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寿命3年半のトレーダーの一生を書き記そうと思う。


初めまして、この記事を読んでくれていると言うことはあなたは種類はどうあれ何かしらのトレードを行っていると言うことでしょう。


私は2017年から約3年半兼業トレーダーとしてトレードを行ってきました。

結果として様々なことを学びそして素晴らしい人たちとの出会いもありました。


2021年10月現在私はトレードを行っていません。

理由としては相場に合わせる生活に少し疲れたのと自分で何か商品やサービスを販売することが好きでそっちに集中したいと思ったからです。


しかしながら辞めたとはいえ様々な人から投資やトレードについてよく相談されます。

簡単な質問から世の中の本質に係るような質問まで様々。


私にとってはもはや当たり前すぎる事でも初心者にとっては貴重な情報源なのだなと漠然と感じることがありました。


それなら私のトレード人生を書き連ねることで参考になる人もいるのではないかと思い筆を取りました。

私個人の成績を先に言うとトータルはプラス、特に辞める直前あたりは月に10%程度の利益で300~400万位を運用していたのでそれなりに稼いでいました。


そんな兼業トレーダーの試行錯誤、苦悩で良ければあなたの知恵となり利益に貢献するかもしれませんし損失を減らす手助けになるかもしれません。

私はトレードを行った3年半本気で専業トレーダーになって食っていこうと考えていました。


実際それだけ真面目にかつ様々なアプローチでトレードと言うものを見てきたし行ってきました。

出来るだけあなたにその時の臨場感が伝えられたらと思っていますがなかなか難しいかもしれません。

それでも良かったらお付き合いください。


今回の記事は私の自己満過去語りなので資産運用やトレード技術に関して興味が無い方は読む必要はないでしょう。

あなたの時間は有限です。

他の有意義なことに時間をお使い下さい。


そして読んで下さる方、ありがとうございます。

私は読書が一番コスパの良い投資だと考えています。

様々な素晴らしい本と私は出会い人生が少しずつ変化していきました。


ブログ記事と言う形ではありますが、あなたの人生を少しだけ変えるような文章を偉大な作家たちと同じように届けることが図々しくも出来たなら非常に嬉しいですし、ぜひ私より稼いで欲しいと思っています。


