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ひとり旅の孤独

ひとり旅が好きで、というとあまり盛り上がらない。
映画が好きで、とか、ゴルフが好きで、だと仲間が見つかって話に花が咲き、やれ今度一緒に行きますかとか、グッズ買いに行きますかの話になる可能性がある。ひとり旅には、それがない。

ひとり旅が好きな人はたくさんいる。そういう人はひとり旅が何でいいのかを知っていて、仲間が不要なことも知っているから、良かった土地の話を控えめにする人が多いように思う。
ひとり旅がてんでダメ、というかしたことがない人もいて、そういう人にはどれだけひとり旅が楽しいかを説明しても無駄だし、こちら側が若干引かれたりもするのでなかなか話を続けるのが難しい。

普段の生活でもひとりなのに、なぜ加えて旅までするのだろう、とは思う。もちろん自由気ままに色んな物を見たい、体験したいという気持ちも大いにあるのだけど、一番大きいのは非日常の世界で自分と向き合いたいってことだろうなと今は結論付けている。

ひとり旅をしているときは、常に自分との対話が発生している。圧倒的な外部刺激を受けているにも関わらず、意識は内向きだ。なぜここにいるのだろう、なぜこう考えたのだろう、楽しいのはなぜ、苦しいのはなぜ、なぜ、なぜ、なぜ、、、、

絶え間無い「なぜ」を自分の中で生み出し、それに少しでも答えようとしながら歩く。
これから体験することが、何かのヒントになるのではないか。外部刺激は問いでもあり、ヒントにもなる。

なかなか精神的な負荷が高く孤独な作業だが、これを好んでやっている、というのは少々変わっているのかもしれない。

実際的な面でのひとり旅のメリットは、あらゆることを自分一人だけで引き受けることができる、というものだ。楽しみにせよ、トラブルにせよ。周りに気を遣う人間なので(自分で言いますけど)例えばトラブルがあった時に一緒にいる人がどう思っているのかが気になって仕方ない。どうやってリカバーすればいいか?そのリカバーの方法は相手の気持ちを損ねるものではないか?

もっと言えば一人だとトラブルも楽しめるのに、複数人だと起こしてはならないもの・潰さなければいけないものになる。これは、しんどい。
誰といても自分のことを最優先にすればいいじゃないかと思うのだけど、性分なのでしょう。仕方ありません。

というわけで今のところ、旅の仲間はいらない。


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