れた3人とサポートメンバーの3人。計6人が京セラドームの大きなステージに集まってくると、依与吏さんがギターを携えて何度も聴いた大好きなフレーズをギターの音色と共に放った。幕開け感がすごいよ〜!
まるで夕焼け空のようなやさしさが詰まった「アイラブユー」渇いた心にじわじわ染み込んでくるのがあまりに心地良かった。どこにも夕焼けや夕方は描かれていないのだけれど、わたしはいつもこの曲を聴くと夕方のちょっぴりさびしくなるあの感じと、ぽつぽつ家に灯りがついているのを見て早くお家に帰ろうと思うあの感じを思い出す。「どれも些細で頼りない決意で 僕の世界の模様はできている」っていう歌詞がずっと好きで!
踏切の音と駅前のパン屋を並べるところも、街中で君のことを思い出して会いたくなるのも、めちゃくちゃすきだ…きっと家に帰る道のりにあるんだろうなあ。
そんな感じで、ほっこりしていたら5秒後には「大不正解」のイントロが流れてきて思わず拳を突き上げてしまった。感情の浮き足立ち方がすごい。こういう雰囲気のback numberがめっっっっちゃくちゃ好きで、ちょっぴりダークで仄暗い感じがたまらなかった〜!サビの一拍前の空白の瞬間に、客席の方を見ながら右手をあげる依与吏さんが好きすぎて刺ささっちゃうよね……煽り方が好き……そりゃわたしも迷わず右手をあげますわ……好きのボルテージ急上昇。
気がついたときにはもうすでに踊らされているというか、踊るしかないって思わせられるのはすごいし、身体が自然と揺れるからいいなあと思う。あと、冒頭のリフが爆裂にかっこいいですね!?!?耳から離れないあの特徴的な爆発力がすごいリフ。
あとねえ、ドーム公演はどうしても音割れが気になるんだけれど、全然気にならなかったなあ…音作りが好きだ。
そして3曲目で「SISTER」ヤッター!聴きたかったんだ〜!嬉しい〜!と飛び上がったよ!
「降りかかった憂鬱は洗ったって落ちてはくれなくて」っていう比喩がめちゃくちゃ好きでさ……。「地下鉄の窓に映り込む 疲れ切った逆さの君が 君の為にこの歌を歌ってる」って……もうそんなの歌われちゃあ、泣いちゃうよな……このフレーズに何度も救われて、報われたもの。頑張れなんて言わないのに、言われていないのに。もうちょっとだけやってみるかあ、って思えるのが不思議で。「わたしが費やしたすべてが報われるときがくるのかもしれない」って光の先に走り出そうって思えるのが不思議で。すごく、好きな曲です。僕は知っているからって言ってもらえる心強さったらないですしね。照明とかなんにも覚えていないのだけれど、きっと眩い光に包まれていたと思います。(笑)
あの、レポではなく備忘録というか、私の感想を書き綴っているだけなので……すみません…有益な情報がない……いつものことながら。
そして、このへんでMCがあった気がする。もうちょっとあとだった気もするな。まあ、このへんです。(適当だな)MCももちろんニュアンスです。
「自分でチケットをゲットしてここに来た人もいるだろうし、中には連れてこられた人も……ね、そりゃあいるだろうから。まあ、アルバムの曲だけじゃなくてそういう人も知っていそうな曲もやります!だから、なんにも知らなかったなあってなることはないはず!!!!!」ってユーモアを交えつつお話されていて、会場の空気がほわんと緩むのがよかった。
ここじゃなかったのかもしれないけれど、依与吏さんが「京セラドームっていうこんなに大きなところでライブをするわけですが。まあ、場所や大きさや集客数みたいなものは全然関係なくて。キャパが大きいからとか集客が多いからとかそういうのじゃなく、とにかくいつも通り通常運転。懸命にライブをするのみ」みたいなことをおっしゃっていて、その言葉どおりのライブだなあと思ったのよ。
ドームならでは、って感じでめちゃくちゃスクリーンもおっきいし、照明も綺麗!上段から観ていたからこそ、その美しさにうっとりしたんだけれど、ステージに灯るライトを見ながらやっぱりライブハウスみたいなんだよなあとも思って。不思議だよね。
とにかく粛々と誠実に、まっすぐ楽曲を演奏する。そのシンプルさというか……真摯さがすてきだった。
自分たちがやりたいことはなんなんだ?を突き通しているところがいいなと思ったんですよね。
楽しい、だけじゃなくてあらゆる感情を動かせるようなそんなライブにと言ってらしたことも。back numberの楽曲そのものに揺らされる感情は、決して「楽しい」「嬉しい」だけではなく。そういう通常の人間活動では表出しないようにしているものもさらけ出して良いと言われているようで、信頼しかないなと思った。
「こじまぁ〜とくりはらぁ〜もいるよねえ〜?!?」って独特のテンションで和也さんと寿さんのことを紹介するのも良かった。とにかく緩い。居酒屋かな?みたいなテンションのMC。もうこの時点で「すきだろこんなの…」となっている私。ちょろすぎる。
和也さんは「ユーモアというアルバムが出来て、それをやっと直接届けられる日が来て嬉しい。どんな風に届くのか、どんな風に演奏できるのか、楽しみ」と仰っていたし、寿さんは「とにかく素敵な最高な1日にしましょう」と。おふたりとも、ビジョンに映るたびにめっっっっちゃくちゃいい顔をされていて素敵だったな〜!