前置きが長くなってしまいましたが本題に入っていきましょう。

投資の世界へようこそ。


あなたが思っているよりだいぶくそみたいな世界ですよ。笑


~~~~~~

2016年の夏頃、化学企業に勤めている23才の私は中途採用で職場に入ってきた年上の後輩の教育担当になりました。


その年上の後輩に業務を教えていくなかで私の人生を変える一言を後輩から言われます。


「Hさんって株とかやらないんすか?儲かりますよ笑」


その後輩によると入社前に株で5、60万程儲けたと言うのです。


私は興味があったもののそもそも会社で投資などの副業をやってよいのかも分からず、そしてきっかけもなかった為投資など他人事だと思っていました。


しかし会社の業務のマンネリ化と将来このままでいいのかといった漠然とした不安から60万円を元手に証券口座を開設しました。


そしてキリの良いタイミングで投資を始めようと思い、手頃な本を買ってデモトレードを行い2016年の12月27日に初めてトレードの世界に足を踏み入れました。


さて、初めて買った銘柄はと言うとスタートトゥデイ(3092)でした。

ZOZOTOWNの前澤さんの会社ですね。


正直何買ったのか今となっては全然覚えて無かったので、証券会社の取引履歴をかなり漁りましたが古くて出てこず自分の取引ノートに書いてありました。笑


購入額は2072円×1単元 上昇トレンド中で2700円くらいまでは上がるのではないかとノートに書いてありました。


振り返ってみると意外といい読みしてますね。2021年現在は4000円程なので上がること自体は当ててます。


さてさて、トレードの結果はと言うと、、

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翌日に逆指値で損切り。笑

上昇トレンドを見付けるのは良いのです。

リスクリターンの比率や資金配分、トレードのタイミング精度がお話にならないので1日で損切りになってます。


しかも年末ギリギリにトレードを始めちゃってますね。

こんな年末に玉を仕込むのは基本的に素人がやったら自殺行為です。笑


こうして私のトレード人生は始まっていきました。


最初にトレードをした感想は、自分の意思決定が全ての利益と損失に繋がり仮に上手くいけばお金と言う制約から解放されます。


その全ての行動が自己責任であり労働で対価を得るのではなく、有象無象がひしめき合う株式市場に挑戦したんだと感動したのを覚えています。


当時の私はTSUTAYAに寄っては良さそうな本を買って知識を吸収していきました。


しかしながらそもそものスタイルも確立していませんし、仕組みも理解していないどころか用語をやっと覚えた程度です。


とりあえず現物株に何個か資金を入れて10〜20%くらいを取っていこうみたいなスタンスだったように思います。


そんな中次に手を出したのが12月29日 東芝(6502) 262円×1単元(1000株)


なんかの本に書いてあった「三空叩き込みは買い」と言う情報を信じ、当時原子力事業に失敗し8000億くらいの巨額の損失を計上した東芝の暴落に手を出します。

当時の私、まじで無謀。

てかアホw

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※当時は1単元1000株です。現在は100株1単元なので5000円が3日で半値になったということです。


500円前後で推移していた株価が窓開けストップ安で数日で230円代まで下落していた所のリバウンドを取ろうとしました。


結果はと言うと262円で約定後即下落して値動きの速さにビビって253円で損切り。笑


そりゃね、プロも含めてみんなバタバタしてるとこに入っていったらボラティリティや取引量も普通じゃないですよ。

初期装備(仮)みたいな素人が行ったらカモられるに決まってます。


そして次の日株価が大底を過ぎ買い戻しが始まった為、株価が急に上昇を始めたので慌てて278円で購入したとノートには書いてあります。

ツッコミどころ満載過ぎてどこから指摘したもんか分からないですね。


そしてそこから1ヶ月くらい東芝だけをデイトレードすることになります。笑

損益はと言うともちろんマイナス


なんかいっぱい取引してるし考察してるんですけど本質を理解してないので結局的外れ

トレードを始めて1ヶ月で4万円ほど失う結果となりました。

ここでの学びはそもそもの難しい取引には手を出さないこと。


軍資金が少ない状態だと損切り額も自ずと少なくする必要があります。

東芝クラスの暴落はボラティリティも大きく、機関投資家などの資金力のあるプレーヤーが投げ売りや買い戻しなどを行うと、瞬間的な価格変動で弱小トレーダーはその瞬間だけで逆指値に掛かって強制決済になります。


自分の身の丈にあった市場で取引すべきでしょう。


さて、東芝でしこたまトレードを繰り返した後ようやく今度は別の手法に手を出します。


ブレイクアウト手法ってご存知ですか?

そうです、抵抗線や支持線を超えてどちらかに動き出したら買いもしくは売りを入れるタートルズが得意としていた手法ですね。


