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ハードルは低く

会社等、組織に属していると、どうしても個人に目標やノルマが設定されます。それそのものは決して悪いものでなく、結果に応じて査定に影響が出るなどで本人のモチベーションや他のメンバーの納得につながる面はあります。

ただ、それはあくまで組織が組織の事情で課した目標だということは割り切っておきたいです。「いや、自分で設定したんです」という人もいるでしょうが、それは組織の状況を踏まえて自分で設定しているわけで、最終的なコミットは当然組織に行われているわけです。

私は営業に長くいましたが、当然売上目標がありました。しかし考えてみれば、売れるか売れないかは私だけの問題ではありません。景気、客先の事情、当社製品の魅力、当社の知名度やブランドイメージ、開発力、競合の状況、私個人と客先担当者の相性、会うタイミングなど、売上につながる要素を挙げるとキリがありません。そんな中で私個人の目標と言っても、どこまでそうなのかね〜という、醒めた自分が常にいました。

だから何もしなくて良いわけではなく、投げやりになって良いわけではありません。ですが、組織の目標なんて、組織の都合で作られたものです。本当に達成できるかなんて分からないし、ましてそれを個人が負う必要はない。それに執着して、頑張って頑張って、結果が出ない時に自分を追い詰めて、みたいなことはしなくてよいのです。それで結果が出ないと確かに査定は下がるかもしれないですが、それはあくまで会社の尺度によるものであり、自分の価値が低いわけではないのです。

私は組織の目標とは別に、いつも自分に目標を立てていました。半年の間に○軒の新規顧客を回ろうとか、自分次第でほんのちょっと頑張れば必ず達成できるもので、売上のような外的要因が大きすぎるものではありません。そしてそれをあっさり達成すると、残りは余った時間のように思えます。そこで本当に自分がどうしたいかが見えてくる。この市場に顔を出してみようとか、この顧客に重点的にアプローチしようとか。会社の目標にこだわらないと、自分なりの方向性が見えてきます。実はそれが評価につながったりして。「あいつは売上はいかなかったけどこんなことをやったな、種を撒いたな」みたいなことにも実はつながる(こともあります。そううまくいかないこともある)。本当は会社も分かっているのです。売れるも売れないも、一介の営業マンのせいではないのです。

少し肩の力を抜いて、いかに自分のやりたいことを打ち出すか。そのためには自分で低いハードルを作り、あっさり達成して自分で満足すること。そして組織の目標、他人の期待を意識しすぎないこと。

走るだけで100点という私のランニングのスタンスに近いものがありますが、仕事でも100点を確保しておいて、余裕があればどんどん加点したいですね。余裕が無ければそのままで大丈夫です。100点なんですから無理して変に頑張りすぎないように。

最近、評価ばかり気になるという同僚がいたもので、ちょっと整理してみました。

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