JT CM「想うた」

このnoteを使って、これからCMや広告について

・自分がなぜ面白いと思ったか
・なんで反響があったと思うのか
・詳しく調べた内容とその印象
・調べた上で、なぜ反響があったのか
・どんなロジックがあったのかの考察

を考えていきたいと思います。

では第1回の今回はJTの「想うた」シリーズ考察します!
とは言ってもシリーズ化されて今回第6弾が出ている大作なので
1つずつやっていこうと思います。

スクリーンショット 2020-09-15 23.11.36

引用元:https://www.jti.co.jp/cw/movie/omouta/index.html


そして、今回扱う第1弾はこれ!『親を思う』編

https://www.youtube.com/watch?v=H__UFuZ7FVw

まずは、

自分が特に調べずに感じた感想としては、

「よくあるやつ」そんな印象でした。
よく広告である家族もの。自分は家族ものとかまさに
『人を想う』タイプのものに弱いのですが
そんな自分でも

「よくあるやつ」

そう思ってしまいました。
ここでHPに上がっている120秒の動画を見てみます。

「めちゃめちゃ良い」

ストーリーがしっかりしていて、まさに家族ものの自分が弱いやつ

自分が忙しい時、苦しい時に支えになる。
夜中の3時に親からのメッセージを見る。
うざったくも感じるけど支えられてるとも感じる。

父親の表情や距離感、両親サイドからの目線、想うシーン
ガムシャラに頑張るシーン、最後の帰るシーン
全てがよくあるけど刺さる。そんな印象でした。

また、帰路で昔の自分を重ねるそんなシーンもあって
これは他の家族ものでは、あまり見られないかなと感じました。

一方で自分が30秒であまり惹かれなかった理由としては
まだ自分が学生であり、社会人としての親との接し方などで共感しない部分があったのかなと思います。

CMの評価としても、テレビで流れて泣いてしまったとのコメントも多く、30秒の中で共感を作り感動へと導いていることが伺えます。

では、なぜこのCMが反響があったのかを考えてみます。

まずはやはり
家族訴求

これはいつの時代でも心に刺さるのではないかと思います。

また
音楽

音楽も間違いなく、このCMを支える要素の1つであると思います。
最後のありがとうの部分が歌と映像が重なる。
でも、映像の方のありがとうの声をださない。

そんな部分に敬遠されやすい『広告らしさ』や『いやらしさ』を
消す要素があるのかなと思います。

そしてリアルさ

このCMでは特に大きな失敗や成功があるわけではなく、新入社員の日常が描かれている点も世間の人のリアルな日常と重なったのではないだろうか。

そしてクロージング

最後に北村匠海の発する音にならない「ありがとう」
この言葉が様々なことへの感謝の言葉に感じられ、視聴者の自分なりの感情のこもった「ありがとう」に変換される。

この視聴者の想いを持った「ありがとう」の後に「想いは人を支える」のコピーで自分が支えられていたことを思い自分も感謝を伝えようと、自分ごとに考えることができるのではないか、と考えた。

「ありがとう」というある種の抽象的な言葉を使うこと、さらに実際の声を流さないことによる視聴者の想う「ありがとう」に委ねているように感じられた。


また、個人的に感じていたのは
このCMをJTが出しているという点である。

JTはこのCMから
『人の時を想う』
を掲げている。

もちろんタバコに対する印象の改善が目的ではあると思うが、
それを、「人の時を想う」という一種の逆張りで広告を出す
という発想に驚かされる。

それまでは分煙をうたい、他者配慮について述べていた。
それをタバコだけでなく
『人の時を想う』
という大きな社会テーマを打ち立てた
そんな部分にも反響を生んだ理由が隠れているように感じた。

では、次に調べてからの考察をする。

まず、テーマが
「想うた」
ということで

特設ページに行くと

人が人を想うとき
それはすべてうたになる

とある。
この言葉の中にも、「人」と「想う」以外が平仮名である点にも
柔らかさ、人を想うという暖かさを感じられる。

そして、この企画には歌が深くまで根付いていることに気づかされる。
CMの中では歌は脇役になることが多いと感じている中で、
自分のことだけでなく、人の気持ちを想像し、想い合い、認め合っていく
大切さを、歌にして届ける、ここが面白く、人に響く要素だと感じた。

差別化というと淡白なものになってしまうが、
実際の映像からも「歌」が主役になっている様子が感じられ
そんな点も押し付けがましさを感じさせない
アクセントとなっているのかもしれない。

さらに、

親が子を想う気持ちと、子が親を想う気持ちは、本当は釣り合っているんだけど、釣り合わない瞬間も人生にはあって。その両方の瞬間を描くことで、共感して頂けるのではと思いました

とCDの篠原さんが話すように
「想う」ことでの葛藤を表している点も
他のCMとは少し違っているのかもしれない。


共感を生むことが人の心を動かすことにつながると感じられた。
そして共感を生むために理想だけではなくもどかしいリアルを描くこと、
その上でCMとして感動できるように30秒でまとめる。
その難しさ、すごさを感じられた。

明日はこの「親を想う」編のコピーについて考えます。