この時期は特にテクニカル分析に傾倒していた時期なのでノートにこんな反省が書いてありました。


「チャートの勉強をすることにより結果論ではあるが、そもそも相場の選択が間違っていた。上昇トレンドの銘柄を選ぶことでもしもの下落の時のサポートになる。」

1ヶ月掛かってやっと気付いたようです。笑


今回の戦略は上昇トレンドにある銘柄をいくつかピックアップし、その中でレンジから出来高を伴ってブレイクアウトした銘柄に飛び乗っていくと言う戦略を立てトレードしていきました。


約10銘柄ほどを取引していきました。

2〜3週間ほど経過した結果はと言うと、、、

まぁ、トータルは損失ですよね。笑


反省文がこちら

「それぞれのトレードと結果を総合的に判断し結果としてリスクリワード、勝率、1トレードにおけるポジションサイズ、運用資金に対するポジションサイズ全てにおいて間違っているとこれだけ負けを重ねてようやく気付くことが出来た。」

負けた時のセリフが潔くていい。笑


履歴を見て現状の私がいくつかの敗因を上げるとするなら、玉を仕込む前日にチャートを見て銘柄を選んでいました。


それ自体はいいのですが自分が見てると言うことは他の人も見ています。

特にブレイクアウトした後は一時的に利食いの動きが入りやすくなります。


その利食いすらも買い上げてくるなら上昇トレンドになる可能性が高いです。

ブレイクアウトの最高値で乗っかるのではなく、ブレイクアウトのサポート付近まで落ちてくるのを指値が入ればいいなくらいで待つのが良いと思っています。


理由としては損失額の縮小にあります。

そもそも抵抗線を超えてブレイクアウトしたなら、抵抗線の内側つまりレンジの中に戻った時点でブレイクアウトじゃありません。


ですから抵抗線に指値を置き約定し上昇トレンドが始まれば最高、レンジの中に戻れば即切りすればいいので損失額と目標利益の比率がかなり変わってきますね。


それといくらブレイクアウトしたとは言っても相場全体が値下がりするような地合いだとブレイクアウトも失敗に終わります。


ですので1日に何個も仕込むと次の日に全体が弱い地合いだと全部レンジに戻って損切りになる可能性が高まります。


逆に全体が弱い日にブレイクアウトしてるような銘柄を探すと勝率が上がるかもしれませんね。


そしてブレイクアウト手法のそもそもの勝率は3割前後です。

基本的には損切り、トレンドに上手く乗っかれたらとにかく引っ張って利益を食いにいく必要があります。


これがまたキツイんですよね。

その辺のメンタル管理も含めてどう取り組むかがポイントになってきます。


さて、トレードを開始して約2ヶ月、損失をじわじわと重ねていきます。

ブレイクアウトはダメだ!と勝手に諦めた当時の私が次に手を出したのは2017年2月20日 日経225mini先物。

なんと今度は先物取引に手を出します。笑


先物取引とは何かご存知ない方もいると思いますので簡単に説明しますね。


会社が発行する株式は現物株と呼ばれ会社の資金調達の手段として用いられます。

かなりはしょって説明するとその会社の株をいくらで買うか売るかって売買するのが現物株のトレードです。


一方の先物取引は金融派生商品と呼ばれ実体の無いものとして扱われます。

??って話ですがまぁ聞いて下さい。


簡単にりんご(腐らないと仮定)で説明すると、りんご1キロ1500円を今買って来月売ったら2000円で売れたぜやっほいが現物取引。

理由は簡単、実際にりんごを買ってるから。


来月りんご買いたいなぁでも今より値上がりしてそうだなぁ、、そうだ今の値段1500円で来月買う予約するからその権利買うわ。


来月の1日に今の値段1500円でりんごを買う予約をした。

その後1日のりんごの価格は予想通り2000円まで値上がりしており、1500円で買える権利を使いりんごを1500円で買って2000円ですぐ売り500円の利益になりましたとさ。

めでたし。

とまぁ、こんな感じで実際のりんご買ってなくても売買が成立してるんですよね。


そしてみんな大好き日経新聞が選んだ、日本を代表する225社の日経平均株価を現物株のように取引出来るって代物が日経225先物取引になります。


日経平均株価を5円動いた、50円動いたってトレード出来るんですよ。


仕組みは分かりずらいですが少ない資金でバカでかい金額を取引出来るメリットがあります。

証拠金取引ですね。


FXなんかもそうですが1ドル110円をそのまんま買って111円で売っても、1円しか儲からないですよね?

ですが数万円分の証拠金を一旦証券会社に預けたら数百万円分の取引をしてる形でいいですよって仕組みです。

一般的にはレバレッジと呼ばれていて実質取引額の1/25の証拠金で売買が出来ます。


利益の出方も早いが損失の出方もまた早いです。

そして本質的な部分もだいぶはしょってますが、元々先物取引は損失を回避する為のヘッジとしての役割が強いです。


まぁ、もちろん下手に素人が手を出せば火傷では済みませんけどね。笑

そんな中、資金効率の良さと個別株を見なくていい手軽さ取引量の多さ、手数料の安さ等から先物取引に本格的に足を踏み入れていきます。


