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2022年新作テレビドラマ放浪記

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2022年の新作テレビドラマの感想です
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2022年4月の記事一覧

「インビジブル(第3話)」柴咲コウのファッションと犯罪の美学と…。

第3話、徐々に高橋一生が追いかける三年前の事件に近づいていく。柴咲と高橋の会話する中で、どんどん、高橋が柴咲に飲み込まれていき、警察自体も犯罪者の言いなりになっていく感じが、なかなか面白い。犯罪に詳しいという点では、犯罪者も警察もデータの読み合いみたいなもので変わらないということだろう。そして、犯罪は、優秀な脚色家がいれば、成功するということなのだろう。そう考えると、世の中で犯罪というものが水面下で世界を作っているということも言えるわけだ。 なんか、このドラマ、殺人の見せ方

「やんごとなき一族(第2話)」基本、これは喜劇なのだろうが、そこに役者たちがどうハマろうとしているのかの面白さ

色々と、予想通りの展開を見せる第2話だった。とはいえ、話の流れはある程度読めるので、そういうところよりも、役者たちがこのドラマの配役にどう挑んでいくかが面白いところだとわかってきた。そういう意味では、松下洸平などは、全くここでは飲まれている。「最愛」で見せた細かい感情の芝居などいらないわけで、そんな中でどうアピールしようかというところでは、完全な出遅れの感じで、埋もれている。今後、どうキレるかに期待! そういう見方では、初回でも書いたが松本若菜が最も振り切れている。顔芸も含

「未来への10カウント(第3話)」ボクシングの面白さがわかるまで

3話目で、フォーカスが生徒である山田杏奈に移る。これは、少し早いのではないかとは感じたが、連続ドラマの全体の構成から、まずはやっておかないと、木村拓哉の勢いも、山田杏奈の勢いもつかないということなのかもしれない。結果、木村は、満島ひかりと山田の前で、自分の悲しい過去を洗いざらい話すことになる。生徒のダメな父親を利用して、自分を殴ってる感じなのが、格好良くはないが、物語を進める上での木村の立ち位置を明確にして、ボクシング部に集中させるという回だったのだろう。だからこそ、最後の練

「悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~(第3話)」女性社員はみんな田中麻理鈴!

実に爽快なドラマである。でも、古い原作であるのは良くわかる。こんなに企業というものの中で、人に活力がある時代ではない。鈴木伸之が江口のりこに言われる「優秀な人間の欠点は自分で優秀であることを知っていること」この言葉、昨今の二極化時代の企業の中では、なおさら納得がいく。自分の地位だけで生きて、それがプライドになっている人が多すぎる。何かのきっかけで金を得られたと思われる人にも、「自分は優秀だ」という勘違いの人は多いし、そこに品格や謙虚さが著しくない傾向をよく見る。そういう、閉塞

「持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲〜(第2話)」サムな関係って、友達なの?恋人なの?

「サム」という言葉が出てきた。調べると、韓国からの流入らしい。「友達以上恋人未満」のことらしい。まあ、そういう事象自体は昔から語られているわけで、この「サム」という言葉、意外に日本でも定着してしまうかもしれない。英語のsomethingから来てるということは、グローバルに使われる可能性もある。つまり、昨今は、言葉は異言語を平気で変えてしまうこともできてしまう。日本語が乱れていると良く言われるが、ある意味、世界を簡単に行き来できるような今の状況では、もはや、乱れるなというのは無

「恋なんて、本気でやってどうするの?(第2話)」恋愛を丁寧に紡いでいく感じには好感が持てる

今時、処女を捨てられない女のドラマか?とも思ったが、広瀬アリスは、なかなかそれを自然体で演じている。戸塚純貴と事に至ろうとした時の強張りかたはなかなか。そして、戸塚もこういう役が実にうまい。その流れの中でラストで松村北斗のところに雪崩れ込んでいく感じは、投げやりなドラマチックさを感じる。こういう部分も含め、わかりやすい恋愛ドラマではある。 そして、西野七瀬と藤木直人の出会いも、仮装パーティーの中で展開していく。ゲームにとち狂うだけの旦那というのは、実際にいそうだが、「何故に

「元彼の遺言状(第3話)」綾瀬と大泉のコンビがもう一つ魅力的になっていないよね…。

確かに、3回目からは、普通の事件ドラマになってる感じ。でも、次週にまた、生田斗真がでていたり、黒丑君もまた出てくる。今週の関水渚もそうだが、連作の中でいろいシンクロしてくる感じなのですね。そういう意味で勝村政信の刑事も、意味不明の存在感を見せているのね。 でも、最初の方から武田信玄だ、パトラッシュだと、色々アイコンを出してきて面白そうに見せる割には、なんか、また面倒臭い推理案件なのよね。そこで、ツツジの花の色とか、「そして誰もいなくなった」とかも引用しながら迫ってくるのだが

「マイファミリー(第3話)」二宮和也のいる立場がいまいちわからない。彼は誰に何を恨まれているのか?

