まほ僕 プロローグ
プロローグ
今から300年前
人類は「シキガミ」と呼ばれるものと
共存の道を辿るようになった
しかし
平和はそう続かなかった
「シキガミ」には知能を持つ
四体の「式神」が生まれた
「白狐」「青龍」「大陰」「天空」
それぞれは
人類と共存を望む者と破滅を望む者に分かれた
しかし、共存派は破滅派を止めることは出来なかった
こうして、人類と式神との戦いが始まったのだ
だが、決着はすぐに着いた
安倍晴明による、破滅派の封印
残った共存派達も姿を消した
「シキガミ」は憑き物のため永遠に消えることはない
それゆえに、未だ人類と「シキガミ」との戦いは終わっていない
人間たちは「シキガミ」に対抗すべくチームを作り始めた
中でも一番強いとされる
「太陽と月」では多くの少年少女が
入隊を目指している
__________
朝、仏間で手を合わせる
少し線香の匂いが、鼻をつく
○○:父さん…
目の前には父親の遺影
事故で亡くなって早3年
来月で高校生になる
麻衣:○○〜
○○:何〜?
姉が名前を呼ぶ
麻衣:私もう行くけど、戸締りしっかりしといてね
○○:うん
そう言うと家を颯爽と出ていった
そういえば姉の友達を見たことがない
高校生の時も、社会人になっても
なんの仕事をしているのかさえ
姉弟だと言うのに
○○:しかし、暇だな
散歩がてら、川の近くを歩く
○○:のどかだなぁ
目にうつる風景は平和そのもの
○○:ん?
川で誰かが溺れている
○○:ちょっ!大丈夫か!?
近づくと
??:近づかないで!
大声で俺の動きを制限させる
○○:近づくなって言われても…
明らかにやばい状況だ
○○:見捨てられないよ!
彼女の進言を無視して近づく
??:馬鹿っ!
○○:え?
彼女が溺れている場所
すなわち、川の中からある影が
俺を襲った
○○:うわぁぁぁ!
___________
○○:……ん…
??:あ
目に光が差し込む
○○:ここは…
??:起きたのね、よかった
○○:あなたはさっきの
??:私は衛藤美彩
○○:衛藤さん
衛藤:あなた、死ぬつもりだったの?
○○:え?
衛藤:全く、だから一般人は嫌いなの
○○:一般人?それにここは
衛藤:ここは、外界よ
○○:外界?
衛藤:あんたがいた場所は内界と呼ばれる平和なとこ
衛藤:ここは危険とされる外界
○○:なんでこんな場所に連れて来たんですか?
衛藤:あんたが知ったからよ、存在を
○○:存在?
衛藤:見たでしょ、あの化け物を
○○:化け物…
思い出すのは俺を襲った影
○○:うっすらと覚えてます
衛藤:なら、あんたはこちらの世界の住人になるしかない
○○:それは無理です
衛藤:強制よ、逆らえば死よ
○○:怖っ…
衛藤:とりあえず家に案内するわ
案内されると
衛藤:ここら辺一体は安全圏よ
○○:そうなんですね
衛藤:分からないことがあったら聞いてくれればいいから
○○:じゃあ一つだけ聞いても
衛藤:なに?
○○:僕を襲ったあれは何なんですか?
衛藤:「シキガミ」と呼ばれるものよ
○○:シキガミ?
衛藤:詳しくはそこらへんの本棚でもあされば?
○○:は、はい
1人になって本棚を漁る
○○:なんでこんなことに…
まるで想像していない事だらけに
頭が追いつかない
○○:塀の向こう側がこんな場所だとは思わなかった
本を読みあさる
「シキガミ」についてやこの外界について知ることができた
○○:ここで生きていくって言われても高校とかどうしよ
先が見えない
ふと目に入った分厚めで汚れた本を手に取る
○○:埃凄っ
ホコリを払ってタイトルを見る
○○:四代式神?
ページをめくると
光が体を包み込む
○○:な、なんだ
目を開けると、知らない場所にいた
○○:ここは…
??:お前の精神空間だ
声がするほうを振り向く
○○:誰だ?
??:私は「大陰」
○○:だいいん?
大陰:そうだ、四代式神だ
○○:俺になにか用か?
大陰:一つ取り引きをしないか?
○○:取り引き?
大陰:あぁ、私はお前の体を1日1分間だけ使わせてほしい
○○:1分間?
大陰:その間、人を襲ったりはしない
○○:……
大陰:やっと、解放されたんだ、少しは自由になりたいんだ
○○:なるほど、で俺になんのメリットが?
大陰:私自身の式を使えるようになる
○○:式か…
大陰:使い方は教えれるぞ
○○:なるほど
大陰:悪くないだろ?
○○:俺は魔法を使えないぞ?
大陰:大丈夫だろう、見る限り魔力は膨大な量だ。どうにかなる
○○:わかった、取り引き成立だ
大陰:お前が器かどうか分からんがな
○○:今更だ
大陰:では、契約を…
___________
衛藤:本当にいいの?
○○:はい
衛藤:正直きついよ、乃木高校は
俺は「太陽と月」に入ってある目的を達成するために
登竜門である乃木高校に入学することにした
衛藤:魔法使えないんだし、どうするの?
○○:とりあえず適正審査を受けてからですね
適正審査によって
自分の類型の階級を知ることが出来る
衛藤:ま、頑張れ
○○:ありがとうございます
衛藤さんと別れ、審査署に入る
役員:適正審査ですか?
○○:はい
役員:お待ちください
役員:こちらへどうぞ
ある機械の前に立つ
役員:手をかざしてもらえますか?
○○:はい
役員:はい、属性は無属性ですね
○○心:おい、大陰大丈夫なのか?
大陰:任せとけ、式を見たら驚くぜ
役員:では次に式を調べますね
○○:はい
もう一度手をかざす
役員:え!?
○○:どうしましたか?
役員:少々お待ち下さい!
大慌てで事務室に戻る
しばらくすると
役員:この方です!
??:おぉ、これは
○○:あの〜
??:今年は豊富だね
役員:そうですね
??:君、名前は何かな?
○○:白石○○です
??:白石…分かった、ちょっと待っててね
??:はい
あるカードを渡される
○○:これは?
??:乃木高校の生徒手帳に身分証だよ
○○:ありがとうございます
署を出て衛藤さんの場所まで戻る
役員:本当にすごいですね
??:あぁ、今年の代だけで既に2人が特Ⅲ類だなんてね
役員:最強の世代かもしれませんね
??:楽しみだ
タバコを一つだけ吸うと
そう言って笑った
To Be Continued…
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