そこから半年ちょっと先物取引のみでトレードを行っていきます。

結果はと言うともちろんマイナス。笑

この時期は特にテクニカル分析に傾倒していてかなりテクニカル派の戦略で取引しています。


取引枚数は少ないのでジリジリ資金を減らす感じですね。

ただ、ここでやっているトレードスタイルがスキャルピングでした。

基本的な取引時間は数分くらいでチャンスとみたらガンガントレードしています。

そしてこの時期は目を充血させながらエントリーチャンスを図っていた記憶があります。


しかも高等テクニックである板読みを極める為にあれこれトレードしているので、もはやゲームをしている様な感覚ですね。


半年間で数百ものトレードを繰り返し、外国人投資家の草刈り場と呼ばれる225市場で生き残る経験値を得ていきました。

今思えばよく生き残ってますね。

225先物に手を出したら半月で資金を半分にすると言われています。

そしてだいたい半年で退場する。

利益を出す人が5%前後、儲け続けてる人が1%くらいと思っています。


今まで色んなトレードを行ってきましたが個人的に225先物が1番難易度が高いと思います。

理由としては基本的に相手が世界最高レベルの機械相手にトレードしてるから。笑


まじでマーケットメイクしているアルゴリズムも優秀だしトレードを誘い込むような見せ板、ステルス、アイスバーグ注文などなんでもありです。


こちら側が調子がいい時はなんとか利益を出せますが所詮人間です。

ミスもします。そしてちゃんと彼らに利益を奪われていきました。


損失としては20万円くらいいってたと思います。逆によく20万で済んだなという感じですかね。


8月くらいまで先物をメインに取引を続け次第に疲れてきます。

その頃の成績はと言うとこれが意外と良くてほとんどトントンになっています。トレード数が多い分手数料負けしてる感じです。


そこで今度は真逆の投資信託の方に手を出します。

世界全体の経済って成長してるみたいだし、パフォーマンスの良いアクティブ運用している投資信託を買ったら勝てるのでは?と考えました。


そこで大陸の経済成長をしてる国や地域に投資しているアクティブ系の投資信託をそれぞれバランスよく購入していきました。

資金配分的には先物をやる分の資金は残しつつ、タイミングみて小口でちょこちょこ分散投資してる感じです。


手法としてはかなりシンプルで、SBIの証券口座で購入出来る投資信託の中から日本、アメリカ、ヨーロッパ、アジア、中東、アフリカ、南アメリカなどの数年間のパフォーマンスが良いアクティブファンドを買う。

それだけです。


ポイントは資金配分になります。

普通の投資信託は基本順張りロングなので安定して経済成長してそうなとこの比重を多めにして買ってました。

この頃は別に経済の事はよく分かってないので少し調べてなんとなくで買ってます。


当時の行動として先物取引などの超短期取引は、自分の調子が良ければ爆発的な利益を生み出します。


しかしながらその逆の可能性も非常に高いです。

てか大体そうなります。


それならば変に大きな資金で先物を取引せずに最低量で取引し経験を積み利益で増えた分を複利で回した方がいいと考えました。


そして余剰分は投資信託を活用し世界各国へ分散投資すれば安定しそうだなと考える訳です。

今となってみるとどうすれば安定的に継続して資産を増やし続けていけるか目的が定まっている分、大きな方針の部分では間違ってないですね。


一撃退場リスクのある先物取引は控えめに経験値をひたすら稼ぎ、安定したトレード技術の確立を目指しました。

一方では安定した投資でGDP増加による経済成長が株価に反映されることによる利益を時間を対価に享受していこうと考えて投資していく流れです。


さて、そんなこんなで投資信託に関しては地味に利益を伸ばし先物取引で発生した損失を打ち消すようになってきます。

別の時間軸の投資先を持つことで他をカバーしていく考え方を身に付けていきました。

しかしながらまだまだ安定なんかしていません。

そして投資歴も1年が経とうとしていた頃ある人物との出会いで流れが変わり始めます。


それは父の知り合いで多額の資金を集めトレードを行っている人でした。


私はトレードで食べている人に会うのは初めてだったので彼の言葉からトレードのヒントになるものはないか必死に聞いていました。


そして私がスキャルピングをメインに行っているということも一通り話しました。

彼は私のトレードの話を穏やかな表情で聞いた後、私にこう告げました。

「H君はオプショントレードって知っていますか?」

この一言が私のトレードスタイルを大きく変化させていきます。


投資信託に投じていた資金を引き上げ日経225オプションをトレードする為に先物・オプション口座に資金を入金しました。


多分普通にトレードをやっている人でもほとんど手を出さない商品だと思いますので少し解説しますね。


いつものようにりんごで説明しましょう。笑

値上がりを期待し直接りんごを売買するのが現物取引です。

基本的には普通の投資家は現物取引が多いですね。もう少し踏み込んで信用取引をするくらいかな。


