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2023秋アニメ・秋ドラマに見る 「1話」

 どうも、おはようございます。木瀬です。
実は木瀬、小さい頃に子役をしておりまして、四六時中「おはようございます」を言うことに慣れてしまっている節がありますので、この場では「おはようございます」で突き通すわけですが、いやはや、ではなぜ芸能界では四六時中「おはようございます」なのか。全然「おはこんばんにちは(死語)」的な、全てを内包する単語を錬成されても不思議じゃないのに、なぜ日本語にはそれがないのだろうか…………
 まあそこは追々言及するとして……(これ多いな)とりあえず芸能界における「おはようございます」は歌舞伎の界隈からだそうですね。どのサイト見ても一つ覚えのようにおんなじ文言を掲載されているので自分も勝手に引用しますが、歌舞伎界の裏方さんたちが、出番前に練習のために早く楽屋入りしている役者さんにねぎらいの言葉としてかけた言葉、「お早いお着き、ご苦労様です」という言葉が始まりだと言われています。らしいです。マジでみんな同じ文言言っているので引用元記載しなくていいかもなとも一瞬思ったんですけれども、一応マイナビウーマン様から引用してます。1番わかりやすかったので……

 とまぁ話が脱線に脱線したわけなのですが、本日は、今やってる秋のドラマ、アニメの中で「1話を見るだけで面白い!」と思った作品をダラダラと語るやつです。
 今期、踏み出しがうまい「掴み」がかなり上手い作品が多い印象です。
 
アッ、でもまだ始まってない注目作も多いし、見ようと思っているのに目を通せてないのもケッコーあるので、そこはご容赦ください。(ドラマ結構今週スタート多いし、薬屋のひとりごとも木瀬の地域ではOAまだだし……)
今回はとりあえず
・16bitセンセーション
・時をかけるな、恋人たち
・ティアムーン帝国物語
・パリピ孔明
・オーバーテイク
の5作品で行こうと思います。
 正直今は評価落ち着いてる作品もありますが、あくまで「1話」にフューチャリングしているのでご容赦ください。


①16bitセンセーション ANOTHER LAYER

画像引用元-©️ 若木民喜、みつみ美里(アクアプラス)、甘露樹(アクアプラス)/16bitセンセーションAL PROJECT(ANIPLEX、BS11、TOKYO MX、コンテンツシード)

あらすじ
 秋里コノハは美少女&美少女ゲームが大好きなイラストレーター。
超人気絵師になることを夢見て美少女ゲーム制作会社で奮闘しているものの現実はうまくいかず……、ソシャゲ全盛期の現代に会社は傾き、コノハはサブのイラストレーターとしてモブキャラの後ろ姿を塗る日々を過ごしていた。
 ある日、ひょんなことから過去の名作美少女ゲームをゲームショップの店主から譲ってもらうことに。
 美少女ゲーム黄金時代に思いを馳せ、『同級生』のパッケージ開くと突如まばゆい光に包まれ、気づくとコノハは過去にタイムリープをしていた!
 行きついた先は1992年!世は美少女ゲーム黎明期!
 アルコールソフトという会社で働くことになったコノハは、美少女を想い、美少女を描き、美少女を創りあげていけるのか!?
 圧倒的な美少女への愛でお送りする、ひとりの少女の物語――
 『それじゃあ、始めるね!』
(16bitセンセーションANOTHER LAYER 公式サイトから引用)

 
まず私は美少女ゲームが好きで、そこ込みでの評価になっちゃうことをお許し頂きたいのだが「こんなのオタクみんな泣いてまうて……」が正直な感想でした。

画像引用元-©️ 若木民喜、みつみ美里(アクアプラス)、甘露樹(アクアプラス)/16bitセンセーションAL PROJECT(ANIPLEX、BS11、TOKYO MX、コンテンツシード)

 アナログの画角に淡い映像で始まり、懐かしい1993年、まだ「2次元」が世に認められていない時代の電気屋街らしい姿の色濃い秋葉原から始まる……ここでもう「好き」と、なっちゃうのよ……昨今の「エモーショナル」ブームに乗っかったわかりやすい「古い」演出と、時代考証からしっかりしている秋葉原の見た目、もうそんなの……ねぇ〜?(一時的な語彙力の欠如)
 とまあこのワンシーンだけで限界オタクになるワタクシだったのですが、ここから主人公の素性(あらすじ参照)が明らかになるのだが、その中で登場する全盛期の美少女ゲームがほぼ全部『そのまま』で出てきて、もうテンションブチ上げですよそんなもん。

