如雨露

プロローグ

私はあなたの如雨露。
あなたは乾いた植木鉢。
水を欲して、水を欲して、私に向かって手を広げる。

私はあなたの如雨露。
あなたに水を注ぐと、
あなたは柔らかく、優しくなる。
必要としてくれる。
ずっと私を必要でいてね。
私を必要でいてね。

私のこと、好き?
うん、好きだよね?
その表情は確かに私のことが好き。
甘やかにとろけるみたいな目の光。
潤いを与えましょう。
私はあなたの如雨露だから。

(続く)

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