そしてりんごの値段が来月上がりそうだから今の値段で買う予約しとこ。

そしたら来月になりりんごの価格が高騰。

安い時に買う予約しといてラッキー、儲かったわってのが先物取引です。


先物取引から実際の商品を売買してないので日経平均株価みたいな指数も取引することが可能になります。

大谷君の打率とかだって売買出来ちゃうよって話です。

一応FXも先物取引の1種になりますね。

儲かってんのか分からない眉唾のブログやトレーダーはこっちが多いですね。

ぶっちゃけた話をすると手法を〇〇万円で極秘に紹介しますとか、セミナーやりますとか集客がバチバチに上手くて、人もいっぱい集まる所はまず間違いなく儲かりません。


なぜか、そんなことしなくても儲かる手法持ってんなら自分で儲けたらよくね?

なんでそんなに人集めて何千人もセミナー受けました!みたいな広告出してんの?

ってまぁそうなる訳ですよ。

金融業界ってほんとに弱肉強食の世界です。

手軽に始められてNISAも始めたらお得だよみたいなキャッチーなフレーズで普通に金持ってる素人は食われます。

てかそもそも儲かってから初めて税金の話になるので、損失になったら本末転倒です。

仮に儲かったとしても私の正直な感想を言わせて貰えば運が良かったねってだけ。

実際、億り人だわぁとか声高に言う人のトレード手法なんかみたらまじでたまたまほんとに地合いが良かった感じです。

再現性はほぼ無いと思います。


表に出てこない専業トレーダー達の手法はシンプルだけどもっと泥臭くその人の個性が出ていてコツコツと利益を積み上げていきます。


たまにホームランが出るとかそんな感じ。

もはやトレードの職人ってやつです。

あんまり批判すると怒られそうなのでこの辺にしますがここからがオプションの話です。


現在のりんご価格は1000円、来月の1日には台風の影響で2000円になると予想していました。

しかし、今年は日照時間が長く元々は豊作の予想で台風が逸れたら価格は下落し500円になりそうです。

そこで考えられたのが「来月1000円でりんごを買える権利」を200円(プレミアムと言います)で買えばいいじゃんってのがオプション取引になります。


予想される結果が2パターンありました。

来月2000円になった場合と500円の場合の損益をみてみると

来月価格-(権利価格+プレミアム)=利益

2000-(1000+200)=800円の利益

台風がそれてりんごが500円になった場合

現在500円のりんごを1000円で買う意味は無いので権利を放棄し「1000円で買える権利」200円のみが損失になります。


オプションの仕組みの基礎中の基礎です。


そしてオプションは金融工学の概念ですが日常生活にも使われています。

よく例えられているのが保険と宝くじですね。

保険の場合火災保険などは3000万円の家を買ったけど燃えちまったら大変だ、、

そうだ、保険に入って一定額保険料として保険会社にプレミアムを支払い万が一3000万円の損失が出た場合でも保険会社が補償してくれる権利を買おう!!って仕組みです。


オプション取引は権利者と義務者が発生し条件を満たした場合、補償してもらう権利を買った人、その反対に一定額の保険料は毎月貰えるけど万が一3000万円の損失が出た場合必ず補償しなければならない義務が発生する人が生まれます。

伝わってますでしょうか?


宝くじの場合も同じで年末ジャンボって抽選イベントを開催するので1等6億円が当たるかもしれない権利を300円で買いませんか?って話です。

日常生活において私たちは基本的にオプションの買い手になることが多いです。

そしてそれは大概条件を満たせず権利を放棄することになります。

そうなると反対にオプションの売り手の人達は基本的に儲かります。

義務を負う代わりに通常時はチャリンチャリンと儲かるのが保険会社であり宝くじ会社などのオプションの売り手の人達ですね。


最終的に私がメインとしていたトレードスタイルが、日経平均株価を株価代わりにし当時は20000円代の日経平均を20500円で買える権利(プレミアム)を買うもしくは売ったり、19500円で売れる権利を買うもしくは売ると言うことを行っていました。

やっとある程度の説明が出来ました。


ただ、保険会社や宝くじ会社のようにオプション毎回売っておけば勝ち確じゃんってなってる人もいそうですので言いますが、保険会社は災害大国であるこの日本において何も考えずバカ高い補償を月1万円くらいの保険料でいいよって言うと思います?笑


保険会社はあらゆる災害や家屋倒壊、火災の発生件数などを過去のデータから緻密に統計を取り最大損失額をあらかじめ計算してるんです。


だからそれに見合った保険料を提示しますし結果として売れば売るほど儲かるのでめんどくさい営業を掛けてくるのです。笑

ですのでリスク管理もろくに知らない状態で簡単にオプショントレードに手を出したらほんとに死ねます。


ただ、リスクをコントロールしタイミングを図りトレードを行うとケースバイケースに柔軟に対応出来る非常に使い勝手の良い金融商品なのです。


相場の上げ下げで利益を取れる人は特にオプショントレードはする必要は無いでしょうが、私自身上げ下げで利益を取れる人ではないので大体のシナリオを当てれば利益を取れるオプショントレードは非常に魅力的でした。