画像引用元-©️ 若木民喜、みつみ美里(アクアプラス)、甘露樹(アクアプラス)/16bitセンセーションAL PROJECT(ANIPLEX、BS11、TOKYO MX、コンテンツシード)

 後々知ったのですがこの作品、出発点は同人誌で著作権を気にしなく、思いっきり作ってたのを商業誌に移植することになり、その際に会社がめちゃくちゃ頑張って許可取りをしたらしいですね。
 めちゃくちゃ陰口みたいになっちゃうけれど仮面ライダーセイバーも、おもちゃの関係で本名の作品一個も出せなかったけれど、もし本がバリバリに本名だったらめちゃくちゃアガったのかな〜とか思っちゃいました。

 話は戻りますが、とにかくこの作品、ヘーキで「kanon」とか「痕-きずあと-」とか「同級生」とかが出てくるし、なんなら物語のキーになったりもします。

 コレをもう「これでもか〜っ」と1話で見せるのが本ッ当に正しいというか、強みを生かしてめちゃくちゃやるというのがまさに見えてくるのが良くて、それもタイムスリップのキーにまでなっちゃうのはちょっと笑っちゃったけれど大好き。

 まさかタイムスリップのキーが「『同級生』を開封」だと思うわけないじゃないですか…………

画像引用元-©️ 若木民喜、みつみ美里(アクアプラス)、甘露樹(アクアプラス)/16bitセンセーションAL PROJECT(ANIPLEX、BS11、TOKYO MX、コンテンツシード)

 そして1話ラスト、冒頭シーンに戻ってきて、過去で大焦りする主人公は、父のゲーム会社で美少女ゲームのプログラムをする中学生の男の子(六田守)とぶつかり、主人公が押し倒してしまう……ていう出会い方がもうッッッねッ!天才かて……ちゃんと当時の美少女ゲームのメインヒロインとの出会いシーンみたいな演出になってて、メタ的視点ではあるものの、主人公のキャラクターも相まって、(あとで「美少女ゲームがあったおかげで、私みたいなこんなキツいキャラクターでも不思議ちゃん程度のキャラクターで許されているんです」と自身で美少女ゲームのヒロインのようなキャラクターを自虐しているパートがあるので、多分ここは意図的)美少女ゲーム好きが好きな展開を創出することで、完全にそのテのオタクを落とすという流れがあまりにも綺麗で、1話の掴みが近年稀に見る計算され尽くした完璧さでした。

 それで劇伴と楽曲もとてもよくて、クレジットを見ると劇伴:やしきん ED楽曲:折戸伸治&KOTOKOと、どこまで隙がないんだと……まあこの辺は最終回終わりの総括記事を作りたくなったらじっくり語りますハイ……

②時をかけるな、恋人たち

画像引用元-©️関西テレビ放送/ホリプロ

あらすじ
常盤廻(吉岡里帆)は物事のつじつま合わせが得意な広告代理店勤務のアートディレクター。密かに想いを寄せていた後輩の広瀬航(西垣匠)が婚約したことを知り、失意のどん底に落とされる。その晩、やけ酒をあおり、公園のベンチで一人座っていると、突然座っていたベンチが地面に沈み、目の前に未来人風の男・井浦翔(永山瑛太)の姿が。
 翔によると、そこはタイムパトロール基地で、天野りおん(伊藤万理華)、八丁堀惣介(じろう・シソンヌ)、和井内秀峰(石田剛太)と共に未来で横行する違法タイムトラベルを取り締まるタイムパトロール隊員だという。
 状況がまったく理解できない廻をよそに、彼らは新たなメンバーとして廻を迎え入れて…!?翌朝、目を覚ました廻は、翔たちとの出会いは悪い夢だったのだと再び公園へ。すると、昨晩と同じくタイムパトロールの基地へと導かれ、有無を言わさず彼らのミッションに巻き込まれる。
(時をかけるな、恋人たち 公式ホームページから引用)

 いやそもそもこの最近始まった火ドライレブンという枠が大好きで、一作目「ホスト相続しちゃいました」は、

画像引用元-©️関西テレビ、MMJ

ホスト業界の実情と光と闇を否定一辺倒でもなく、肯定一辺倒でもない目から知れるドラマで、ホスト業界、否定ばっかりか肯定ばっかりで聞くことが多いからそれだけですごく気になったし、話も実は友情、努力、勝利の少年漫画みたいなフォーマットと、ここ最近のドラマの流行り「隠匿もの」を絶妙な塩梅で織り交ぜ、ベタ×ベタ×ホストという実は誰もやってないうまいところを突いた作品だったし、二作目の「ウソ婚」も、

