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ボランティア【キャリコンサロン編集部】

キャリコンサロン編集部からの今週のお題は「ボランティア」

今回は「東京マラソンのボランティア」について書いていこうと思います。

■第1回東京マラソン(2007.2.18)

ついに待望の「東京マラソン」の開催が決まり、絶対に出たいと思い、エントリーしましたが、残念ながら抽選で落選。実は、それまで世界中のほとんどの大都市の中で「3万人規模の市民マラソン大会」開催していない都市はおそらく東京だけでした。ニューヨーク、ロンドン、パリ、シドニーなどなど、ほとんどの大都市では何年も前から行われていました。東京のど真ん中を3万人のランナーが走る大会東京国際女子マラソンのようなエリートランナーが走る大会であれば、参加者も少なく、しかも2時間30分くらいで走れるランナーばかりなので、交通規制もそれほど大変ではないのですが、市民マラソンの場合は、そうはいきません。制限時間も7時間なので、その間、交通規制をすることは、本当に様々な障害が有り、なかなか実現できなったのだと思います。そんな中、石原元知事のおかげで、ついに実現となったわけです。

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■マラソン大会に関わるボランティアとは

*大会前日まで

大会運営に関わるボランティアには、様々な種類のボランティアがあります。大会自体は日曜日ですが、3万人規模の大会の場合、前日までに、正式な事前受付が有ります。東京マラソンの場合は、木、金、土曜日の3日間、東京ビックサイトで行われました。「東京マラソンEXPO2007」というイベントで、様々なブースの出店も有り、前夜祭のようなものです。この中で、ボランティアの活動としては、東京ビックサイトの最寄り駅の前に立って、東京ビックサイトへ誘導する方や、ナンバーカード(ゼッケン)と計測チップのお渡しという役割があります。この時、必ず本人確認を行います。実は、今となってはの裏話になりますが、当時は、ゼッケンを受け取ったランナーが、友人にそのゼッケンを渡して代わりに参加することが現実的には可能でした(運営上のルールでは禁止になっています)。女性用のゼッケンを男性がつけて走り、入賞してしまい、問題になってしまった話も噂話で聴いたこともあります。数年前からは、ゼッケンを渡す際に、腕に磁気テープを装着し、ゴールまでは外してはいけないような方法になり、替え玉ランナーが参加することはできなくなりました。

42.195キロのコース上には、1キロごとにキロ表示のプレートが立てられ、また、観客がコース上に出ないためのテープが張られます。これらも、ボランティアの仕事になります。

*大会当日

東京マラソンのコースについては、数年前から現在のコース(都庁前スタート、東京駅前ゴール)に変わりましたが、当時は、都庁前スタート、ゴールは東京ビックサイトでした。いずれにしても、スタート地点とゴール地点が異なるわけです。マラソン大会のほとんどは、スタートとゴールが同じ地点なので、ランナーは着替えた衣類は、決められた場所に置いておけばいいわけですが、東京マラソンの場合は、着替えた衣類を、決められた袋に入れて、輸送専用のトラックに預けることになります。何といっても3万人のランナーの荷物なので、トラックの台数も半端な数ではありません。この荷物の受け渡しのために、多くのボランティアの力が必要になるわけです。

レース前は、3万人のランナーが、ゼッケンに書かれたブロックに、混乱の無いように整列してもらわなければなりません。そのための誘導係が多数、必要になります。

レース中は、観客がコースに出ないようにするための監視係、そして給水・求職係、そして、トイレへの誘導係も必要になります。エリートランナーの場合は、レースの途中でトイレに行く選手はまずいません。しかしながら、制限時間7時間の市民大会の場合は、どうしても必要になります。

■40キロ地点給水ボランティア

落選したから仕方なくボランティアをやるというのも、動機は不純なことですが、せっかくの機会と思い「40キロ地点給水ボランティア」をやることにしました。それまで、マラソン大会には何度も出場していましたが、ボランティアの経験はまだ有りませんでした。大会に参加するたびに、ボランティアの方々には、いつも感謝しながら走っていましたが、今回、ボランティアを経験して初めて、少しはその大変さが解った気がします。マラソン大会は、よほどの台風では無い限り、大雨でも開催されます。ランナーは雨対策として、カッパを着たりし、そして走れば、寒さも気にならなくなりますが、ボランティアの方々は、寒い中で、防寒具は着ていても、かなり辛い状況になることもあります。

給水ボランティアに参加するには、事前講習会に参加することが条件でした。ボランティアマニュアルにそって、実際にペットボトルから紙コップに入れる分量を確認したり、テーブルへの配置方法、ランナーへの受け渡し方法など、こんなことまでかと思うような事前講習でした。給水所は全部で15か所に設置されています。最初の5キロ地点は、3万人のランナーが一気に走っていくので、給水の受け渡しは、まさに戦場のような感じだと思います。私が担当した40キロ地点は最後の給水地点なので、ゆっくり手渡しすることが出来ました。

レースのスタートは、車椅子の部が午前9時、フルマラソンが9時10分。私の担当する40キロ地点にトップランナーが来るのは、11時くらいです。それでも、当日は、9時に現地集合し、スタンバイしました。この日の天候は、雨と風。とにかく寒かったのを鮮明に覚えています。トップランナーが来るまでの約2時間は、ラジオを聴きながら、ひたすらランナーを待ちました。そして、車椅子のランナーに続き、ついにトップランナーが来ました。そこからは、ぞくぞくとランナーが続きます。ここからは、全く休むことができません。それでも、全ての選手が自分の前を走って行くわけですから、まさに特等席です。フルマラソンを4時間以内で走れるランナーは我々のブースには立ち止まることなく、走り抜けて行きます。それ以外のランナーの多くは、最後の給水地点ということで、給水を渡すことができました。そして、この地点は、一般ランナーにとっては、実力の差がはっきりする地点です。制限時間7時間ぎりぎりのランナーにとっては、一番苦しい地点になります。「あと2キロ、あと2キロ!!!」と精いっぱいの言葉をかけながら、水を渡しました。知り合いのランナーも多く参加していたので、寒さも忘れ応援出来、会えた友人からも感謝されました。

■最後に

今回の大会には、ほぼ1万人のスタッフとボランティアが参加したそうです。初めてボランティアとして参加して、これだけの支えによって大会が運営されていることに改めて気づきました。ランナー目線では知らなかったこと、そして大会開催までの準備など。それでも、まだまだ私の知らない役割の方もたくさんいたのだと思います。今回の経験は、自分にとって、大きな経験になりました(その後、東京マラソン、京都マラソン、福岡シティでもボランティアに参加しました)。

今後も感謝の気持ちを忘れずに、大会に参加していこうと思っています。

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