見出し画像

まほ僕 第6話 「敗北と特訓と」

深川:よし!じゃあ次やるよー!

○○:頑張れよ〜賀喜!

何か考え事でもしていたのだろうか

あんなに思い詰めた賀喜の顔は初めて見た。

岩本:同じⅢ類同士頑張ろうね

賀喜:……

岩本:賀喜さん?

賀喜:は、はい!

岩本:大丈夫?

賀喜:だ、大丈夫です!

深川:行くわよ!よーいドン!

岩本:じゃあ遠慮なく

賀喜:……

岩本:式!倍式!

賀喜:式!麗式!

賀喜は体に風を纏うが

岩本:風が主体の能力ね…

岩本:魔法 雷

賀喜:え

賀喜に直接雷が落ちる

風で宙に浮いていた為近くで雷を受けた。

賀喜:くっ……

雷のせいで体が麻痺する

岩本:ごめんね、手荒な真似はしたくないから

そう言って賀喜に触れる

岩本:倍々

賀喜:はっ……

賀喜はそのまま倒れて気を失った。

深川:岩本さんの勝ち!

山下:よいしょおー!

○○:賀喜…

さくら:かっきー!

彼女の近くに駆けつける。

早川:保健室に連れていくわ

岩本蓮加の式、倍式

その名の通り倍にする能力。賀喜が受けたダメージを倍にした。

賀喜は突然のダメージに耐えられなかったのだろう。

○○:あぁ、すまん

山下:じゃあ今日は終わろうか

さくら:え?

山下:だって私たちの勝ちだし、もうそろそろ放課だよ?

○○:俺が闘ってないんですが

山下:大丈夫、どちらにせよ、君じゃ私に勝てないからさ

○○:やってみないと分からないじゃないですか

大陰:おい、○○

○○:なんだ?

大陰:この女と闘うのはよせ

○○:なんで?

大陰:私が一分間で倒すのは無理だからだ、それに○○はまだ式が使えないだろ?

○○:確かにそれはそうだけど…

大陰:とりあえず式を使えるようにすることが先だ

○○:わかったよ

さくら:○○くん?

○○:すいません。話は無かったことにして下さい。

山下:うん。じゃあ明日からよろしく!

○○・さくら:明日?

山下:言わなかった?交流会の目的はあなた達を鍛えることって。

○○・さくら:あ

山下:あなた達2人は私の元で修行ね

○○・さくら:は、はい!

________________

○○:にしても二年生と一年生の差がはっきりとわかったよな

さくら:うん。

○○:さくらは勝ったよな

さくら:たまたまだよ

賀喜と早川は先に一緒に帰った。

西野も用事があるとかで先に帰った。

○○:もっと強くならないとな…

さくら:そうだね…

二年生との差があるとはいえ

さくらが圧勝したのを見ると

俺らとさくらの間にも大きな差があるのだと痛感した。

同じ特Ⅲ類でもここまでとは…

こうして激動の交流会一日目を終えた。

________________

二日目

山下:みんなおはよう〜

○○:おはようございます

山下:じゃあ今日は言ってた通りにそれぞれ分かれて特訓だよ!

山下さんに言われるようにチーム分けが行われる。

与田さんの所には、早川、清宮

大園さんには、田村

久保さんには、筒井、掛橋

梅澤さんには、伊月、一瀬

岩本さんには、賀喜、

そして山下さんには、俺とさくらとなった。

残り二日間でどこまで成長できるのか。

山下:二人ともこっちね〜

さくら:だ、大丈夫かな

○○:多分大丈夫だろ

どこか不安を感じたまま

俺らの地獄の特訓が始まった…

________________

岩本:悔しい?

賀喜:え?

岩本:あの二人と居ると悔しくない?

賀喜:……

岩本:私は美月と一緒居て自分に腹がたったの

賀喜:そうなんですか?

岩本:うん、だって同じⅢ類という分類でもあっちは最高峰の特Ⅲ類なだけで周りからもチヤホヤされる

賀喜:……

岩本:それに比べてⅢ類はまずまずといった立ち位置じゃない

賀喜:はい…

岩本:だから、決めたの

賀喜:決めた?

岩本:私も特Ⅲ類になって元Ⅲ類でも出来るんだぞって世間に教えてやろうって。

賀喜:……

岩本:私はなってみせるよ、特Ⅲ類に

賀喜:私も…

岩本:ん?

賀喜:私も!ならないと…

岩本:特Ⅲ類に?

賀喜:”最強”にです。

岩本:最強か…

賀喜:友人との約束なので

岩本:そう…あまり自分を責めないでね

岩本:時には息を抜いてもいいのよ

賀喜:はい…

岩本:じゃあやろうか、特訓

賀喜:はい!

岩本:見返してやろうよ!

賀喜:頑張ります!

色々な感情がこもった交流会はますますヒートアップしていく。

場所は戻って〇〇ら。

○○:…死ぬ…

さくら:だね…

俺らは今、死の淵にいる。

山下:どうしたの〜へいへい

まさか最初の特訓が

鬼ごっこだなんて…

しかも普通の鬼ごっこではなく

俺ら2人で美月さん1人を捕まえるというルールだ

もはや鬼ごっこなのか…?

美月:こんなんでバテてるようじゃまだまだだよ〜

さくら:よし…行こう!

○○:あぁ!

滝流れる汗を吹き飛ばすように再び走る。

深川:いい傾向ですね

設楽:だな、もっと強くなってもらわないと

衛藤:ですね〜

そんなこんなで全員ボロボロで二日目を終えて

最終日を迎えるーー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?