運命の本を携えて、そこらじゅうでダンスを踊ろう。
9月下旬のその日、下北沢にはどしゃぶりの雨が降った。
うるんだ目をした若者たちが何人もびしょびしょに濡れながら慌てて駅の構内に駆け込んでくるのを見て、にぎやかでカラフルだな、と嬉しくなった。
学生時代、毎日のように通っていた下北沢だけれど、15年ぶりに訪れた私は完全に浦島太郎状態。毎日のように通っていたのは南口のマクドナルドでアルバイトをしていたからで、それを選んだのは、この街のカラフルな空気が一番感じられそうな場所だったから。モノクロームな私の世界に少しでもこの街のカラフ