そしてここで、「秘密のキス」アルバム冒頭の曲ですね。はじめて聴いた時から、わたしのすきなback numberが詰まっている!と楽しみにしていた曲のひとつ。歌詞にそれこそ「ユーモア」がたっぷり。ダブルミーニングや韻もたっぷりで、歌詞を読むたびにわくわくする。
騒々しい/期待できない/アイデンティティで韻を踏んだあと「出来もしない韻踏んだって僕の価値は上がったりしないね」がいちばんすきなところ!きらめき溢れる音が、いいなあと思う。恋がはじまるときのわくわく感がたっぷり詰まっていて、それをドラマの第1話、オープニングって表現する歌詞のセンスも、甘酸っぱさもいいんだよね〜!
そして「クリスマスソング」「ハッピーエンド」と続いていく。クリスマスソングはイントロの時点で、拍手が起こっていて認知度の高さを実感したし、なによりこの曲を聴きたい!と思っていたであろう、このイントロを待ち侘びていた観客のワクワク感が伝わってきてわたしもわくわくしてしまった。ハッピーエンドは、ひとつひとつ歌詞を拾い上げては切なさで胸がいっぱいになった。何度聴いてもこの主人公に自分を重ねて胸がキリキリするし、2番の思い出を並べていくところがめちゃくちゃすき。いろんなことを想像させる、その描写がすごいなあって。「泣かない私に ほっとした顔のあなた 相変わらず暢気ね そこも大好きよ」で涙腺のダムが決壊しました。
このあたりで、寿さんが「in your humour ツアー、1箇所目?の2日目!来てくださってありがとうございまーーーーーす!!!」みたいなことを仰った瞬間に「あれっ!?俺、言っていませんでしたね!?それ…」みたいな顔をする依与吏さん。面白すぎるだろう。それ俺が言うべきだったよねみたいな顔をしていたし、寿さんが気持ちよさそうに叫んでいるのが最高で思わずにやにやしてしまいました……back number……かわいいな?さては。
セトリを組んでいく中で「あれ?この曲もアルバムの曲だっけ?」って思った曲やりまーーーーす!(曲振りまでも、ゆるいとは)からの「エメラルド」
曲振りのゆるさからのかっこよさの振り幅が凄すぎてくらくらした。エメラルド、照明は緑!だったはず!
「降り注ぐスパンコールの雨 よく目を凝らせば僕の愛が吹きこぼれた愛だ 笑えるね」……よ、よ、よ、よ、すぎる……!!!!!!となったところはここです………!歌い方も演奏も、尖っていてでもそれでいてきらきら光っていて綺麗で素敵でした。色気を纏う歌声もいいんだよなあ。表現力が凄まじすぎる。
そして「青い春」が続いて、ボルテージががんがん上がっていく!た、た、たのしい!!!!!!「踊ろうぜ!!!!!」に「はい!!!!!」と思わず返事をしてしまうくらいには踊らされておりました……。キメの音に合わせて光る照明が綺麗で、ドラムの音が好きだったな〜!どれもこれもがキラーチューンすぎて、息付く暇もないのよ。楽しい。
そして、「ヒーロースーツ」では依与吏さんがギターを置きステージ上をハンドマイク1本携えて縦横無尽に動き回る!!スクリーンには覆面のキャラクターが踊り狂っていてシュールだった。サビでみんなが腕を上げて飛び跳ねていて楽しかったなあ!
