青藍スフィア 【#短編小説】(& 100日連続投稿)
『青藍スフィア』
2020年、夏、真っ盛り。
ギラギラと照りつける太陽が肌を焼いていくのがわかる。
マスクの端の方もじっとりと湿ってきていた。
正直言って外してしまいたい気持ちはある。
けれどきっとそれをしてしまうと、目も当てられないような状況が
いつもの夏ならば――。
今頃はグラウンドを走り回る部員たちを眺めながら、仕事に作業に準備にと、何かと忙しかったはずだ。
たまに飛んでくる他の部活の声やボールにも気を付けながら、あいつらのことを目で追い続けてい