ベッドに座る向き

最近、文章を頼まれて書く仕事がひと段落して、
文を読まず書かずが続いていたら、なんとなく文章が書きたくなった。

あと、こんな状況下だから、ポツポツ思うこともあって、
いちいちツイッターとかに書いてると、
影響を受けている自分に嫌気がさすので思ったように吐き出せない。

同時に、どうでもいいこともしばしば書きたくなるけれど、
今そんなこと書くのは浮かれすぎ?とか思ってりして、
やっぱり気がすすまない。

内容がいっぺんにみんなと並んでしまうSNSは、
見る人によってコンテクストの編集が様々で、
いかようにも汲み取れてしまう。
自分の思いと同じくらい、見る人の思いが強くて、
ある意味開かれているけど、だからっていい事ばかりではない。

いやーそんな暗いことを話したいんじゃなくて、
私は今とっても気持ちの良い場所にいる。
昨日まではなかった場所。家の中なのに。

と言っても、今いるのは、ベッドの上。
ベッドは、昨日どころか、去年に引っ越した時から同じ位置にある。

昨日までなかったその場所とは、眺めのことかもしれない。

今週は衣替えをしていたのだけれど、
どうしても押入れが湿気くさくて仕方がない。
いっそのこと扉を取っ払ってしまえ、と外し、
ついでに、ベランダの前にあったハンガーラックを
ずずず、と縦にずらしてみた。

引っ越したばかりは、ここしか置けない、と思って
位置を決めたハンガーラックだったのに、
まさか、その隙間に入るなんて、というような
狭いデッドスペースにはまってしまった。

そしたら、部屋の一面全部を覆う開口部が
どかーんと全部見えるようになった。
その開口部はベランダに接していて、
ベランダは公園の植栽に接している。

それを今こうやって、前と変わらないベットの上から
昨日できた眺めを楽しんでいる。
これは、昨日まではなかった場所だ。
昨日までは、向かなかった方向を向いて座っている。

模様替え、これは部屋の醍醐味だ。
実家の自室は6畳ほどで、
ぎゅうぎゅうにデスクと本棚、クローゼット、ベッドが置かれてあった。

それを2年にいっぺんはズルズルと引きずりながら模様替えをしていた。
ベッドが90度回転できた時はとても嬉しかったのを覚えている。

大学生になり、谷中で賃貸アパートに5年住んでいた。
その時は毎年のように模様替えをして、
ご飯を食べるとこと作業をするとこを分けたり、一緒にしたり、
学年ごとの必要に合わせて過ごしていた。

なぜか毎回、「なんでこれを思いつかなかったんや」
と思い、その度ごとに達成感を得ている。
のに、毎年不満が出て来て、いつの間にか模様替えをしている。
毎回正解を探しているはずなのに、
時間が経つと、正解が変わってしまう。

これは毎回不思議だ。

どうしてそんなことがあり得るのだろうと思うけど、
そういうものだと思うしかない、と最近は思っている。

正解が変わってしまうことにうんざりするのではなくて、
模様替えをするたびに、
その部屋に対する情報は増えている、より理解している、
という前に進んでいるように捉えてみよう。

いつになっても新鮮だし、新しいから価値がある、
という考えが重要ではなくなってくる。

めっちゃ当たり前だけど、今朝はそれを実感してつい書いてしまったな。

気持ちい〜〜〜