画像引用元-©︎時名きうい/関西テレビ放送、ジェイ・ストーム、共同テレビ

話の流れはほんっっっとつによくある「逃げ恥」から始まるテンプレ的な「秘密隠匿もの」なんだけれど、脚本の詩的でケレン味の溢れる台詞回しが良すぎて、思わず全話見ちゃうような作品になっていたし、同ジャンルで比べると、逃げ恥では「客が求めるモノを全部出してくれる欲張りバイキングドラマ」だったのに対し、この作品は「私が私に向き合って作った私にしか作れない最高の一皿です」みたいな芸術作品のような作品でした。
 というふうに素敵な作品を連発するこの枠で満を持して放たれた3作目がこの「時をかけるな、恋人たち」個人的には数々の森見登美彦作品を映像化の脚本をよく担当し、藤子F・不二雄作品の映像化や、最近では魔法のリノベの全話脚本を執筆した上田誠さんが脚本と聞いてもう勝ちを確信したところがあります。
 この1話にもふんだんに上田さんらしさが溢れていて、漫談のような小気味良い会話が全編に散りばめられており、基本的に主人公の心の声が「この場面を見て思うこと」を大体代弁してくれるので、ちょっと前のM-1でオール巨人師匠が東京ホテイソンに言ってた「ツッコミは共感なんだ」という言葉がまさにピッタリハマるホンだなあと思うような(まあ!木瀬は東京ホテイソンが好きなので!この時は納得いってなくてこの文言覚えていたのだけれどね!!)作りで大好きです。

 この作品の良さは脚本だけではありません。ズバリ「演出」です。

画像引用元-©️関西テレビ放送、ホリプロ

 この画像、未来人の秘密基地のセットなのですが、わかりますかこのノスタルジー!!
 セットに使われている「未来のもの」とされているのが昭和家電や、70年代のでっかい通信機ばっかりなんです。そして未来人の服も藤子F・不二雄作品バリの昭和さ。
 そう、この作品で示される「未来」は60年代〜70年代頃の高度経済成長期に想定されていた「未来」像を再現してあるんです。OPに出てくるイラストの雰囲気もまさに昭和。

画像引用元-©️関西テレビ放送、ホリプロ

 でもコレが私たちを惹きつけるんですよねぇ……ただ古いだけではなくて、淡色の三色程度にセットの空間を押さえてあって、色味がシックというか、シック新しい感じを表現していて、その昭和家電たちが空間に溶け込んでいるのがすごい。しかもなぜか未来感も担保されている。
 ボクが個人的に昔っから70年の大阪万博の映像や資料が大好きで、昔の人が思う「未来」が大好きだったのもあり、この美術の感じはもうピンポイントにドストライクとなんですよねぇ……
 あえてCGも使い放題な現代に「エモさ」を意識した昭和未来をお出しする感じ「過去の文化」に関心の高い若者の心を「グッ」と掴んで離さない演出が上手いなと……
 また話の中身の方に戻りますが、そんな昔未来感は話にも現れており、「時をかけて恋に落ちてしまう未来人の話」のオムニバスな感じのフォーマットを一話にして樹立してきました。このオムニバス的な話作りも少し昭和感が漂うし、(ドラえもん然り、昭和ウルトラマン然り)何かわからないまま、ドタバタと話が進行して、なんの説明もなしに違法タイムトラベラーとかタイムボードやら知らん専門用語が乱発されるのに、妙にビジュアライズが丁寧でなんかわかっちゃう感じとか、そういうところも素敵。昨今も評価され続けている昭和の名作SFよろしくな雰囲気がこれでもかと、コレでもかと乗せられている。
 とにかく期待たっぷりの30分、すごいモノを、伝説の始まりを見届けるかのような1話でした。


③ティアムーン帝国物語

画像引用元-©︎餅月望/SILVER LINK.