「ヒーロースーツ」もユーモアの塊みたいな曲だなあっていつも聞くたびに思うのよね。キャッチーさもユーモアもたっぷり!話し言葉が違和感なくメロディーに乗っかって音楽になるのがすごいし、妄想を繰り広げながら進んでいく中で、「す、す、すきだ〜!」ってなる歌詞がめいっぱい詰め込まれているの。だいすきだ……戦隊ヒーローなら赤じゃないなあ…何色かなあ…から始まるの最高すぎません?主人公なんてそんな……っていう目線から歌われる歌に共感しながらも、にやにやしちゃう。武器は何にしようか考えているくだりと最後の「物陰〜」からの高揚感でワクワクした先の「首の伸びたTシャツとデニムで蹴散らすぜ」がだいすきです!!!
「ユーモア」っていうアルバムにこういう楽曲がちりばめられているのがいいよね。あとね、ダダダン♩のところ歌いたくなるの!どどどどうしよう♩ってたまに部屋でひとりで歌ってる。
ステージから遠い席だったのでよく見えなかったのだけれど、依与吏さんが動き回るたびに和也さんが爆笑しているように見えてほっこりした。平和な空間……。
そしてここで、和也さんと寿さんがMCを。どちらもおしゃべり上手で素敵だった!
和也さんが「広いね〜!でもみんなの顔良く見えるよ〜!(どこかのスポンサーの広告の名前を言って)そのへんまで見えてる!」って後ろの方を指さして言うのめちゃくちゃスーパーアイドルのそれだった……かっこいい……モテる人だ絶対……そこからサプライズで、バクステが登場!バクステに黒い幕がかかっていたみたいで、しどろもどろになりながらそのバクステの説明をされていました……
「あの、ほら、後ろのところにね。黒い幕がかかってる、あれ……なんだろって思ってた方もいるんですが」みたいな。もうこのゆるさがどんどん癖になっていく……魔力がありすぎるんよ……夏の魔法とやらですか?こわいよ……
メインステージから後方のバクステまで歩いて向かわれる3人!お客さんの顔を見ながら手を振って、ときにお客さんの反応に対してリアクションを返しながら歩いていかれていたのだけれど、そのときの表情の優しいこと!!!!ひとりひとりの顔をよく見るために、こういう場面を用意されたのかなあと思うくらいだった!素敵だよね。
バクステでは、3人が向かい合って演奏されていて。「リハーサル中を再現している」とのこと。いつもこうやって、演奏してるんだよねと。アコースティック編成でここから2曲、演奏していました。
「ヒロイン」のイントロのギターのリフを弾きはじめたかと思ったらいきなり依与吏さんが「ちょ、ちょっと、もう一回やるわ!!さすがに、間違いすぎ……しゃかしゃかなってたもんね!?」と。「はーい、もう1回行こー」「われら、いつもこんなかんじです」「日常をさらけだしてる」「そんなにさらけださなくていいのに」などとわいわい、アットホームなゆるーい空気が漂っていて和んだ。仕切り直しでもう1回。アコースティックのヒロイン、めちゃくちゃよかったー……!!!!!!楽曲そのものの良さはそのままに、アコースティックのどことなくあたたかい雰囲気がぴったりで。煌めきというよりはぼんやり灯る琥珀色の灯り。歌詞を改めて噛み締めて聴くことができて贅沢だったなあ。
曲終わり、若干の悔しさが残る様子の依与吏さんに寿さんが「俺も途中で2回くらい間違えちゃった……だからいよちゃんだけじゃなーいよっ!」って励ましてらして「か、か、かわいい!?!?すきだ!!!!!」となりました。お互いがお互いを支え合う、みたいな一面が垣間見えていい関係なんだろうなあと。
そしてもう一曲は「手紙」この楽曲はライブで聴いてさらに大好きになったもののひとつ。歳を重ねてこういうシンプルな編成の楽曲にさらに惹かれるようになってきたなあと実感するのだけれど、アコースティックバージョンになるとさらにそのメロディーの美しさに唸ってしまうよねえ。あとは、歌詞!!共感する部分が多いのは、きっとわたしだけじゃないのだろうけれど。back numberの楽曲には「私の歌だ」「私のための歌だ」と思うものが多くて。この歌詞にも、ひとつひとつ、わかるなあを重ねてしまう。「いつか歌にしよう」がいいよね。またこの先、色んな未来が想像できるようで。
