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JSTQB Advanced Level テストアナリスト試験の出題から見る勉強方法

2022年2月のテストアナリスト試験を受験してきました。昨日の記事で試験の感想ややってきた勉強についての概要は書きましたのでまずはそちらをご覧ください。

今日は、実際に出題された試験問題を数問思い出して、どういう勉強が有効であったのかを振り返っておこうと思います。

落ちてたら来年のテストアナリスト再受験に役立つかもだし・・・落ちてないと思うけどぉ・・・。

テストアナリスト試験の出題配分

Twitterで教えていただきました。ISTQBで出題件数と点数は公開されているんですね。

こちらのファイルの9ページ目がTAのv3.1の出題配分です。

デシジョンテーブル2問になってるけど、私の記憶では3問あったんだけどな~。どれかが同値分割問題だったのかな。

この表に、シラバスの「学習の目的」を当てはめることが、試験対策の最初の一歩でしょうね。

私はこんな感じでExcelに一覧表にしてました。

K2の出題内容から見る勉強法

K2の問題は17問出題されました。1問1点です。

出題された問題(概略)

K2はこんな感じの問題でした。TA-1.2.1の問題(1問目)です。一言一句覚えているわけではないので、概要です。あと、「正解」「不正解」は個人の感想ですw

ソフトウェア開発ライフサイクルに応じたテストアナリストの関わり方について、適切な選択肢を選びなさい。
(a)アジャイル開発ではテストアナリストは最初から関わる
(b)アジャイル開発では安定したイテレーションから関わる
(c)ライフサイクルの違いで関わり方に違いはない
(d)V字モデルではテストアナリストは詳細設計からテスト分析・設計を開始する

どのような勉強をすればいいか

この問題で正解を導くためには、シラバスの1.2の内容が頭に入っていればいいのです。

P14の最下段に「アジャイルソフトウェア開発では、開始時点からテストを行う」とあります。(aが正解)
続いて、「プロダクト開発の開始時から、テストを行い始める」ともあります。(bは不正解)
P14全体から、シーケンシャル、イテレーティブ、アジャイルで関わり方が異なっていることがわかります。(cは不正解)
P14の2段落目の箇条書きの2項目目に「(シーケンシャルなV字モデルで)システムテストのテスト分析およびテスト設計は、システム要件仕様、アーキテクチャー(ハイレベル)設計仕様、およびコンポーネント(ローレベル)設計仕様などのドキュメントに沿って行う」と記載があります。(dは不正解)

「ね、簡単でしょ?」です。K2はシラバスの文章を逸脱した内容は出なかったと記憶しています。
ただし表現そのまま出るわけではないので、シラバスに書かれていることを本当に理解しているのか、が重要ですね。
自分は若者に教育もするので、常に「言い換える」「具体例を示す」ことを心がけていて、シラバスを学ぶ時も「これって分かりやすく表現したらなんと言い換えられるだろう?」と考えるようにしています。

あと、文章の前後や前提も含めて理解しているか覚えているか、は抜けやすいポイントかもしれないです。
別の問題の選択肢で「テストオラクルはプロダクトオーナーである」ってのがあったんですが、この一文はシラバスにあるので記憶してたら〇にしてしまうかもですよね。しかしシラバスには、文の前に「アジャイルソフトウェア開発では」とついているので、この一文だけでは正解にはならない。
まあ、プロダクトオーナーって時点でアジャイルなのではって脳内補完してしまいそうになりますが・・・。

K3の出題内容から見る勉強法

K3の問題は6問出題されました。1問2点です。数も少ないので学習目的を貼っておきます。
なお、5.2.1と5.2.2から合わせて3問です。

出題された問題(概略)

プロジェクトの背景説明。
今回識別されているリスクは以下の3つである。
・アクセシビリティのリスク 可能性「中」、影響「大」
・性能面のリスク 可能性「小」、影響「中」
・計算結果のリスク 可能性「中」、影響「中」
リスクレベルに応じたテストを組み立てるとき、最も適切な軽減策はどれか。
(a)性能テストをなんちゃら
(b)システムテストのユーザビリティテストに障がいをもつユーザに参加してもらう
(c)設計レビューに障がいをもつユーザに参加してもらう
(d)計算結果リスクに対する対策をなんちゃら

どのような勉強をすればいいか

まずシラバスの理解ですよね。
P27の2.3リスクアセスメントの項に、「リスクの可能性と影響が割り当てられると、テストマネージャはこれらの値を使用して各リスクアイテムのリスクレベルを決定する。次に、そのリスクレベルを使用して、リスク軽減活動の優先度を決定する」とあります。

