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2/23「未来の学校のルールメイキング」ワークショップ 開催レポート

今ある校則って、本当に必要なの? 未来の学校でも、今と変わらない校則があるのかな?未来の学校に必要なルールを考える「未来の学校のルールメイキング」ワークショップが、2020年2月23日にNPO法人カタリバで行われました。参加者は、全国各地から集まった高校生・学校の先生・保護者たち合計30名。開催レポートをお届けします!

「子どもの主体性に影響するのは校則なのでは?」


まずはカタリバ代表・今村久美よりこんな話がありました。

「カタリバは19年間、放課後の居場所づくりやカリキュラムづくりををやってきた。そうして活動する中で『実は子どもの主体性の発露に影響しているのは校則なんじゃないか?』と思うような場面に、何度も出会いました。ただ校則は学校の中のことなので、これまでなかなか踏み込めなかった。でも実は先生達や保護者の中にも『この校則ヘンだな』と思ってる人がいることを知りました。一緒に取り組んでくれる学校も見つかり、今年ようやく動き始めました」
「これからモデル校のみなさんと一緒に取り組んで、学校のみなさんが校則を変えていく過程に伴走していきます。そのプロジェクトを始めていく前に『校則ってみんなにとって何なの?』をもう少し明らかにしたいなと思って、今日のワークショップを開催しました。みんなのリアリティや生の声を聞いて、校則をより良くしていくにはどういう態度で挑んでいけばいいのかを考えていきたいと思います」


そして今日のファシリテーターは、荻上チキさん。評論家であり、STOPいじめナビの代表でもあります。2018年には『ブラック校則 理不尽な苦しみの現実』という著書を出され、ブラック校則改善に取り組んでいます。

まずは参加者の校則を洗い出し、たくさんポストイットに書き込んでいきます。その次は、「校則があることによるポジティブな側面」「校則があることによるネガティブな側面」をそれぞれの校則について考えていきます。

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校則があることによるポジティブな側面、ネガティブな側面

ポストイットを整理した後、どんな意見が出たかをグループごとに発表してもらいました。出た声を少し紹介します。

「校則があってポジティブな側面が多いんじゃないか、となったのはスマホ。1人1台持たざるを得ない社会だけど、使わないことで勉強に集中しやすいんじゃないかという意見が多かった。挨拶や礼儀の指導、遅刻した際の反省文も、社会のマナーを身につけるという点でポジティブかなと思います」
「校則があってネガティブだよね〜と話が盛り上がったのが身だしなみ。肩についたら三つ編みとか、日焼け止めで顔が白いのはダメとか、よくわからない。社会人になったら化粧しなきゃいけないわけだし、化粧して可愛くなったら朝の気分もよくなるのにね」
「校則で、男はズボン・女はスカートってあるけど、そもそも性別はふたつじゃない。ジェンダーレス社会なんだから考え直していった方が良いと思う」

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みんなから出た話を聞いて、参加者の1人からはこんな意見も出ました。

「校則はなぜあるのか? 公には『子どもを守るため』となっているけど、実際はそうじゃないと思う。子どもをどう失敗から立ち直らせるかが大事なはずなのに、子どもを失敗から予防しちゃってる。茶髪にして不良にからまれたら、どう謝るかなど学べるはずですよね」


日本の校則は、ここ30年で厳しくなっている

チキさんはみんなの意見を受けて、校則に対するレクチャーをしてくださいました。内容の一部をご紹介します。

「日本の校則は、ここ30年でどんどん厳しくなっています。そもそも校則とは何なのか。異なる人同士が一緒に過ごすには、ルールが必要になります。同時に、人には自由と権利があります。さまざまな自由がありますが、ある自由が他人の自由を規制する場合、法律でルールをつくります。『表現は自由だけど、他人を脅かす内容はNGだよ』というのがその例です」
「法律をつくる際は多くの人が議論するけれど、校則は議論されずに偉い人が一方的に定めることが多いです。①相当の合理制。②当事者の合意と納得。③規制する側の透明性。この3つが校則に大事じゃないかと考えています。8割以上の学校は、入学前に校則を子どもや保護者に知らせていない。なのに入ってから『嫌なら辞めろ』と言われるのはおかしいですよね。校則はオープンにしていくことが重要だと思います」
「今の校則で問題なのは、論理的根拠がないこと。「スカート丈を長くすれば痴漢を防げる」と指導されるかもしれませんが、制服の方が私服に比べて2倍の痴漢のリスクがあることが調査でわかっています。また校則は「隠れたカリキュラム」として”長いものには巻かれろ””お上が決めたことに従え”というメッセージを伝えてしまう場合もあります」

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荻上さんからの大量のインプットに耳を傾ける、参加者のみなさん。最後にこんな風に話し、チキさんのレクチャーは締めくくられました。

今あるルールを見つめ直し、新しくつくりなおすことは、主権者として敏感な人を育てることにつながります

「ルールメイキング」の運動を広げるのに大事なこと

ワークショップの最後は、ルールメイキングの運動のために大事なことを参加者全員で考え、いろいろな意見が出ました。

「小学校まではともかく、中学・高校になると子どもの教育の全責任が学校にあるかのようになっている。生徒のマナーが悪いと学校に電話がかかってきたりもする。指導などに時間をとられ、校則が教員をより多忙にしている部分があるのではないか。学校と家庭での責任の分散をしていくことが大切かもしれない」
「意見をズバズバ言える子だけのルールになるのは避けて、あまり自分からルールを言えないような子達の意見もどうとりいれるか? 生徒も保護者も先生も、みんな遠慮しているのだと思う。生徒からすると、意見を言っても聞いてくれないんじゃないかと思ってしまう。そういう相談ができる機関があると良いな」
「自分の学校の先輩は、『こういうのをやりたいです』って言っただけじゃなくて、先生がハンコを押せばOKというところまで完成度を高めて、学校に購買をつくっていた。先生や大人ばかりをあてにしちゃいけないし、何かを変えたいんなら生徒もきちんと企画して完成度を高めないといけない」
「北海道では昔も校則を見直す運動があって、校則が5つのみになったりした時期もあるんです。でもその揺り戻しで、校則がよりどんどん増えてしまった。今はインターネットがあるので、よその学校や社会がどうなってるのかっていうのがもっと可視化されるようになって、ワイワイ話せればいいのかなと思います」

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最後は、チキさんからこんな風に一言。

「僕は、学校は民主主義のレッスンの場だと思っている。当事者たちが話し合うことが大事だよねってこの場で合意できたと思います。それをどう実践していくかですね」

ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

みなさんから出た意見などを踏まえて、こんなことを大切にしながらルールメイキングをすすめていけたらと考えています。

『ルールメイキングで大切にしたい5つのこと』
1:学校だけを悪者にしない。どうしたら変えられるか一緒に考えよう。
2:違って当然。一人ひとりの意見を大切にしよう。
3:意見の裏側にある想いに耳を澄まそう。
4:簡単に多数決にはしない。納得いくまで話し合おう。
5:先生も生徒も保護者も対等。一部の人だけではなく、みんなで決めよう。

「みんなのルールメイキング」では、これからも各学校でのワークショップや公開イベントなどを通して、みなさんと考える場をつくっていきたいと思います。続報をお楽しみに!