優しくほっこりした気持ちで満たされて。もうこの時点で満足値が高すぎるのよ……まだ前半戦なのに。すごい。
そして今度は反対側からメインステージに戻られて、暗転したステージのスクリーンには映像が流れる。
Silent Journey in Tokyoだ!!!!!!!!絶対そう!!!!!!ヤッター!!!!!!(映像から次の曲がなにか想像する時間って、めちゃくちゃ楽しいですよね)
ユーモアを一周したあと「この曲が!めちゃくちゃ好きだ!」と思った大のお気に入りの曲でした。歌い出しの「スマートフォンをどっかに投げ飛ばして 夕暮れ羽田発で飛んだなら 多くを失うその代わりに 何が手に入るだろう」から釘付けよ。一度は想像したことがあることを歌ってくれる人がいるという信頼、心強さ、共鳴のようなものが強く自分の感情を揺らす。「愛ってのはね 呪いみたいなもんだからね」のワンフレーズもそうなんだけれど、ひとつひとつの言葉選びがパワーワードすぎて脱帽。
とくに「パラレルとタラレバの雨の中 しあわせな理由をお経のように唱えるよ」「人生はね 捉え方ひとつだからね ごもっともな結論で反論の余地もない」「未来ってのはね変えられるものだからね ってそんなの理解したわけで苦戦してんだよ」でぶん殴られてにやにやしてしまった。わかりすぎる。す、すきすぎる……!!!!!
サウンドも歌い方も気だるさや焦燥感や諦めみたいなものが全体的に滲んでいて世界観を表現する表現力が凄すぎるなあと、気がついた時にはいつのまにかその世界に沈めこまれていた。「ひどく愛しい」で曲が締めくくられるのも落ちすぎないところが好きなんだよねえ。みんな、ちょっと、聴いてくれ?最高だからさ。超前向きポジティブシンキングな楽曲が受け付けない時だって正直あって。そういうときに突き刺さるのってこういうワンフレーズだったりするじゃないですか。そういう振り幅の広さが凄いなとSISTERとSilent Journey in Tokyoを並べて聴きながら思う。
どっちがいいとかそういう意味ではなくて、人間って多面的だと思うから。そのどの角度にいる時だって、どんな感情にある時だってその凹みにぴったりはまる曲がある気がしてすごいなあって。
あとライブでものすごく化けていた。かっこよすぎるからあと5万回観たいと思った。
そして続く「ゴールデンアワー」「高嶺の花子さん」いやあ〜、アガるよね!ぶち上がるしかないし、踊り狂うしかないよね!とギアが入ったあとだんだん加速していく感じで楽曲が続いていくのが本当に最高。セットリストの組み方が超好みです。ゴールデンアワーもライブで見てもっと好きになったし、高嶺の花子さんはイントロの時点でうお〜!みたいな声が沸き起こっていて全人類のDNAに組み込まれているんじゃないかって思うほどに盛り上がっていた。イントロだけで。すごい。わたしは2番が好きです。オチまで最高なので。チャーミングで愛おしくなる妄想力ににやけちゃう。
そして、夏祭りのような賑やかさと高揚感をひしひしと味わせたあとに「赤い花火」「黄色」を並べてくるあたりがニクい。セットリストの組み方が超好みです(2回目)どーんってあがってどーんって落とされる感じがたまらないし、「赤い花火」「黄色」どちらも切なさで胸がちぎれそうになるのがすっっっごく切ない恋愛小説の読後感みたいでしんどい。
「赤い花火」の主人公の精一杯のつよがりも細かい描写も刺さる刺さる……横顔を眺めて、もうそのすべてに触れられないんだと思うのも、花火を見るフリをして横顔を眺めてしまうのも。ほら綺麗だよって言っても綺麗だねって相手がこっちを見ることはないんだなって思わせる描写に苦しくなる。ただ、同じものを見つめているのに、その同じ光が自分たちを照らすのに、違うところを見ている感じが伝わってきて感情移入が止まらないの……楽曲を聴くだけで映像が目に浮かんでくるのがすごいよね。それは「黄色」も然り。
わたしはback numberの湿り気のあるラブソングが大好きなんだと思う。自分の経験を重ね合わせてだとかそういうのを通り越して、主人公に思いを馳せて想像を巡らせるだけで息が止まりそうになるけれど、それでも追いかけたくてたまらなくなる。
