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まほ僕 第12話 「体育祭②」

体育祭で盛り上がっている場所から少し離れたところ。

乃木高3年 齋藤飛鳥

気が強く、容赦ないその性格に多くの生徒は恐れていた。

また、その華麗な容姿から男子からは密かにファンクラブが作られていたが当の本人はその事は知らない。

そして、彼女は特Ⅲ類に属される式師である。

この乃木高において彼女は最強と呼んでも過言ではない。

そんな彼女の前に、いや、彼女たちの前に現れた。

1人の「シキガミ」

飛鳥:離しなさいよ!

??:全くうるさいですね

飛鳥:は?どこの馬の骨かも分からんやつに言われたくないんだけど

??:私は後鬼と申します。今回は星野みなみさんの回収に参りました

飛鳥:意味分かんないから、とりあえず離しなさい

後鬼:命令ですので

飛鳥:逃がさないから

後鬼:面倒ですね

飛鳥:うるさ…

突然、体に力が入らなくなる。

後鬼:あ、やっと来ましたね

前鬼:手こずったけどね、あなたこそどうなの?

仲間…?どちらにせよ、倒さないと…

ふらつく頭を手で支えながら式を使う体勢に入る。

前鬼:ほら、攻撃してきそうだけど

後鬼:大丈夫です、撒いといた眠薬を大量に吸ったようですから、そろそろ意識も飛ぶでしょう

飛鳥:くっ…みなみ…

まぶたが徐々に影を作り始める。身体はもはや言う事を聞かない。

前鬼:ならいいわ、目的は果たしたし、帰りましょうか

2人の式神が去っていく。

飛鳥:覚えとけよ…

私はそこで力尽きた。

_______________

「あすか!」

「飛鳥さん!」

生田:飛鳥!!

飛鳥:んっ…あれ…みんな…?

美月:起きたんですね!飛鳥さん

与田:良かったです!

飛鳥:…みなみは?

設楽:岩本と星野は現在保安院が探してる

飛鳥:蓮加も…くそっ!

設楽:今回の事は前代未聞のテロだ

○○:どうなるんですか?

話を聞くところによると

体育祭はあの後中止になった。

さくら達の個人戦はもちろん、団体戦も飛鳥さん達のペア戦も全てが中止になった。

設楽:保安院の監視が入るだろうな

○○:2人が見つからなかったらどうするんですか?

設楽:どうしようもない

○○:何言ってるんですか…

設楽:それが外界の摂理なんだよ、シキガミがいる世界じゃよくある話なんだ

○○:すいません…

設楽:いや、いいんだ

ここは命を簡単に失ってしまう場所だ。

________________

体育祭の事件から数ヶ月

未だに岩本さんと星野さんは見つかっていない。

事件後すぐはその話題でいっぱいだったが今では耳にすることも無い。

○○:期末テストも終わったな

さくら:そうだね

さくらと一緒に帰り道を歩く

期末テストでは赤点回避に成功した。

○○:もう冬だな…

さくら:早いね、一年

○○:あと三ヶ月はあるだろ

さくら:それでもだよ

○○:…色んなことがあったな

さくら:まさか○○くんが同じ特Ⅲ類だなんてね

○○:俺もびっくりだったよ

さくら:ふふ、かもね

北風が俺たちの間を取り抜ける。

さくら:○○くん

○○:ん?

さくら:クリスマス空いてるかな?

〇〇:空いてるけど…

さくら:じゃあ、ちょっと付き合ってよ

〇〇:いいけど、何するの?

さくら:秘密

クリスマス当日

街のショッピングモール前で待ち合わせをしていた。

〇〇:もうそろそろか

さくら:や!待った?

〇〇:いや、さっき来たばっかりだ、ところで…

彼女の後ろにいる人達を指差す。

〇〇:なんでお前らもいるんだ

賀喜:やっほー!メリクリー!

伊月:メリクリ!

さくら:かっきー達もどうしても来たいって言ってて

〇〇:さくらがいいなら、俺は全然いいんだけど

伊月:悪いな、クリスマスデートに突っかかって

〇〇:デートじゃないけど

賀喜:いやいや、少年、白状しましょうぜ

どこのおっちゃんだ。

〇〇:で、今日の予定はどんな感じなの?さくら

うるさい2人を無視してさくらに話しかける。

さくら:ふふふ、まずは私に着いてきて!

〇〇:お、おう…

自信満々な彼女に着いてい気、エレベーターの中に入る。

ピッ

「B13階です」

B13階?そんな階なかったはず…

さくら:よし、みんな着いたよ

〇〇:え?

ドアが開くとそこには

深川:みんな〜

〇〇&賀喜&伊月:先生?

深川先生に設楽さん、他に2人がいた。

深川:案内ありがとね、遠藤さん

さくら:いえ、ごめんね、みんな

〇〇:いいけど、何するんですか?

深川:今日はちょっとした特訓かな、年明けの合同合宿の対策みたいな感じ

賀喜:合同合宿って、1から3年生全員が参加の特別授業のですか?

乃木高における合同合宿。

1から3年生の全員が参加し、己の能力を高め合う授業。

毎年三学期に行う一大イベントであり、上級生と下級生が関われる最後の機会である。

設楽:体育祭でのこともあって文化祭も中止になっちゃったからね、でも合同合宿だけはさせてあげたいんだ

〇〇:なるほど…それで

深川:合宿はより強い力をつける良い機会になると思う

さくら:今日はその前哨戦みたいな感じですか?

深川:うーん、それもあるし、あとは知って欲しいなと思って

伊月:知って欲しい?

深川:あなた達が目指す、「太陽と月」の実力ってやつ

設楽:今回の合同合宿では3年生は参加出来ないから、その代わりみたいのもあるけど

〇〇:じゃあ…このお2人は

深川:うん、「太陽と月」のトップだよ、そんでもって…

「乃木高の元生徒、現教師かな」

To Be Continued…

次回 クリスマス前哨戦

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