もちろん、オプショントレードをすれば簡単と言うつもりもないし難しいですよ。笑

しかしオプション特有の動きがありますのでしっかりとパターンを掴めば対応はしやすくなると思っています。

話がだいぶ脱線してしまいましたが父の知り合いのオプショントレーダーとの出会いによって今までのトレードスタイルから大きく変化していくことになります。

しかしながらオプションの概念を理解するのに時間が掛かりました。


そして理解をした上でそれぞれのプレミアムの値動きを定点的に観察し慣れていく必要があります。

ありがたいことにメイン手法なども快く教えて貰いましたが相場の状況に合わせて柔軟に形を変えていくのがオプショントレードです。

本質的に理解していない状態で使用してもケースバイケースに対応出来ません。


ですのでかなりの時間をデモトレードに費やし何ヶ月も掛けてオプショントレードとは何か研究していきました。


この時はオプショントレードを知ってすげぇってなっているヒヨっ子トレーダーでした。


その後オプショントレードの世界で何年も生き残ってきた有名な方たちとの出会いによって、さらにオプショントレードの真髄を学ぶことになりますがそれは半年以上先の話になります。


2018年の夏頃私はオプショントレード自体は相変わらずデモトレードと小さい資金のみを使い儲けると言うより経験を積んでいました。


そんな時、日本円と海外通貨の金利差を取りに行く長期の外貨ロング戦略に興味が湧きます。


戦略の考え方としては、日本円で100万円を持っていても金利が付かないし金利が1〜2%あるドルやその他の外貨で保有することによって貯金替わりに積み立て金利分で資産を増やしていこうと言う考え方になります。


具体的な手法はと言うとスワップ金利の高いFX会社を比較し証券口座を開設し資金を入金し日本円より金利の高い通貨を買うだけです。

円売りドル買いみたいな感じですね。


後は1ロットポジションを持つとFXは証拠金取引ですので、レバレッジが25倍で掛かってます。

自分の取りたいリスクリターンに合わせて口座の資金量を調整して実質のレバレッジを調整します。


長期の金利取りを行う場合は外貨の価格下落によるドローダウンが致命傷になると投資もくそもないので大体レバレッジを2〜3倍くらいが一般的ですかね。


後は通貨のボラティリティによるんでその辺も加味しながら、ポジションをドルコスト平均法か、ある程度のテクニカル分析がいける人なら瞬間的な下落のリバウンドで仕込むのもありだと思います。


なんで今更オプショントレードまでやり始めてる人間がスワップ金利狙いの長期トレードなんかに興味が出るのか疑問に思うのではないかと思いますが理由があります。

2018年の夏頃とスワップ金利狙いと言ってピンと来た方は流石ですね。

理由はトルコリラショックと呼ばれるトルコの通貨リラの暴落がありました。

当時の暴落について書いた記事がありましたので抜粋しますね。

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「2018年8月、トルコの通貨リラ急落に端を発した『トルコショック』が起きました。トルコ在住の米国人牧師の拘束問題を契機に、米国との関係悪化が嫌気されたトルコリラは、わずか1日で一時20%近く下落しました。トルコリラの急落は、投資家の心理を委縮させ、リスク回避姿勢が強まったことから、新興国を中心に通貨や株価下落を招き、世界の金融市場を揺さぶりました。」

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だそうな、トルコは中東などのイスラム圏とヨーロッパの境目にあるそれぞれの文化が入り交じって独特な文化があります。


当時のトルコはエルドアン大統領が独裁色を強めていてアメリカと付き合いがありつつもロシアなどの共産圏の国々とも仲良くしていました。

その結果些細なきっかけから暴落が起こったようです。


ただ、私個人としてはその要因の他に私たち日本人投資家の影響があったと考えています。

当時トルコリラは金利が他の通貨と比べてもぶっちぎって高く証券会社は個人投資家に対してトルコリラの外貨貯金を大々的に推奨していました。


芸能人などを使って多くの広告を打ち個人投資家を誘っていました。

長期の金利取りを行う時のポイントとしては基本的にその国の経済状況、具体的には財政状況と国の産業ですね。


他にも見るべきポイントはたくさんありますがそもそも金利が高い通貨はその通貨の信用性が無くなってきている状態です。


パターンはいくつかありますが、今回の場合はトルコの起業家たちが「リラを持っていたら損するからドルで資金を持ってた方がよくね?」ってのが本質です。


キャピタルフライトが起こってきている状況ですのでトルコの中央銀行は慌てて政策金利を引き上げリラの価格の下落を抑えにいこうとします。

そのせめぎ合いが発展途上国の通貨の本質です。

基本的には通貨の下落を金利分でカバー出来るかどうかになります。