あらすじ
ティアムーン帝国で“わがまま姫”と蔑まれた皇女、ミーア・ルーナ・ティアムーン。彼女は、20歳の頃、民衆の革命によって断頭台で処刑された……はずだった。だが、なぜか処刑直後、12歳の頃にタイムリープする。突然の出来事に困惑しながらも、生きていることに安堵の表情を浮かべるミーア。今までの出来事は全て夢だった思うことにするが、処刑される直前に自らが綴った血染めの日記帳を発見。さらに以前の時間軸で世話をしてくれたメイド、アンヌ・リトシュタインと再会をして……。
(アニメ ティアムーン帝国物語HPから引用)

 この作品の1話で言いたいのが「なろう系のフォーマットって、ちゃんと使えばちゃんと面白くなるんだなぁ……」というコトです。これは水星の魔女の時も思ったのですが、これは正真正銘のなろう原作作品。
 いわゆるタイムリープものに近いとは思うのですが、作中では「過去の自分に転移した」と表現されてましたね。断頭台で死亡直後のタイムリープなので、そういう表現なのかなと思いながらも、この言葉によって時間を遡るのは一回こっきりである可能性が高そうというか、ここで描きたいのはそこではないという感じがする。それもすごく良くて、この一言で「作品のやりたいこと」が見えてくる。

画像引用元-©︎餅月望/SILVER LINK.

 流れ的には「強くてニューゲーム」なのだが、割とちゃんと痛い目を見ているのが好感触。捕まってすぐ断頭台ではなく、捕虜として幽閉され、しばらくの間拉致監禁、その間に一般人以下の扱いを受け、過去の「わがまま姫」を強く反省しているパートが割と長めにあり、主人公の動機の納得感と、過去に戻り、貴族の生活のかけがえのなさを知る流れで、すっかりと主人公に感情移入できるのが構成として素晴らしい。

画像引用元-©︎餅月望/SILVER LINK.

 過去の知識からの無双……というか死なないための下準備が始まるわけだが「ゲームの世界に転移して、やりこんでいたので、余裕です」より、上記の経緯の方がかなり感情移入できるし、素直に主人公を応援できる。
 なろう系異世界転生ものは「自分のどん底人生」が勝手に前提条件にされて、そこからの回復のみを描く作品が多く、それだと全然応援しずらい。しかしこの作品はちゃんとテンプレートは変えずに、そのテンプレートにしっかりと意味と感情移入を乗せている感じがとっても良い。
 ここからも失敗をちゃんと猛省して、苦汁を啜った時間を忘れずに無双してほしい一作。


④パリピ孔明

画像引用元-©︎四葉夕卜、小川亮/フジテレビ、C&Iエンタテイメント

あらすじ
時は西暦234年、中国で魏・呉・蜀の3つの国が覇を競っていた三国時代。稀代の天才と謳われた蜀の軍師・諸葛亮孔明は、魏と蜀が争う五丈原の戦いの最中に病で倒れ、今際の際に「次の生があるならば、戦のない平和な時代に生まれたい」と願いながら病没した。
 そして時は流れ、現代の日本。死んだはずの諸葛亮は若返った姿で再び生を受け、何故か生前の服装のまま中国ではなく東京・渋谷の路地で目を覚ました。その直後、酔っ払った若者に連れられて入った一軒のクラブで、諸葛亮は月見英子という駆け出しのシンガーソングライターの歌声に魅了される。  
 あくる朝、渋谷の道端で泥酔して眠っていた諸葛亮は英子に発見され保護され、自分が約1800年後の日本に転生したことを知る。諸葛亮は自分を保護し、心を満たしてくれた英子の恩義に報いるべく、軍師(マネージャー)になることを申し出て、彼女をスーパースターにするためにその知略で数々の奇跡を起こしていく。
(Wikipediaから引用)

 この作品自体はアニメ版から追っていたのですが、このドラマ版に心を掴まれた理由の大きな要因として
 「なんでアニメや漫画より演出が派手なんだよぉ!?!?」

画像引用元-©︎四葉夕卜、小川亮/フジテレビ、C&Iエンタテイメント

 これがあります。
 なんでかわからないが演出が優にアニメを超えてくる。
 今まで実写とアニメの差として「できる見せ方が違うので、どうしてもアニメの方が派手に見える」というのがあったとは思うのですが、別にアニメ的に過剰になっているわけでもなく、あくまで「ドラマ」という域なのに、かなり演出がモリモリで派手派手。初回のインパクトはアニメを優に超えてきました。

画像引用元-©︎四葉夕卜、小川亮/フジテレビ、C&Iエンタテイメント


 幻想的になった渋谷の街のありえないくらい大きなセットがまず目に飛び込んで来て、その後に挿入されるOP(画像2枚目)も、撮影の陰影感が抜群で、撮影方法に余念のない、まるで異世界ものかのような「引き込み」方。(実際は世界はゴリゴリの現実なわけだが)孔明の衣装の完成度、インパクト、どれをとってもパンチ力の高すぎる絵面にもう負けました。
 また、アニメではパリピ孔明の「トンチキさ」をやや強調気味の作風で、もちろん成長ものとしての側面も強いですが、ギリトンチキさが勝るような感じでした。
 しかし、ことドラマに関しては空間演出等の演出の類はかなり潤沢な資金で細かく、シックに作り込まれていることがわかる。

