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まほ僕 第2話 「模擬テスト」

翌朝

○○:はぁ

昨日の事を思い出すとため息が出る

何もならないというのに

大陰:どうした

○○:別に戦いたいわけじゃないのよ

大陰:最強になるんだろ?

確かにそうだが

未だに式を使えない俺に出来るのは

剣に魔力を込めて攻撃したり

防御をしたりするぐらいだ

○○:いざとなったら変わってくれ

大陰:仕方ないな

___________

学校に着くと

昨日と同じ目線を突きつけられる

そんなに珍しいのかね

すると

賀喜:おはよう

賀喜さんを中心としたグループが僕に声をかけてきた

○○:おはよう、みんな

早川:頑張ろうなぁ〜

田村:朝ごはん食べた?

さくら:おはよう〜

やっぱり1人だけおかしい

賀喜:やけに注目されてるね

○○:あれだよ、無属性だから

早川:あ〜確かに、納得

納得するんかい

○○:そんなに弱そうに見える?

全員:うん

満員一致かよ、舐められてるな

さくら:まぁでも、戦ってみないと分からないよ

賀喜:そうだね、今日楽しみにしてるね!

そう言うと肩をポンと叩いて

走ってどこかに行ってしまった

自由奔放…

____________

授業が始まる

深川:じゃあ、早速模擬テストやろうか

内容が発表される

深川:ペアは自由で、トーナメント方式でやるよー!

賀喜:勝ち負けはどうやって判断するんですか?

深川:相手が降参するか、戦闘不能になったら勝ち

授業が始まる

深川:じゃあ、早速模擬テストやろうか

内容が発表される

深川:ペアは自由で、トーナメント方式でやるよー!

賀喜:勝ち負けはどうやって判断するんですか?

深川:相手が降参するか、戦闘不能になったら勝ち

○○:はぁ

よりによって一回戦目とは

ついていないな

一瀬:つまらない試合にさせないでくれよ?

深川:じゃあ!スタート!

先生の合図と共に一瀬がすぐさま仕掛ける

一瀬:魔法!炎の渦!

小ぶりな火が俺に襲いかかる

○○:思ってたよりも小さいな

自分が持つ剣に魔力を込め

振りかざす

一瀬:何!剣なんぞで魔法を消すだと!

○○:下Ⅱ類と言ってもこれぐらいなのか…

あまりの弱さに逆に驚く

このレベルでよくこのクラスに入れたな…

もしかしてこのクラス全員これじゃないよな?

○○:とりあえず、終わらせるか

一瀬の後ろに回り込み、剣の峰で首を突く

すると、一瀬は気を失って倒れた

深川:終了!白石○○の勝ち!

拍手が送られる

賀喜:やるじゃん

○○:あいつ、弱すぎない?

さくら:半分コネで入ってきたようなものだからね…

早川:次は私の番やー!

それからみんなの戦いを見ることに

○○:やっぱりみんな強いわ

一瀬がまるでかませかという程に

他のクラスメイトは強いと

肌で感じた

特に、賀喜、遠藤、西野、早川、筒井。この辺りが別格

話のよると、賀喜はⅢ類らしい

西野や早川は上Ⅰ類とかなんとか

やはりSクラスは伊達じゃない

○○:次は賀喜さんか

二回戦の相手が発表される

○○:勝てる気がしない…

賀喜:よろしくね!

○○:うん

深川:じゃあ始めるよー!

西野:○○!勝てば優勝候補だぞー!

その相手が優勝候補なんだよ…

○○:どうするかね…

賀喜:ふふっ。

何故か賀喜が笑う

賀喜:風魔法。風の便り

俺の体に風が集まり、浮かせる

○○:なっ、

抵抗するにもどうしようもない

賀喜:さて、どうする?

仕方ない。体をひねって、風から抜け出すしかない

体を思いっきりひねろうとすると

賀喜:…

○○:なっ

賀喜が俺のいる宙に舞い上がって

俺を地面に叩き落とした

○○:いてぇ…

モロにくらったため

体の節々が痛くてしょうがない

賀喜:Ⅲ類だからね、武術にも優れてるんだよね

これがⅢ類かと思うと気が滅入る

やっぱりさっきのあいつがどれだけ噛ませだったか身に染みて分かった。

○○:強すぎるだろ…

はぁ、そろそろか…

賀喜:そろそろⅢ類の本当の力見せてあげるよ

早川:うわぁ、ブラックかっきーやな

西野:大丈夫かよ…

遠藤:大丈夫だと思うよ?

○○:まだ死にたくねぇしな

賀喜:?

○○:大陰…

そうボソッと言うのと同時に

賀喜:式 解刀 風麗要塞

風が俺の体を飲み込み

跡形もなく、全てを飲み込んだ

はずだった…

賀喜:やりすぎたかな?

自分のしたことに今更気づく賀喜

だがその余裕な表情も

すぐに消えた

賀喜:なんで?

○○(大陰):人に質問するなら敬語を使うのが常識では無いのか?小娘

やられたと思ったはずの○○の姿が

全員の目に写っていた

深川:ふふっ。

先生よ、止めてくれよ。ここまでなるなら

大陰:気絶させればいいんだな?