そんな状況の中、のんきな日本の個人投資家が金利が高いことだけを見て長期投資だと大量に乗っかり夏枯れ相場で取引量自体が減ったタイミングでヘッジファンドに売りを仕掛けられたのがトルコリラショックだと思っています。


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チャートを見ると年初から基本ずっとじりじりと下落していますね。

この下落幅だけでもなかなかですが22.5円あたりでちょこちょこ反発し揉み合いをしています。


そしてこのチャート

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個人投資家まじで死んじゃうって。(笑)

ロスカットが連鎖的に起こり強烈な下落が起こっています。

しかも最後のセリングクライマックスの時は数分間で数円下落しました。


まず間違いなく本気で死人が出ます。

トレードって何も考えずに手を出すとちゃんと食われますからね。結局金持ってるところが強いのです。


さて、当の私はというとこの下落を見てさすがに売られ過ぎと判断し金利+リバウンドを取りにいこうと考えました。


レバレッジを3倍に調整し金利は当時で24%なので多少の下落は相殺してくれます。


二段底を形成し切り上がってきた所で段階的に仕込み17.5円ほどでエントリー、2ヶ月ほどの保有20.5円で決済しましたので50万円ほどを得ることが出来ました。

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この一連のトレードは私にとって通貨とは何か政治や経済が与える影響、金利について深く知ることが出来たトレードになりました。


世界情勢を客観的に捉えてファンダメンタルズ分析をすることは、トレードスタイルが最終的にマクロであろうがミクロであろうが大きな流れを理解しておくと地合いの恩恵を受けますので知っておくに越したことはありません。


自分が何をしているのか分からない状態でのトレードはお金上げますと言ってるようなものですのでそれならやらない方がまだましです。


そんな感じでトルコリラ投資編は終了し本題のオプショントレードへの資金比率を高めていきます。

2018年はトランプラリーの終盤戦と仮想通貨ブームで非常に値動きが荒い年になっていた為かなり経験を積むことが出来ました。


仮想通貨なんかは素人が高値掴みをしコインチェックにコインをパクられ大騒ぎでしたね。


コインチェックがCMで出川哲朗さんを起用していたことから出川ショックと言われました。

2021年現在ビットコインは出川ショックの後35万円近くまで値を下げその後500万円ほどまで値を上げるという暴騰をみせました。


私自身は暗号通貨取引所の管理のずさんさと脆弱性においてチャンスはあるのでしょうが取引するに値しないと判断し手を出しませんでした。


今現在も仕手筋から狙われやすいようなコインや大富豪が口先介入出来てしまう市場にはやはり手を出せないと思ってますので今後も取引はしないでしょう。

ただ、ポートフォリオの中でほんとに一部分だけ資金を入れるのであればありですかね。

爆発力はありますから。


そんなこんなで市場はかなり大きなボラティリティを持って大きなダブルトップ、トリプルトップのような相場を形成していきます。


2019年に入ってからの私のトレードスタイルはというと教わったオプショントレードの手法のアレンジ、研究に注力していました。

私自身本業の仕事をしながらトレードを行います。


教わったトレード手法は1週間〜3週間の中でポジションを日経平均に合わせてある程度の組み換えを行っていく手法でした。

問題は仕事中に相場が動いた時にベストな利食い、損切り、ポジションの組み換えなどを行えない事がどうしてもネックになっていました。


その点をどうにか私の生活スタイルに合わせて精神衛生上良くしていく必要がありました。

利益が出てもキツかったら長くは続けられませんからね。


小さくポジションは取りつつ試したいアイデアがあればデモトレードで実際のプレミアムの変化を観察し損益がどうなるのか確認していきます。


先物取引やオプションにはSQと呼ばれる行使価格の確定日があるのでその週の後半は特にポジションの解消などでかなり値が暴れます。

現物取引だけの方はなかなかイメージが湧かないでしょうが現在の大手のファンドの基本手法はアービトラージです。


現物株は買って先物は売りリスク許容度に応じて比率を変え資金をヘッジします。

個人投資家がやるような裸一貫で放ったらかしみたいなことはしません。


特に3、6、9、12月の第2金曜日がメジャーSQになりますので海外勢も含めてポジション調整にみんな必死になります。

現物株だけの人もFXの人も頭に入れておいた方が良いでしょう。


なんなら1度先物の板を眺めるとどんな事が起こってるか体感出来ますよ。


さて、私がオプショントレードの研究をちまちま続けている中オプショントレードで暴落にも対応し生き残り続けている人達の存在を知ることになります。

※もちろんこの記事を執筆している2021年12月でも現役です。


正直な感想として独学には限界があったのだと思い知らされました。