画像引用元-©︎四葉夕卜、小川亮/フジテレビ、C&Iエンタテイメント

 そこから繰り出される「夜の世界の成長もの」感がかなり強調されている。しかしそのシックな空間からもたらされるシュールな笑いは、同じ物語であるにも関わらず、全く違う笑いの体験をくれる。(めっちゃ叩かれてたけれど私は大好きだった『アニメ チェーンソーマン』がやりたかったのはまさにこういう感じなんじゃないかなぁ……)
 アニメや原作を見ていた人にも「同じ物語」でありながら「違う体験」をしてもらおうという気概を節々から感じ、同じ話でももう一度見たいとさせてきており、気合が入っていて、かなり期待の持てる1話でした。


⑤オーバーテイク!

画像引用元-©︎KADOKAWA 、TROYCA

あらすじ
「F4」、フォーミュラ4。
「F1」を頂点としたフォーミュラカーレースの入門カテゴリーで、上級カテゴリーに優秀な若手ドライバーを輩出しており、シリーズ発足以来、「モータースポーツの甲子園」としての役割を担う。そのサーキットに、ひとりの男が足を踏み入れる。
 眞賀孝哉。フォトグラファーとして活動しているが、現在はとある理由によってスランプの渦中にある。取材に訪れた富士スピードウェイで、高校生「F4」レーサー、浅雛悠の走りを目の当たりにする孝哉。その愚直なまでのひたむきさに、久しく感じていなかった胸の高鳴りを自身の裡に蘇らせる……。
 それをきっかけとして、彼は弱小チーム「小牧モータース」と共に、悠を応援しその夢を叶えようと決意。いつしか、性格も年齢も全く異なる悠と孝哉の人生は、互いに交錯していく━━。

 青春泥臭スポーツモノをモータースポーツでやりたい!!!!!!!という作品。正直今期見た一発目の作品だったというのもあって、かなり贔屓目かもしれませんが、まだあまり知られていない「F4」というコンテンツをこんなにも完結に説明し、そしてレースまでもをしっかり描写して「なんか面白そう」まで持って行けるのがとても良いなぁと思った1話でした。正直すっごいワクワクした。
 木瀬はあんまり野球とかサッカーとかの作品は読まないのですが、それって、さっきのなろう系の件でもありましたが「あなたたちサッカー、野球好きでしょ?じゃあまあ大体わかるよね。甲子園とか」みたいなテンション感で導入を流される感じが苦手なんです。そういう意味で言うと、誰もが知らない「F4」というコンテンツにすることで「誰もが知っているわけではない」前提なのでかなり見やすく、個人的には良ポイントでした。

画像引用元-©︎KADOKAWA 、TROYCA

 また、1話のレース開始までは「どのグループが主人公がメインで関わる子達なのか」が若干不明瞭なままになっていて、(まあ大体は察しついてはいたんだけれど)比較的フラットな目で、感情移入のない状態でレースを見るという体験により、そのレースの現実感や、シンプルにCGで描かれるF4レースの描写の美麗さに集中できるようになっていて、すごい良かったです。また、レース終わりに、明確にこの作品の主役がドンっと示される展開も、とっても良かったなあという所感でした。

画像引用元-©︎KADOKAWA 、TROYCA

 前半は「F4」の説明に徹底して、レース作画の暴力で殴り、ラストにこの作品における「主役」を示すという構成が美しく、スポーツ漫画、アニメに求めている「第一話」は「コレ」なのでは???とかなり強めに思いました。


 ざっと第一話で心を掴まれた2023秋アニメ、2023秋ドラマをまとめました〜
 やっぱり言語化するとわかるのが「美術の良さ」って1話で人を惹きつけるためにやっぱり大事だよなぁ……となりました。
 また、テンプレートの大事さもね……テンプレートは雑に消費する人が悪目立ちしちゃってついつい避けたくなっちゃうけれど、効果的に使えばやっぱり導入としての完成度は高いし、どんどん使うべきなんだよなぁ……
という総括。なんか後半語彙力落ちて限界感じちゃったので今回はここまで!ありがとうございました!


さよならばかりな人生だ、物語だけでもずっと愛していようよ。


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