○○:あぁ、頼む

時間制限は一分間。早くしないと

○○(大陰):ふむ。見せてやろう。
本当の式とやらをな

賀喜:え?

○○(大陰):反式 逆

両手の指を合わせて唱える

すると、賀喜の周りを囲んでいた風が無くなった。

どうしようもない彼女は焦る。

賀喜:あれ…!?な、なんで…!?

式を繰り出そうにも上手くいかない様子。

大陰:時間だ、あとは頑張れ

○○:今のが、俺の式なのか…

聞いていたのは反式という名だけだ

しかも、反式には3つの能力があるらしい

恐らくその中の一つだろう

混乱している賀喜を不意打ちで倒す。

深川:白石○○の勝ち!

賀喜の気絶により二回戦を突破した

??:やっぱり、私と同じ

??:四代式神を持つ者だね

見つめるは同じ特Ⅲ類の○○

それのみだった

_____________________

俺は非常に困っている

なぜって?

三回戦が始まるのだが、今日の「大陰」の力を使い果たしてしまったからだ

しかも、次の相手は伊月だ

伊月:よぉーし、やるか!

無理だ、棄権しよ

○○:先生

深川:どうしたの?

○○:体調悪くなったんで棄権します

深川:あら、大丈夫?分かったわ。休んでなさい

伊月:嘘やん…

すまねぇな、また今度な

結局その後は、試合を見続けて

自分の弱さを改めて知った

賀喜:○○くん…

○○:お、賀喜さん

賀喜:やっぱり、強いね…

俺の力じゃないけど、と思うと胸が痛くなる

○○:賀喜さんは強いよ

賀喜:ふふっ。何それ、嫌味?

○○:事実だよ

遠藤:あ、かっきー

賀喜:さくちゃーん!優勝おめでとう!

○○:遠藤さん、おめでとう

トーナメントの優勝は遠藤さんだった

遠藤さんの戦いはほとんど見れなかったので、ちょっと惜しいなと思った

_____________

帰り道

賀喜:いやぁ、にしても疲れたねぇ

早川:明日から普通に授業も始まるしねぇ

田村:早弁できるかな?

遠藤:休み時間なら食べてもいいんじゃない?

○○:田村さん…

みんなで仲良く話しながら道を歩く

賀喜:あ、私こっちだから

早川:私も〜

田村:ん!

恐らく田村さんもこっちだと言っているのだろう

○○:俺はこっちだから、お別れだね

賀喜:そっか、じゃあ明日ねー!

彼女達の後ろ姿が見えなくなるまで、手を振る

○○:あれ、遠藤さんはこっちなの?

遠藤:うん、そうだよ

○○:なら、送るよ

遠藤:ありがとう

歩幅を合わせて歩く

○○:遠藤さんって強いんだね

遠藤:そうかな?ありがとう

○○:何類なの?

遠藤:ん〜、何だと思う?

○○:え、Ⅲ類?

いや、Ⅲ類は賀喜さんだけって聞いたしなぁ

上Ⅱ類とかか?

遠藤:違うよ、君と同じだよ

○○:そっか、俺と同じ…

え?

○○:俺と同じ?

遠藤:うん、君と同じ特Ⅲ類だよ

○○:えぇぇ!?

まさかのカミングアウトに驚く

○○:そうなの!?

遠藤:うん。それに…

大陰:おい、○○

○○:どうした?

大陰:この女、同じ匂いがする

○○:それって…

大陰:あぁ、こいつは

遠藤:四代式神持ちの特Ⅲ類なの

こういう時だけ勘が冴える

○○:君が…

遠藤:驚いた?

○○:そりゃあね

遠藤:君が今日戦ってる時に気づいんだ

○○:賀喜さんとの時か

遠藤:うん、私の四代式神の名前は「天空」共存派の式神だよ

○○:俺の式神の名前は「大陰」共存派の式神だ

まさか、共存派の式神が揃ってしまうとは…

遠藤:似た者どおしだね

○○:だな

自分だけが背負っている訳では無い

ちょっとだけ、肩の荷が降りた気がした

遠藤:あ、私の家ここだから

○○:そっか、じゃあね

遠藤:ねぇ

○○:ん?

遠藤:負けないから

○○:うん

遠藤:私が”最強”になるから

○○:俺も同じだよ

遠藤:ふふっ。じゃあね、○○!

ドアが閉まる

○○:急に名前呼びかよ…

ちょっとだけドキッとしてしまった

○○:にしても、遠藤さんが四代式神持ちとはな

大陰:意外と身近に居るもんだな

○○:お前は気づかなかったのか?

大陰:あの女の戦いを見ていた訳じゃないからな

○○:そういうもんか

大陰:それよりも、気になることが…

○○:なに?

大陰:やっぱり、式が使えないと話にならんな

○○:あぁ、俺も考えてた事だ

大陰:あのクラスの奴ら、中々にやりおるぞ

○○:式を使えこなせてる

大陰:一方、お前はさっぱりだ

○○:どうするといい?

大陰:まぁ、特訓あるのみ。今はな

○○:それしかないか

話している内に家に着く

○○:ただいま〜

To Be Continued…

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