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夫と私、さまざまな夫婦のカタチ

昨夜のこと。仕事帰りにある大切な会合に出掛けていた。終わった後、帰路に着こうとスマホを開いたら、夫からの着信が何件もあった。

夫は20年近く単身赴任を続けている。転勤生活もほぼ終盤に近づき、この春、自宅を構えている熊本に赴任してきた。諸事情で現在も単身赴任中なのだが、週末は毎週のように自宅に帰るため、夫と顔を合わせる時間が圧倒的に増えた。

「何か大事な用事?」と夫に折り返すと、「こんな時間に電話しても出んから、何かあったのかも?」と思って。」だって!

えーっ?!心配してくれたんだ!

かなり驚いた。
青天の霹靂。

というのも、県外に単身赴任してる時は、帰省するのは良くて月に一度。数ヶ月に一度という時期もあった。おまけに、用が無いと電話も無いし、こちらがかけてもめんどくさそうにするので、ほとんどコミュニケーションを取ることも無かった。

お互いにそれぞれの場所で、お互いに干渉することもなく、自由に思い思いの時間を過ごしていた。

(もちろん、そんな関係性になるまでには、私はかなりの葛藤や苦行を乗り越えたのだが。)

全く干渉されないのをいいことに、子供が巣立って1人と1匹暮らしになってからは、ホントに自由にさせてもらった。

行きたいところに行き、学びたいものを学び、やりたいことをやる。

愛犬のお世話はペットサロンを経営してる知人にお願いして、家を空けることも度々あった。
もちろん、夫に伝えることはない。

これって、内緒にしてるわけではなくて、「どーせ、私のことに全く関心がないから、言う必要ないよね。」だったのだ。

超趣味人の夫は、結婚して子供が生まれてからも、趣味人を貫いた。子供二人を連れて夫の転勤について行ってた時代も。

だから転勤先の、知人も友人も親戚も誰も居ない土地で「ワンオペ育児」を強いられ続けた。
家庭をほとんど顧みず、ひたすら趣味に没頭するだけでなく、気に入らないことがあると、私や子供たちに度々暴言を吐く夫。

私の中で「一発でも殴ってみろ!絶対、離婚してやる!」と構えていたが、私に暴力を振るうことは一度もなく、残念ながら(笑)結婚生活に終止符を打つこと無く、30年以上が過ぎた。

これまで、旅行で家を空けたことは度々あるし、食事に行ったり、友人宅を訪れたりして、帰宅が遅くなったことだって何度もある。

外出先ではスマホをほとんど開かないから、着信やメッセージに気づかないことも日常茶飯事。

だから、夫の「何度電話しても出ないから、何かあったのかな?と思って。」のセリフに驚愕したのだった。

夫の潜在意識の中に、やっと「私」という存在が認識されたのかもしれない。

じゃあ、これまでの30数年間、私は夫の何だったんだろう?!

私はどこに封印されてたんだろう?!

長年、一緒に暮らしてないから、「家事をしてくれる人」「お手伝いさん」でも無いもんね(笑)

私はこれからも、やっと手に入れた「自分の人生」「自由な時間」を楽しむ。

夫も自分の趣味人としての人生を貫き通す。

お互いに好みやタイミング交わるところは、共有しながら。

夫との距離感が急に変わったから、少し戸惑っているが、これも次第に慣れていくことだろう。

こんな夫婦のカタチもあるんだな。

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