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まほ僕 第3話 「交流会と2年生」

翌朝

○○:今日から授業か

昨日の賀喜の話から授業がどんなものか、非常に楽しみだった

○○:行ってきます

家を出ると

??:きゃぁぁぁ、危ないよぉぉぉ!

○○:え?

ドン!

ギリギリの所で避けることに成功した

突っ込んできた人はゴミ袋の山に見事ぶつかって倒れていた

○○:だ、大丈夫かな?

様子を見ようとすると

??:だから言ったでしょ!?

後ろから声がする

振り向くと、背の高い女の人が立っていた

??:痛たた、仕方ないじゃん!早く行かないと和菓子が売り切れちゃう!

??:馬鹿言ってないで行くよ!

ゴミ袋に突っ込んだ人を軽々しく引っ張って学校の方に歩いていった

○○:うちの生徒かな?

制服がうちのものだったことに気づく

遠藤:○○くん?

○○:え、あ、遠藤さん

遠藤:今のって、山下さんかな?

○○:山下さん?

遠藤:えっと、うちの学校の2年生唯一の特Ⅲ類の人だよ

○○:あの人が?

にわかに信じ難い

遠藤:あと、名前で呼んでくれない?

○○:え?

遠藤:せっかく仲良くなったんだし

○○:あぁ、それもそうか。おはようさくら

遠藤:😳

○○:じゃあ行こうか

遠藤:う、うん!

これが俺と山下美月の出会いだった

______________

深川:じゃあ、それで行きますか

衛藤:例年より早い開催ですね

深川:二年生のいい刺激になるかなと

??:今年の一年生は粒ぞろいだね

深川:ですね

??:特に遠藤さくらと、衛藤の見つけた子。

衛藤:あなたじゃないですか、○○に直接うちの学生証を渡したの

深川:そうなんですか?

深川:設楽校長

設楽:そうだよ。一年生には期待しかないよ

衛藤:どうなるんですかね?交流会。

深川:さぁ?なるようになるでしょ

翌週

○○:おはよう

さくら:おはよう

さくらと一緒に登下校するのが普通になってしまった

○○:今日から交流会だっけ?

さくら:うん、そうだよ

毎年一年生と二年生が触れ合う機会が交流会と呼ばれるイベントらしい

○○:三年生って何してるの?

さくら:確か、「太陽と月」に仮入隊してるはず

○○:あぁ、だからいないのか

____________

○○:おはよう〜

伊月:おはよう!

一瀬:おはよう…

あの模擬テスト以来一瀬は大人しくなった

賀喜:はぁぁ

○○:どうしたの、賀喜さん

珍しく落ち込んでいるようにため息をつく賀喜

賀喜:今日から交流会でしょ?

○○:うん

賀喜:三日間も山下さんと同じ空間に居られるなんて贅沢じゃない?

○○:は?

賀喜:私なんかがあの人の近くにいるなんて許されることじゃないと思うと…

コイツ大丈夫か?

早川:かっきーはな、山下さんにぞっこんなんやで

さくら:いつも話するもんね

○○:なるほどな

まともに見えて一番ヤバイのかも

田村:今日の給食何かな?

もっとヤバイやつが居たわ

深川:はーい、席につきなさーい

○○:とりあえず俺の席で浸らないでくれ賀喜

賀喜:うぅ…ブツブツ

なんなんだ

深川:詳しく話は後でするから、武道館に行くよー

_______________

○○:広いな

武道館の広さはかなり広く、東京ドーム程の大きさがあった

さくら:さすが金持ち高だね

○○:忘れてたわ

所帯の大きさに改めて驚く

??:よく来たね!

クラスメイト:?

声がするほうを見ると

??:どうぞどうぞ!一年S組の皆さん!

○○:あ、あの人は

賀喜:尊い…

さくら:先週会った山下さんだね

二年生唯一の特Ⅲ類の山下美月

山下:よろしくね!山下だよ!

??:引いてるでしょ

山下:そんなことないよ!梅の方こそでかいんだから引かれるよ!

バシッ

山下:うぅ、叩く必要あった!?

梅澤:あった。皆さんよろしくお願いします、梅澤美波です。

梅澤:とりあえず皆さんこちらへ

案内されて二年生と対面する形で座布団に座る

さくら:緊張するね

○○:だな

賀喜:はぁ

この状態がどこまで続くんだろう…

一年生の自己紹介が終わると

山下:みんな本当に優秀だね!

梅澤:次は私達でしょ

山下:私からのいく?

梅澤:あんたは最後、じゃあ与田から

二年S組は6人と少人数

一番小さい人から自己紹介が始まった

与田:はい!与田祐希です!上Ⅰ類です!よろしく!

めちゃくちゃ元気だな

大園:大園桃子ですぅ。上Ⅱ類ですぅ。よろしくお願いしますぅ。

訛りがすごい

久保:久保史緒里と申します。上Ⅱ類です。よろしくお願いします。

白い。

岩本:岩本蓮加です。Ⅲ類です。よろしくお願いします。

怖そう

梅澤:梅澤美波です。上Ⅰ類です。よろしくお願いします。

恐い。

山下:よぉーーし!私の番だね!

山下:私の名前は山下美月!特Ⅲ類だよ!みんなよろしくね!

この人が特Ⅲ類か

8人しかいないというのにこんな頻繁に会うものなのか?

山下:自己紹介も終わったことだし、茶会でもしようか!

茶会?

梅澤:馬鹿、質問とかまだやってないでしょ

山下:そうだった、何か質問ある人いるー?

○○:はい

山下:お、私と同じ特Ⅲ類の子、どうぞ!

○○:交流会って、結局何がメインなんですか?

山下:うーん、それはね

梅澤:力をつけさせる、いわゆる修行だよ

○○:力?

山下:梅言っちゃうんだ

梅澤:遅かれ早かれバレるし

山下:まぁ、そういう事だよ。今の君たちを見る限り私達に勝てそうなのは一人だけ

○○:一人だけ?

山下:うん、君たちの今の力じゃ「シキガミ」なんて到底敵わないし

それはそうかもしれないけど…

山下:このままじゃ、体育祭で三年生にみっともない姿を晒しちゃうから

伊月:みっともない…

○○:ちょっと酷くないですか?

山下:だって、本当の事だし

○○:分からないじゃないですか

梅澤:分かるよ

○○:なぜ

山下:じゃあ、戦ってみる?

○○:え?

山下:一年生対二年生の一対一

○○:でも、人数がこちらは多いですし…

山下:いいよ、ハンデみたいなもん

○○:みんな、どうする?

賀喜:私はどっちでも

いつも通りに戻ってる

伊月:僕はやりたいよ

早川:私もやで

こうして、一年生対二年生の勝負が始まった

深川:あぁ、特訓のはずが…

衛藤:今年の一年生はやっぱり面白いわね

設楽:力の差が分かるだろうね

深川:えぇ、どれだけ才能があっても使い方を学んできた二年生にそう簡単に勝てるわけがないので…

結局勝負は、代表5人が戦って勝ち星の多い方の勝ちというルールになった

振り分けはこんな感じだ

早川VS与田

伊月VS久保

賀喜VS岩本

遠藤VS梅澤

そして、○○VS山下

戦いの火蓋が切られた。

To Be Continued…


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