そしてここで「水平線」
こんなに優しい楽曲がこの世にあるのかと思うほど、柔らかい毛布のようなぬくもりに包まれながら聴いた。美しい言葉がさざ波のように押し寄せてはわたしの身体の中に滑り込んでくるのがあまりに心地よくて。真正面から飛んでくる音楽を全力で受け止めてぎゅうっと抱きしめたくなったし、その瞬間に頭にうかべた情景は太陽の光が反射してきらきら煌めく水面だった。どうしようもない焦燥感とか悔しさとかどうすることも出来ない歯がゆさとか。そういうのをすべて引き連れていってくれるみたいでやさしいのにつよいんだなあと思った。
MCを挟んで「ベルベットの詩」
ライブを観終わったあと「わたしはこの楽曲に出会うためにああいう日をすごしてきたのかもしれない」「この楽曲を聴くために今日はここに来たのだな」と思うような楽曲が何曲もあることが多いのだけれど、「ベルベットの詩」はまさしくそれで。
歌詞やメロディーの持つ元々のエネルギーをさらに増幅させるような熱量の演奏と歌声が凄まじくて。ベルベットの詩の前に依与吏さんが話していらした内容も相まって、心臓を鷲掴みにされたあとひとたまりもなく楽曲に吸い込まれていくような、あの没入感はすごかった。圧倒的な歌の力でぶん殴られる気持ちよさにひどく感動してしまったのよね。すごすぎて。
どうしようもないって諦めて箱の中に閉じ込めたあらゆる感情を引っ張りだして、ひとつずつそこについた血を洗い流してぴかぴかにしてもらったような。泣くのをこらえるな、感情を表に出すことを我慢するなと言われているようなそんな気持ちになって、とにかくわんわん泣いた。とめどなく流れていく涙が止まらなくてびっくりするくらいに、わんわん泣いた。ひさしぶりに泣いたし、泣けた。泣かないと決めたわけじゃなかったけれど、唇をかみ締めて堪えていたすべてが身体の中から飛び出したのは、紛れもなく音楽の、楽曲にほとばしるエネルギーに触れたからだと思う。
そういう音楽に出会えたことが、あまりにも嬉しくて泣けてくる。どっちの涙か、なんの涙かもうわからくらい涙でぐちゃぐちゃになりながら最後まで聴いた。ひとつひとつの言葉が空気に触れて大きく膨らんでは私を囲ってくれたのが、お守りみたいでどれだけ心強かったか。「きっと人生は素晴らしい」この「きっと」に希望を感じるね。
最後のコールアンドレスポンスをするところで、依与吏さんがイヤモニを取ってわたしたちの声を聞いてくれようとしていた姿を見てなんだかわからないけれど、もっと涙が零れ落ちて、できる限りの声で、できる限りの歌を、それこそ「音が外れても 僕は僕だと自分の声で」歌った。
そして「スーパースターになったら」で本編〆。
学生時代の自分が聴いたら号泣していただろうなと思いながらそのときの自分の代わりに飛び跳ねておきました。大きな大きな会場でスーパースターになったらを歌っている、その会場で聴いている。その事実が嬉しくて嬉しくて、うわあ、back numberがドームでライブをしているのだなあと1番上からお客さんが沢山飛び跳ねるのを眺めながらぼんやり思った。綺麗だったなあ。
そして、アンコール前に「わたしのだいすきな添い寝チャンスは……歌わないのかな……」とそわそわしていたのですが、アンコールで出てきてくださって1発目が「添い寝チャンスは突然に」でした!!!!!!ありがとう!!!歌ってくれて!!!!!もうここまで来たら正直、ないかもな……と諦めていたのですが、あってよかった。大好きなので。かわいいよねえ、これこそ、ユーモア、チャーミングの塊みたいな茶目っ気たっぷりの楽曲。かわいくって、だいすき!合間に挟まれる「ねえ、バカなの」が好きすぎてそこだけ聴いちゃうくらいすき!(聴き方が相変わらず狂ってる)楽曲自体が1:30くらいということで、あっという間に終わってしまったんだけれど、依与吏さんが「この曲はこんな感じでいいでしょ!こんなもんでいいんよ、この曲は!」って言ってて爆笑した。いじられてるよ!添い寝チャンスちゃん!
