【創作雑記】お前、そういうとこだぞ

新学期が始まって早一か月が経ちましたね。

初々しかった新一年生も、少しずつ環境に慣れてきたのか緊張もほぐれて活き活きとしているように見えます。

私の会社の新入社員も……そういえば研修が4カ月あるので本配属はまだまだ先のこと。顔も知りませんが、まあ活き活きとしていることでしょう。

ふと、高校一年生のころのことを思い出しました。

座席が前後であったためすぐに仲良くなった清水(池田だったかもしれない)と二人で帰っていた時の話。

 ちょうど桜が散り始めて、葉桜の碧が瑞々しく陽の光をこぼしているその影を、自転車に乗って走っていた。

「一か月経つの早くね? 昨日入学式した気分なんだけど」

 清水が言った。坊主頭のくせに中学は陸上部で高校はハンドボール部だというから詐欺だ。髪の毛の癖がすごくて、伸ばすとアフロみたいになるらしい。アフロ時代の写真を見せてもらって、「具志堅用高みたい」と言ったら肩パンされた。

「それなー」

 会話を広げる気のない返事をした。
 車輪が回る音。ギアとチェーンの噛み合う音。それと風の音だけが沈黙の中にいる。

「全然彼女できる気がしねーわ」

 男子高校生の悩みの種はどこにでも芽吹く。例えそれが男女比率が8:2で、顔面偏差値が40以下でもいるだけでちやほやされる工業高校にあっても、それは同じだった。

「まず女子がいねーからな」
「それな。友達になるってとこからハードル高いわ」

 なんだか二人は戦友のような空気を出しているが、私は彼女がいたから関係のない話だった。

「つーかそもそも男友達もできてねーしなぁ」

 学科が違えば、そもそも男子でさえ関わり合いにならない。

 ぼやく清水に、当時の彼女の影響から四月は君の嘘にはまっていた私は、「俺がいるじゃん」と、ヒロインの西園かをりを憑依させて答えた。

「いや、お前は友達じゃねーよ」
「お前、そういうとこだぞ」

 夏がもう、助走をつけはじめていた。


なんて、まあ、こんな会話していないんですけどね。それと、本人に確認したら名前は清水であってました。本当に忘れていたので追記しときます。

それでは、駄文失礼しました。