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しんしんしん 一枚隔てたガラスの向こう 地球がおしろいを塗って わたしのために 雪化粧 はぁと窓に吹きかける くすんだ窓に指を向け 自然のキャンパスに思いをのせる 四角をひとつ まるをふたつ ぼうがみっつ てんもみっつ まんまるぼうずが現れる 畑に 山に 川に トンネル 着たり脱いだり大慌て ころころ変わる まんまるぼうず 首をもたげてため息もれる 繰り返しすぎて小さいぼうず くすんだ窓が 透明のガラスに帰っていく さあさあ おかえり まんまるぼうず また息を吹き
ビュウービュウー キィキィ ブウォォー 風が悲鳴をあげる 目を釣り上げて 口が裂けるまで こちらをみる ギュッと抱きつく真白の手 ガクガク ブルッブルッ ギュッギュッギュ ムズムズ シクシク 鼻があたる 耳があたる 大丈夫 手を繋げば 大丈夫 手を握れば 大丈夫 抱きしめて 近くにいれば 大丈夫 氷の鼻も溶けてくる 黄色くまるく あたたかい さぁ おやすみ