旅行が好きになった話
元々学生の頃は、旅行に行くのはなんだか苦手意識がありました。
計画を練らないといけないし、何日か前から準備しないといけないし、慣れない土地だし、単純に疲れるし…。
でも大学を卒業する前に母親と一緒に行った鹿児島旅行で考えが変わりました。
当時大阪出身の私にとって鹿児島はとんでもなく遠いところにあるイメージでした。
新大阪駅から新幹線で鹿児島中央駅まで行ったのですが、新大阪駅に着くと停電で新幹線が遅延していることがわかり、旅慣れしていない私は焦りました。
「ああ、今日の予定が全部狂った。鹿児島中央駅で連絡する在来特急に乗れなければ終わる。というかもう終わった気がする。うん、終わった。」と朝7時の時点でその日1日がなくなったような感覚になり、だから旅行しんどいんだよなぁとテンション下がりまくり。
でも行かないわけにもいかないので、とりあえず来た新幹線に乗り込む。もう着くまで考えても仕方ないので、初めて乗る九州新幹線みずほの乗り心地を楽しむことに。普通指定席がグリーン車みたいに綺麗。電車に乗るのが好きだし、新幹線に乗るのは久しぶりだったので、ちょっとテンション回復。
九州は福岡県と長崎県以外に行ったことがなかったので、新幹線が博多駅を通過してからさらにテンション回復。乗り換え時間は相変わらず間に合いそうにないけど。
しかし鹿児島中央駅に着く直前に、車内放送で乗り換え予定の在来特急が「連絡待ち」をしてくれていると放送が。テンションがやっと旅行にふさわしいテンションに戻りました。「できるだけ急いでください」的なニュアンスの放送も。すぐに荷物をまとめて立ち上がり、扉が開くのを並んで待つ列へ。
駅につき、電車を降りて乗り換え改札へスーツケースを引っ張りながら向かうと、改札にいた3人くらいの駅員さんが大きく手を振り「乗り換えの方急いでください!!!!特急まもなく発車します!!!」と大声で案内していました。かなりの必死さが伝わり、大学で体育の授業を取っていなかった私、久しぶりの全力ダッシュ。視界の端に入った走っていたおじいちゃんとおばあちゃんが心配なりました。
「旅行に来てこんな走ると思ってなかったよな…。私も。」
なんとか無事に乗れ、後ろを確認するとおじいちゃんとおばあちゃんも一緒に電車に乗り込んでいて安心しました。
なんか楽しい。トラブル乗り越えられた。どうにかなった。ポジティブな感情で満たされ、「旅行なんかいいな」と思いました。
今現在旅行大好きになって公共交通機関をよく使う私には、遅延している電車の連絡を待ってくれることは珍しいことじゃないことは分かるけれど、その時の「待ってくれるんだ!すごい日本!親切!」という気持ちは一生忘れられないし、大きく手を振って「おいでおいで」していた駅員さんの姿も私の頭から一生消えません。きっとこれから旅行先で電車が遅延する度に思い出すと思う。
トラブルはつきものだし、初めて行く場所なのだから何も分からなくて当たり前、むしろそれさえも楽しむのが旅行。そしてあとから笑い話になればお土産が増えたなって思えるようになり、旅行が好きになりました。
そして私は日本人。日本の端から端まで、47都道府県制覇したい!と思うようになりました。
これから22歳からの旅行記録も書いていきたいと思います。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
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