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民法 担保物権
○担保物権とは
債権者が債務者に確実に債務を返済してもらうために、債務者側の「物」の担保価値を利用する権利のこと。
(例)
家をローンで買う。
家 = 被担保債権
↑ 抵当権を付ける。
ローン=担保債権
○担保物権の性質(1〜4)
①付従性(ふじゅうせい)
(意味)
・被担保債権がなければならない。(例、家など)←担保するものがなければならない。
・そして、被担保債権が弁済が終わると抵当権は消滅する。
②随伴性(ずいはんせい)
(意味)
・非担保債権を他の人に移ると、担保物権も移動すること。
③物上代位性(ぶつじょうだいいせい)
304条
(意味)
・非担保物権が売却され無くなっても、売却で得た代金に対して、担保債権を行使する事ができる
(物上代位)
第304条
1.先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。ただし、先取特権者は、その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない。
2.債務者が先取特権の目的物につき設定した物権の対価についても、前項と同様とする。
④不可分性(ふかぶんせい)
担保債権を全部弁済を終わるまでは、売った側に、留置物の全てについて権利を行使することができる。
(留置権の不可分性)
第296条
留置権者は、債権の全部の弁済を受けるまでは、留置物の全部についてその権利を行使することができる。
○留置権とは
他人のものを占有している者が、その物についての債権を持っている場合、その債権の支払いが終了するまで、その物の引渡しを拒否することができる権利をいう。
(例)
A→B
AがBに時計の修理をお願いする。
修理が終わったが、お金(債権)を支払ってない為、Bは留置権を使いお金が支払われるまで時計を返さなかった。
○先取特権とは
他の債権者に先んじて債務者の弁済が受けられる権利。
(先取特権の内容)
第303条
先取特権者は、この法律その他の法律の規定に従い、その債務者の財産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
・種類(1〜3)
①一般の先取特権
②動産の先取特権
③不動産の先取特権
【具体例】
・雇用関係の先取特権
【先取特権の順位】329条
(優先順位高い)
↑ 1.共益の費用の先物特権
2.特別の先物特権
↓ 3.一般の先物特権
(一般の先取特権の順位)
第329条
1.一般の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、第306条各号に掲げる順序に従う。
2.一般の先取特権と特別の先取特権とが競合する場合には、特別の先取特権は、一般の先取特権に優先する。ただし、共益の費用の先取特権は、その利益を受けたすべての債権者に対して優先する効力を有する。
○質権とは
質権とは、担保物権の一種。
債権の担保として債務者または第三者から受け取った物を債務が弁済されるまで留置することにより債務者の弁済を間接的に促し、さらに弁済されない場合にはその物から優先弁済を受ける、債権者の権利。
・質権の種類(1〜3)
①不動産質
②動産質
③権利質
【具体例】 権利質
住宅ローンの場合。
住宅の抵当権を設定することに加えて、火災保険金請求権に質権を設定する。
↓
住宅の質権(不動産質)
+
火災保険金請求権(権利質)
○抵当権とは
(約定担保物権のひとつ)
債務の担保に供した物について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を言う。
【簡略化】
A→B
(Aから家を買う) 現在Bが持ってる。
Bが家を抵当権を使い担保にして、C銀行とローンを組む。
(家を担保にする)
C →A に家のお金がいく。
もし、Bがローンの返済ができなくなるとCは家(担保)を没収する。
↓
【質権との違い】
引渡しを要しないために所有者が抵当権成立後も引き続き使用・収益をすることができる
というのが概ね通有的な性質であるが、法域によっては引渡しを要する場合を含むこともある。
○優先弁済権の実現する手段(2つ)
①担保不動産競売(180条1号)
→不動産が売られた時に、そのお金を優先に弁済に当てること。
②担保不動産収益執行(180条2号)
→不動産から得た収益を優先に弁済に当てること。
↓ 物上代位との関係。
物上代位と類似しているが、担保不動産収益執行を優先する
(不動産担保権の実行の方法)
第180条
1.不動産(登記することができない土地の定着物を除き、第43条第2項の規定により不動産とみなされるものを含む。以下この章において同じ。)を目的とする担保権(以下この章において「不動産担保権」という。)の実行は、次に掲げる方法であつて債権者が選択したものにより行う。
一 担保不動産競売(競売による不動産担保権の実行をいう。以下この章において同じ。)の方法
二 担保不動産収益執行(不動産から生ずる収益を被担保債権の弁済に充てる方法による不動産担保権の実行をいう。以下この章において同じ。)の方法
○根抵当とは
抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる。
↓
【抵当権との違い】
担保の大きさで、抵当権を設定していたが、
根抵当は、不特定の債権を抵当権にし、範囲を超えて極度額にすることができる。
(根抵当権)
第398条の2
1.抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる。
2.前項の規定による抵当権(以下「根抵当権」という。)の担保すべき不特定の債権の範囲は、債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるものその他債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定して、定めなければならない。
3.特定の原因に基づいて債務者との間に継続して生ずる債権、手形上若しくは小切手上の請求権又は電子記録債権(電子記録債権法(平成19年法律第102号)第2条第1項に規定する電子記録債権をいう。次条第2項において同じ。)は、前項の規定にかかわらず、根抵当権の担保すべき債権とすることができる。
○譲渡担保とは
担保目的で所有権を譲渡すること。
↑ 何故必要になるのか?
『抵当権は不動産に限定するから』369条
○譲渡担保の必要性(2つ)
①抵当権は不動産のみ。
②抵当権は私的実行ができない。
→抵当権は裁判が絡んでくる=私的にできない。
・譲渡担保の種類
動産譲渡担保、不動産譲渡担保、債権譲渡担保
○譲渡担保は所有権を譲渡するのか?
(どういった扱いか?)
↓ 2種類に分かれる。
①所有権的構成
②担保権的構成
○譲渡担保の対抗要件
・所有権移転登記
・譲渡担保の問題点
・第三者との法律関係が複雑。
↓ 第三者の登場する場面の2種類
設定者からの第三者が登場する場合、譲渡担保権者からの第三者が登場する場合。
○譲渡担保の実行の仕方
↓ 清算金が生じるかどうかで変わる。
【精算金が生じる場合】
①帰属清算方式
(譲渡担保権者が目的物の価格を評価、差額を清算金として支払う)
②処分清算方式
(処分して、代金から債権を回収、差額を清算金として支払う)
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