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フォト・オリエンテーリングのはなし

東京都オリエンテーリング協会の笠原です。この記事は「オリエンテーリング Advent Calendar 2023」の17日目の記事です。
今回は東京都オリエンテーリング協会で行ってきたフォト・オリエンテーリング形式を利用した普及活動について書きます。実は今年で10年になったので、まとめておこうと思いました。


フォト・オリエンテーリング展開のスタート

 2013/2/2に駒沢オリンピック公園で行われた「東京みんなのスポーツ塾」というイベントで、フォト形式でのスコア・オリエンテーリングを実施したのが、都協会のフォト・オリエンテーリング展開のスタートです。セミナーも行いフォト・オリエンテーリングの可能性とフォトロゲイニングとの違いなどを説明しました。

「フォトロゲイニング®」は日本フォトロゲイニング協会(代表理事)の登録商標です。

なぜフォト・オリエンテーリングなのか?

 この頃都協会では「高校1年生の遠足メニューを想定して手軽に実施できるイベントのメニュー化」を検討していました。常設コースがあるといろいろと活用できるのですが、東京ではパーマネントコース設置の制約が多く、高尾山エリアの3コースだけという現状です。通過証明を写真撮影にすればコントロール設置の必要がなく、ブレークスルーできるのではないか!と考えた訳です。

そこで調べたら、いろいろな事例が見つかり参考にさせてもらいました。
・福井県協会の「一乗谷朝倉氏遺跡フォト・オリエンテーグ」
・京都府協会の「京都観光 名所・史跡めぐり フォトオリエンテーグ」

フォト・スコア・オリエンテーリング in 光が丘団地

 2013/4/28に光が丘公園で行われた都民スポレクふれあい大会の併設企画として、国土地理院の1:10,000地形図を修正した地図を使って光が丘団地全域を使ったフォト・スコア・オリエンテーリングを実施しました。スポーツ塾もそうですが、この頃はまだロゲイニングからの展開でスコア・オリエンテーリングでの展開を想定していました。

東京フォト・オリエンテーリング シリーズの開始

 その後いろいろと検討した結果、フォト形式でポイント・オリエンテーリングの常設コースを作ることにしました。常設コースの場合は、スコアより利用者の通るルートが絞れるので安全性を確保し易いためです。A4版の地図とA4版のチェックポイント一覧を合わせてA3版画像データにしてネットプリントで販売する形にしました。また、100キロコンペ対象にして、パーマネントコース愛好者にもアピールできるようにしました。形式としては都協会が主催している常設型大会と言っています。これは都道府県協会が主催する大会だと、ネットプリントで販売できるし、100キロコンペ対象にもできるからです。

 この企画の象徴として上野公園は外せないと考え、プロトタイプを上野+根岸エリアで国土地理院数値地図ベースで作って理事会に企画をかけました。やってみろという事にはなったのですが、上野はO-MAP作ったらという話になり、YMOEに依頼しました。
 新しい試みを認知してもらう為に、最初に3コース一気に発表することにし、上野の地図が出来るまでの間に、最初にリリースした善福寺川緑地・和田堀公園コースを数値地図ベースで作りました。3コース目は西葛西なのですが、まだどんな地図が良いか試している時期だったので、スタートしていた基盤地図情報をベースに加工した地図にしました。西葛西は走れるので、開設記念フォト・スコア・オリエンテーリング大会も行いました。この頃の地図はオリエンテーリングマガジンで、ご覧いただけます。http://www.orienteering.com/magazine/2014/08/22_photo-o.pdf

初心者講習会への展開

 2014年度は3コースに加えて、王子と大井埠頭をリリースし、都心と東西南北それぞれ展開したので新コースはしばらくお休みし、講習会・練習会への展開準備を始めました。年間10回くらいを軽い運営で回すことを考えて、会場はコース近くの区立の集会所等を借りて、設置・撤収はないので半日で全部終わる感じにしました。軽い運営のおかげで凸凹はありますが、トータルでは黒字で回せました。オリエンテーリングマガジンの記事はこちらです。
http://www.orienteering.com/magazine/2015/06/17_photo-o.pdf

コース維持コストについて

 10年で14エリアに常設コースを展開しましたが、コース維持管理は一人でやっています。パーマネントコースと違い設置物はないのですが、指定した被写体が無くなったり、地図の修正が必要になったりで、毎年5コースほどは改訂しています。100キロコンペの距離認定のため写真を送ってもらうので、その際に変化の情報をもらったりして助かっています。年間200枚ほど地図が売れて、コース新設と維持コストが賄えています。

学校行事での利用

 元々「高校1年生の遠足メニューを想定して手軽に実施できるイベントのメニュー化」ということでスタートした企画ですが、上野のスコア・オリエンテーリングの地図を毎年複数の学校で利用いただけるようになりました。今年は王子でスコア・オリエンテーリングをやった学校もありました。多少カスタマイズした地図を提供することになりますが、まとめて購入いただけますし普及の意味も大きいです。

今後の予定

 今年は久しぶりに新コースの谷根千をリリースしたのですが、最初のプロトで根津は上野とは別でやれと言われたことろで、柏樹さんの「文教の府」を使わせてもらって、やっと実現できました。今後もたまには新コース出したいのと、既存コースのO-MAP化も検討中です。あと、同じような事やりたい他県協会などいたら、ぜひサポートしたいと思っていますので、お声がけください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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