家族法 親権


①親権に服する子

成年に達していない子。
(18歳以下)


②親権者とは

親権を行使する者のこと。
(父母が婚姻中であれば、親権は父母が共同して行う)

父母が婚姻中でも一方が親権を行使できないときは、他の一方が親権を行うことになる。
(親権喪失宣言、行方不明、受刑、重病など)

父母双方とも死亡した場合には、後見が開始する。



①離婚の場合、どちらかが親権者になる。

②養子は、養親が親権者になる。


❶養親が死亡した場合。
→他の一方が親権を行使する。

❷両方が死亡した場合
→後見が開始する。
(実親に親権が復活するのではない)

嫡出でない子の親権者は母。
しかし、父が認知した時には、父母の協議で、父を親権者と定めることもできる。



③家庭裁判所による親権者の変更

父母の一方が単独親権者となった場合において、子の利益のために必要であるときは、この親族の請求によって家庭裁判所は親族者を他方の親に変更できる。

例、子をひきとった親権者が虐待していた場合。

この利益に反するので、離婚後親権を得れなかった親に親権者と変更することができる。



④親権の内容

❶身上監護権
→親権者が有する子を監護および教育する権利義務のこと。

❷居所指定権
→親権者は、監護教育の任務を果たすために、子がどこに住むのかを指定することができる。

❸懲戒権
→親権者は、必要な範囲で子を懲戒することができる。
(しかし、しつけの範囲を超えるもの、児童虐待は親権の濫用になる)

刑事罰である、暴行罪になる。

❹職業許可権

❺財産管理権
→親権者は、この財産を管理し、この財産に関する行為について子を代理する。


⑤子との利益相反行為

利益相反行為とは

親が子を代理して、親自身の利益のために、子供の財産に損失を及ぼすような法律行為をすることを利益相反行為という。


【利益相反にあたる行為をする際には】

親は特別代理人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない。


【利益相反にあたる行為とは】

1.親の借金返済のためにこの有する不動産に抵当権を設定する行為。

2.この教育資金のためにこの有する不動産に抵当権を設定する行為。


⑥親権者の一方が利益相反にあたる行為の効力を否定することはできない。


『共同で親権を行使している外観がある以上、夫婦の一方の独断であっても、その効力を否定することはできない』

話し合うしか無い。


【例】、父が利益相反行為をしている場合。

1.母親が父に変わる特別代理人を家庭裁判所で選任してもらい、母親と特別代理人が協議する。

2.そのことによって利益相反行為を防ぐことは可能。



⑦親権の終了


❶親権の終了の原因(❶〜❹)

❶.未成年者が成年に達する
❷.子の死亡(子の側の事由による終了)
❸.親権者側の事由(親権、管理権の2つがある)
(親権者のやむおえない事由とは→重病、長期不在など。家庭裁判所の許可が必要。)
(管理権は、健康、知識、能力など事由で財産管理に不適があること)→財産管理に問題がある→管理権

やむおえない事由が回復した場合には家庭裁判所の許可を得て親権は回復する。(または管理権)


❹親権の喪失(親権喪失宣言)

親権とは、子のための制度である。その為、親権の行使が不適当で子にとっては有害であれば、親権者から親権を奪うことも必要であるから。

↓ 親権者が親権を濫用、また著しく不行跡の場合

家庭裁判所で、子の親族または検察官の請求により、親権喪失の宣言をすることができる。



⑧親権の濫用、著しい不行跡とは


【例】
❶必要以上のせっかん
(きびしく𠮟(しか)ること。肉体を苦しめてこらすこと。)

❷親が子を自分の両親に預け、自分では全く世話せずに遊んでばかりいる場合

❸この財産を親権者自身のために処分すること

【例】
この財産は親権者自身のために処分し(財産管理権の濫用)
子を虐待などせずに監護教育をきちんと行なってた場合

↓ 結果

親権を剥奪はせず、親権のうちの一つである財産管理権だけを喪失させることもできる。

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