そして、「花束」「怪盗」でライブが締めくくられました。「花束」をアンコールで歌うのは愛だなあと思ったの!紛れもないでっかい愛!昔っから大っ好きな曲だけれど、リリースからずいぶん月日が経って、さらに味が出て素敵が増しているなあと思うしなにより会話文の歌詞って、ほんとうに良いなあ。
あとねえ「怪盗」のきらっきら煌めきうきうき感だいっっすき!ときらっきらの照明を見ながらよりいっそう思った!めっちゃくちゃ綺麗だったなあ〜。ほんとに、宝石みたいだった。宝石〜のときに宝石みたいな音が鳴ってるのだいすき!「怪盗」が主題歌だった恋はDeepにの主人公って人魚でしたみたいなオチあったよね……?2番に「ガラスの靴で月にでも帰るの(シンデレラとかぐや姫)が出てくるのって、そういうのも関係あるのかも!って思うとやられた〜って思うよね。
いや〜〜〜〜大ボリュームのライブでした。公演が終わって2週間経つけれど、未だに余韻ひたひた。
こうやって、改めて書き残していくとセットリストが並んだ時のまとまり方がすごいなと驚いてしまうし、なによりアルバムツアーなのだけれど誰もが聴いたことあるよねえみたいな楽曲もうまく混ぜこみながら、要所要所にいいスパイスが効いていたなあと思った!
ポップさも若干の狂気さも、艶めかしさも妖しさも。かっこよさも可愛さも楽しさも優しさも切なさもぜーーーーんぶ、それはそれはあらゆる感情を閉じ込めて、一気に表現するバラエティに富んだ楽曲たちと、各メンバー各々の表現力が素晴らしくて、「絶対に次もライブに行きたい!」と強く思いましたとさ。
だって、シンプルに、ライブが、かっこよかったからさあ……もうそれに尽きるよ。
自分たちの音楽を愛して、自分たちの大切なものを大切にしながら、新たな挑戦をしたいつまでも走り続けているback numberがまた大好きになった、ツアーでした。最高だった〜……!
次はどんな表情を、顔を、音楽で魅せてくださるのか楽しみ!きっと来月くらいに、ファンクラブ入ったとか言い出すんだろうなあ、未来が見えすぎてしまう。
以下、どこでお話されていたか分からないけれどすきだったMCや、上記にはいりきらなかった感想を書き残して終わります。
いつものことながら、ニュアンスです。言葉選びが好きだったから、その言葉選びまるごと覚えて帰ってきたかったなあ……。次回はメモ帳持参で!
・アルバム「ユーモア」が聴けば聴くほどめちゃくちゃすきになったのでめっっっっちゃくちゃたのしみにしていったんですが、アルバムからは全部歌ってくれた(はず)のでまずそれがうれしかった!好きな曲がセトリ落ちするのめちゃくちゃ悲しいので…
添い寝チャンスのことも大切にしてくれて嬉しい。その楽曲たちが、生きる、晴れ姿を見せられるタイミングを考えてセトリを組んでいるのが伝わってきて、そのライブ作りが益々好きになった!
・楽曲ありきで、俺たちはいるというおはなし。曲側がこんなふうにやってほしいって言ってる感じがすると。「ヒーロースーツ」なんかはまさにそれで。ヒーロースーツ側がこんなふうな演出をして欲しいって言ってきている気がして、ああいう演出にチャレンジした。
・逃した魚の時にスリーピースバンドの形をもっと愛せていたら、いまのかたちはないかもしれない。(でもあの時に様々な人に出会って様々な選択をしてきたから、ステージに6人で立っているスタイルを選んで今があるんだよね、というプラスの話のはじまりの言い方が、好きだった〜!)