確かに3回目で誘拐は解決したが、犯人の顔は見えない。結局、刑事事件で警察を除外するということは、警察を敵にするということだ。そう、警察は事件を知っている以上、その捜査から引くわけがない。 しかし、この社会、GPSさえ追っ掛ければ、誰がどこで何をやっているか推測できるわけである。そういう意味では、警察の動きがわかれば、それを混乱に陥れることは簡単。とはいえ、ここにあるように、フェイクの流れを作りながら、自分たちで娘の救出を行うというのは無謀だ。そして、犯人は顔さえ出てこない。

「パンドラの果実〜科学犯罪捜査ファイル〜」シンギュラリティが迫ることの警告SFドラマ?追う3人のチームワークが魅力的に描けるか?

まあ、AIを使った犯罪を追求するドラマということで、それなりに期待して観た。まあ、及第点だろう。テイストは、「怪奇大作戦」的なものを感じた。あれが放送された頃は、そんなPCが発達していない頃。それでも「京都買います」で観られたような物質伝送みたいな話が出てきて、子供心にはそんな未来が可能なのか?と色々考えた。それが、今は、量子力学などが研究され、無理でもないように感じてはきている。 このドラマも、シンギュラリティという言葉が出てくるように、現在できることよりも2歩以上先のこ

「インビジブル(第2話)」美しく妖しい、柴咲コウにドラマ自体が平伏してる感じ…

今回の大団円は、粉塵爆発。ここの種明かしをあまり、ちゃんとしなかったのは、類似犯罪が出ないようにからか?そう、最初から、このドラマ、テレビの枠内でできる、ぎりぎりをやっているような感じがする。とはいえ、一回の中で、人が死にすぎだろうと思ったりする。ある意味、凄惨すぎる状況をさらに求める欲求も出てきたりする。そういう意味で楽しみな危うい空間だ。 だから、インビジブル、柴咲コウに振り回される高橋一生も警察も、ただの人形状態。彼らはインビジブルのコマでしかない。つまり、犯罪者をコ

「やんごとなき一族」化物屋敷の派遣争いという異次元に放り込まれたヒロインの怒りの展開は楽しみ。

こやまゆかり原作のコミックのドラマ化。コミックらしい展開といえばそうである。話は、貧乏一家から大金持ちに嫁いだ女が、いじめられながらも、どうのしあがっていくかという話らしい。初回は、結婚して、その家の異次元なしきたりというか、風習に馴染めぬままに、サウナに閉じ込められ、腕力でドアを破壊して怒りの顔を見せるまで。 こういうわかりやすい話は、それなりに視聴率は取れそうな感じがする。キャストも、それなりにエグみを持った方々が集められた?尾上松也と松本若菜は、「ミステリという勿れ」

「未来への10カウント(第2話)」コーチの過去が全て提示され、新たなラウンドに入っていく爽快さ!

ほぼ、ボクシングの未経験者を2ヶ月で、試合に出し、勝つところまで考えるという、なかなかリスキーなミッション。そして、教職についていないものはコーチにはなれないというハードル。ある意味、ドラマチックな舞台を作り、ついにゴングがなったという感じ。木村拓哉は、さすがなのは、最後のジャブをコーチするところから、一気に顔つきが変わるところだ。教壇で、経済の仕組みを教えるのに、焼き鳥の話を始めるところもそう。もちろん、演出のキレもあるが、そう演出を仕向ける木村の凄みみたいなものはあるのだ

「悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~(第2話)」正直な思いをとことん伝えることで、真実が浮かんでくる

ラストの、今田美桜のミツバチの話がとても強く刺さる感じはお見事の2話。そう、人間界の女性蔑視的な長い展開は、決して自然界の常識ではないということ。そして、現代は自然の摂理で、強制的にできた人間のシステムが壊れつつあるということなのかもしれない。 今回は、人事部に配置転換される今田。前回に続き、仕事を必死でもらい、必死で1日を過ごす。昼は、先輩の江口のりこと地下で弁当。とにかく、上司の石田ひかりに指示をもらうだけの感じだが、パワフルだ。周囲の上司批判は聞くだけ聞くが、自分で確

「持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲〜」父娘同時婚活という今時をどう描くかというところ

「持続可能な恋」つまり、SDGsが叫ばれる時代、恋もサスティナブルでないといけないということか?いや、個々人の価値観がこれだけ多様化する時代に結構難しい話である。そして、主人公に持続可能性があまり見えてこない。まあ、松重豊の辞書編集という仕事には、地道なそういうプロフェッショナルの継続性みたいなものは見えるが。そんな感じで、この、結構私的には気に入ってるタイトルをどう活かすか?というのがドラマの成功の鍵にも見える。 主演は上野樹里。私的にはあまり食指は伸びない女優さんなのだ