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シロカニぺ ランラン ピシュカン

雨が降ったりやんだりしている日です。
先日、アラスカにいるというワタリガラスのことを知りたくなって、岩波文庫のシベリアの民話の本を買いました。
合わせてアイヌの神謡集と民譚集と中国民話集を。

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『シベリア民話集』はソビエト時代の発行(1988年)で「ロシア革命」ではなく、ただ単に「革命」と書いてあるのが、今まで感じたことのない気持ちを連れて来て驚いています。こんな気持ちのことを「郷愁」というのでしょうか。
自分が生きていた時代が、今確実に「前時代」になっているのを実感するって、こんな感じなんだと。。

そしてカムチャトカ半島のコリャークという先住民に伝わる話では、ヴェルヴィムティルィンという(立派そうな)名前のワタリガラスが太陽を呑みこんでしまって、吹雪が吹き荒れて止みませんでした。

また、『アイヌ神謡集』の最初にこんな謡がありました。梟の神さまが歌う歌です。

銀の滴降る降るまわりに
金の滴降る降るまわりに

そして一緒にアイヌ語がローマ字で書かれています。

 Shirokanipe ranran pishikan,
  Konkanipe ranran pishkan

シロカニぺ ランラン ピシュカン
コンカニぺ ランラン ピシュカン

おそらく語順は一緒みたいなので、銀が「シロ」、金が「コン」、降る降るは「ランラン」でしょう。

日本語で古くに銀はシロガネといいますし、金はコンとも読むことがあります。そして「あめあめふれふれ」の『あめふり』の歌では、ちゃぷちゃぷランランラン。と歌いますので、日本語とアイヌ語はこんな近さ加減なんだと感じて、嬉しくなりました。


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