リスクの可能性と影響から、最も優先するのはアクセシビリティのリスクと読み取れます。

続いて、P27の2.4リスク軽減の項、2.4.1テストの優先付け、がこの問題にあたります。2.4.1の10行の文を読み解き、具体的にイメージできていれば、アクセシビリティのリスクに対してどちらの対策を選べばいいかは分かります。「問題がテストの早期に識別され、解決されるように、(中略)早期の使用性テストを優先的に実行するかもしれない」なので、より早期な対策を選べばよさそうです。

というように、K3の問題は、「シラバスに書いてあることを具体的に落とし込めるか」なので、対象6項目の学習の目的に沿って、具体例をググり、イメージできていればいいということになります。

なお、5.2.1の問題は、要求と要件が与えられて、指定のチェックリストに沿って合格している項目を選択するものでした。5.2.2も同じ。
これも実際に要件やユーザーストーリーの例を調べて(経験なければ)、読み解けるようにしておかないと本番で対応できないと思います。

ちなみに私は自動テストの経験が一切ないので、6.2.1の「適切なキーワードはどれですか」って問題がわかりませんでしたー(笑)

K4の出題内容から見る勉強法

K4の問題は17問出題されます。1問3点なので、K4だけで51点あります。

出題された問題(概略)

結構覚えてるんだけどどれにしよかな。。。ユースケースにしましょうか。

A4用紙1.5枚分くらいのスペースにびっしりユースケースが書いてます。
ユースケースID、ユースケース名、アクター、事前条件、メイン、代替、エラー、事後条件、と並んでいます。
メインの3と8と12あたりに代替とエラーがありました。

(1問目)このユースケースに対してユースケーステストを実施して出荷したところ、以下の故障が発生した。どのユースケースのテストケースが足らなかったか。
・申請直前に他の人が申請していても登録完了になった
・登録未完了画面が出なかった

(a)メインパスXX
(b)代替パス8AとE1
(c)代替パス8B
(d)代替パス3

(2問目)このシステムに以下の仕様を追加した。テストケースは何ケース増えるか。
(追加される仕様が4~5行書かれていて、そこからテストケース追加につながる仕様を読み取る。ケース追加に繋がらない仕様も含まれている。)

どのような勉強をすればいいか

この問題に関しては、シラバスに書いてあることの理解だけでは正答を選ぶことはできません。回答を導くには、「ユースケースを読み取る」を経験する他ないと思います。

前回の記事に挙げた4冊だと、「はじめて学ぶソフトウェアのテスト技法」にユースケースのテンプレートとユースケーステストの例が少しだけ載っています。
あと、「非公式問題集」でユースケーステストのテストケースのカウント方法は掴めるはずです。

ただ、これだけでは今回の問題は解けない。。。特に2問目なんか自分でユースケース書いたことないと分からんのちゃうやろか???
やはり、K3の対策と同様で、具体例をググり、なんなら実際に業務の案件を例にして自分で書いてみて、イメージするしかないかなと思います。
「実践ソフトウェアエンジニアリング」を読んでたのは超プラスでした!

出題された問題をもうちょっと

デシジョンテーブルの問題。
(1問目)2値3条件のデシジョンテーブルを簡単化して4ケースになっている。簡単化しなければ何ケースだったか。
(2問目)1問目の3条件オールT、オールFの場合の動作を追加した。個別にテストが必要。簡単化して最少ケースにすると、完全なケースから何ケース削減できるか。
 →デシジョンテーブルの基本がわかってれば解ける

状態遷移テストの問題。
(1問目)状態遷移図が与えられている。100%0スイッチカバレッジのテストで発見できる欠陥はどれか。
(A)(記載されている単純遷移で遷移できない例)
(B)(記載がない無効な遷移で遷移できない例)
(C)(1スイッチの例)
(D)(単純遷移だけど2回クリックのところ1回クリックで遷移した)
AとD、みたいな組み合わせで選択肢4つから選ぶ。
 →状態遷移図と0スイッチの考え方がわかってれば解ける
(2問目)状態を追加し、それに伴い遷移(うち1つは複数イベント)を3つ追加した。何ケース増えるか。

ペアワイズテストの問題。
(1問目)2値・3値・4値のペアワイズ。XXのときXXは選べない、という制約が与えられている。テストケース数は何ケースか。
(2問目)仕様変更し、2値・4値・5値になった。制約も増えた。テストケース数はいくつになるか。

まとめ:テストアナリストの勉強方法

  • まずはシラバスを読み「解こう」。「へーそうなんだー」程度では、表現を変えられたら分からなくなっちゃうかも?自分の言葉で説明できるように。

  • K3の問題(6問しかない)は、シラバスの該当の箇所をじっくり読んで、具体的なイメージができるようググって何パターンか確認しておこう。

  • K4はシラバスだけでは全然解けません。書籍や講座を使って技法を理解した上で、具体例をたくさん確認しよう。

合格していますように(-人-)

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