・「反論もするし!反論とか、しなさそうな……バンドのように見えてるかもしれないんですけど……いやライブに来ているみんなは知ってるか、もう」
・「ドームに立ったのがはじめてなんだから!そりゃあね、様になるわけないわ!やったことないんだから!」「やったことないし、自信もない。できないことはやっぱできない。でも1歩踏み出すことを諦めたくなくて、新しいことに挑戦することに決めました」好きだ。
・「アプリやSNSで遊んでもらって、色んな人に聞いてもらっていっぱい再生してもらって。曲を認知してもらうのもいい。うれしいよ。それはそれでさ。うれしいけど、やっぱり俺たちはあなたの人生に関わっていたい。あなたが生活をして、人生を送っていく中でおれたちの新曲に出会って、触れる瞬間があって「back numberがんばってるな、やっぱすげえな、」って思ってもらえたり、あわよくば気に入ってもらえたりするような、そんな曲を、こだわってひとつずつ丁寧に作っていきたい」す、す、すきだーー!!!!!!!あなたの人生に関わっていたい、はもうほとんどプロポーズ。
・「曲に出てくる主人公の帽子の色は何色で、女の子のスカートの色は何色で、季節はいつで。そういうのが全部鮮明に頭に浮かんでくるような歌詞をこれからもずっと書き続けていたいし、そういう歌を歌っていたいと思います。また会いに来るから、またこうやってさ、待ち合わせして。また会いに来てよね」好きだ。(何回目?)
back numberの楽曲にチェックのワンピースという楽曲があって。わたしはその歌詞がとっっっっても好きなんですよ。街中で彼女が着ていたチェックのワンピースをみつけるたびに思い出すのかなあ、嫌だなあっていう。(最終的にはいつかまた君に出会えたら、僕なら大丈夫って言えるように、っていう前向きさで終わるところにも救われていたのです)「はなびら」の中に出てくる「至る所に君の思い出が並んでて 随分住みにくい街になったな」もそうなんだけれど、積み重ねてきた思い出のひとつひとつが自分にとって大きすぎて目眩がする、苦しくなっちゃうときってあるんだけれど。描写がリアルで細かくて……ひとつひとつ目に浮かぶし、自分を重ね合わせてはぎゅーって苦しくなって悲しくなるのに、不思議と心が軽くなって救われて、「なんでわかってくれるんだろう」と思っていたので。だから、その部分にフォーカスをあてて話をしてくださったのが嬉しくて。歌詞のひとつひとつを大切にされていることが改めてわかってすきがつのった。わたしも、もっとひとつひとつのフレーズを、言葉を、メロディーを大切に聴きたいと思ったし、咀嚼したいと思ったな〜。あとね、また会いに来るから会いに来てよねがめちゃくちゃすきだったし、待ち合わせしてさあ、ってのがまた……いいなあって。次のツアーが今から楽しみです。(気が早い)
・「頑張れが降り注ぎすぎて、しんどくなってるひとがいるかもしれないなあと最近思っていて。頑張ったね、カッコ良かったね、って何かが終わったあととかさ、肩たたいて言ってくれる人が絶対にいるんだよ。自分は色々反省点とかもあるだろうし、思うこともあるけど、やっぱり頑張ったね、すごいね、よかったよ、って言ってくれるそういう人…そういう期待してくれている人がいるから頑張ろうって思うんだよね。俺は「頑張れ」でやっぱりできてるから。だから俺も、頑張れって気安く言ってしまいがちだけれど、やっぱりがんばれとがんばったね、よくやったね、はセットだと思う。俺も、がんばれのあとにがんばったねが言える人でいたい」
いい曲ができないときはこのままどこかに行ってしまおうかなと思う時もあるし、苦しかった。という話もされていて、こう、内面のできれば見せたくないであろう部分も見せてくれる感じがして。ステージに立つ人、とそれを観る人という垣根を感じさせない語り口が優しいなあと思ったし、好きだなあと思ったんですよね。かっこいいなあとも。
・「なんで声が出てるのかわからん(笑) 朝起きた時、あ、終わったって思ったし、終わったって思いながらゲネプロもした。がなって出してたんだよね、そういうのをノックするっていうんだけど……ノックすると、こう新しい扉が開いて……でもあんだけがなってたら潰れちゃうはずなのに、今日は不思議な感じがした。それは、たぶん、あなたがいるから。あなたが聞きたいと思ってくれたから、こう、おれのなかにその聞きたいっていうのが入って。俺も、あなたに聞いて欲しいと思ったから、声が出たんだと思う」
・曲前に依与吏さんが即興ソングみたいなのを歌われるのも凄かった。その場でギターを弾きながらその節に歌詞を乗せて歌うのだけれど、曲作りをしている時もそんな感じなのかなあと彷彿させる雰囲気だった。マイヘアのフロムナウオンが大好きな人間、好きじゃないわけないでしょう。
なんか、まとまらなかったけれど、とっっっっっても素晴らしいライブを観たなあと満足感でいっぱいです。おしまい。長すぎ。(笑)
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