彼らはスマイルキャッチャーと呼ばれるツールを使い、オプション特有のボラティリティの歪みをケースバイケースで様々な戦略を用いて淡々と取っていく手法で利益を積み重ねていました。


ポジションの取り方、シナリオの想定、利食い、撤退時の逃げ方、非常に秀逸です。

感動すら覚えました。

オプショントレードは基本的に売り買いする種類は4つしかありません。

買う権利(コール)を買うか売る

売る権利(プット)を買うか売る

基本はこれだけ。


後は買う権利の行使価格が現在の日経平均より遠いとプレミアムの価格は安くなっていきます。

現在29000円の日経平均株価だとして35000円で買える権利はどう考えても普通はそこまでいかないですよね?


しかも数週間で期限が来ますのでほとんど値段はついていません。

29500円で買える権利のプレミアムはそこそこな値段がついています。

29500円はなんかの拍子ですぐ上がる可能性がありますからプレミアムの価格も高くなります。

そんなプレミアムを売買していく中で重要なパラメータがあります。


デルタ、ガンマ、ベガ、セータ


この4つです。

正直ここから先はかなりマニアックな話ですのでこの辺にしておきますが、相場の状態、想定される何パターンかのシナリオを戦略に落とし込みパラメータを調整しつつ狙った利益を取りにいく。

そして、常に最悪のパターンには利益が減ってもいいからヘッジを入れておく。

これがオプショントレードの真髄だと思っています。


後はオプショントレードでも個人の得意不得意、好みの部分があるのでお好きにどうぞみたいな感じですね。

深く戦術を学びたい方がいましたら教えますが私も忙しいので3ヶ月くらい教えて3〜5人くらいまでですね。


後、有料ですし稼げるかどうかはあなた次第です。あくまで私の経験と蓄積した技術を一通り教えるだけです。

必ず稼げる方法なんかありません。


本質は相場に合わせて柔軟に適切な手法をタイミング良く仕掛けコツコツと積み上げていくしかないです。

それか一発逆転勝ち逃げパターンかのどっちかですね。

まぁ、気になる人がいらっしゃいましたらご連絡下さい。


どうでもいい宣伝は置いておいて、彼らからさらに高いレベルでのリスク管理と手法を学び損益自体も安定してくるようになりました。

自分の好き好みが手法の中であるので利益を安定して出せる買いベースの戦略を鉄板取引として良く使っていましたね。


2019年は色々ともがいて自分のトレードスタイルを確立していった年になりました。

2020年になりコロナショックが起こる中彼らとオフ会でお酒を飲む機会にも恵まれました。

非常に有意義で幸せな時間でした。


彼らはある種の職人であり、好きなものをとことん追求するオタクのような人達でした。


一言一言が新鮮で話しながらもメモに書き留めていた事を覚えています。

しかし非常に素晴らしい出会いがあったその数か月後私はトレードを一旦辞め転売と物販をメインに取り組んでいくことになります。


結果的に人との繋がりを重視し基本の戦略は安く買って高く売るアービトラージ戦略を現物の商品でやる方が私にとっては簡単で安定的でした。


元々人と関わることも好きだった為、単純な転売から徐々に卸業者やメーカーとの取引を行うようになりました。

そして2021年12月現在、私は投資家、コレクター向けの鑑定済の金貨、銀貨の輸入販売を軸にブランドの商品開発やビジネスコンサルティング、執筆活動も行っています。


色んな人達との出会いがありここまで来ることが出来ました。

多分これから先もずっと人と関わっていくのでしょう。

私はトレードを辞めて良かったと思っています。


多分今でもスキルの蓄積はあるので多少の利益は出せるとは思います。

しかし人と関わり感謝されながらお金を稼ぐことが私にとっては1番重要でそれが現状の答えでした。


答えは人それぞれあると思いますのでじっくり答えを出せば良いでしょう。

さて、長い長い私の過去話にお付き合い下さりありがとうございました。


ここまで読んで下さるとはだいぶ変わり者ですね。笑

トレードの事について聞きたいという方はコメントからでもご連絡下さい。


定員になり次第打ち切らせて頂きますのでご了承下さい。

オプショントレードに関しては説明が面倒くさいので個別のコンサルティングでお答えします。

取り扱い間違えると致命傷になるのがオプショントレードですので無責任なことは出来ませんので。笑

逆に私の取り組んでいる投資家向けの金貨や銀貨が気になる方もご相談下さい。

メリット、デメリット含めてお話致しますし無理に売るつもりもないです。


他のコイン業者と比べてここまで利益を出す為のトレードに精通したコイン業者はまずいません。

資産保全や投資、コレクションに上手く私を活用下さいませ。

それではあなたの投資家人生がより良いものになることを祈っております。


関わる機会がありましたらよろしくお願い致します。

ありがとうございました。

元トレーダー 

現コインディーラー

原田



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