凹凸のある顔肌
駅のホームで電車を待ちながら、目の前にかかる広告を眺めます。特に山手線
ホーム広告の中で、1番見入ってしまうのが、何故か人の顔がどん!と写ったものなのです。
一般人でも、タレントでも、男性でも女性でも
そしてできるだけ、近寄ってみたくなります。
でも目の前は線路だからめいいっぱい目を開けます。
自分の顔よりも何十倍も大きいその顔の、毛穴のその中を、よりぐっと見つめます。
いくら綺麗な人にだって毛穴はあります。それはしってます。
つまり、小さな凹凸が沢山あります。
そして、その中心に汚れだったり、そばかすみたいな小さなシミがよくあります。
自分の顔を鏡で見る時、どうしてもずーーっと奥に汚れが見えます。
広告の中の顔には、小さな凹凸がたっくさんあります。
それが分かった時、少し安心します。ツルッツルの肌だったら、きっと、アンドロイドみたいで気持ち悪いでしょう。
きめ細かい肌、という表現があるように、キメ がきちんとあり、○○さんだなあ、と感じることができ、ほっとします。
さっき、ホームを歩いていたら、そんな大きな顔の広告が触れる壁に貼ってありました。
それにもちゃんと、キメ がありました。
じーっとじっと見つめていると、変な気持ちになってきました。
毛穴の穴 がない
近づきすぎると、キメが急に人工物みたいに見えて、ままごとのミカンのように、凹凸が形式的に見えてきて、一気に怖くなってきました。
廊下に貼る顔広告には、きっと毛穴まで必要なんです。