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半麦ハット「から」

予定だと2日後、(あ、明後日か)半麦ハット竣工から1年が経つ。
そのおめでと〜〜〜って時に、ある本を発表します。

販売について

建築「半麦ハット」を目撃した14人の寄稿を束ねたものに「半麦ハットから」と名付けた本です。
このnoteに、建物を現場管理している最中に書いていたような日誌のように
製作過程をアップするつもりが、いつの間にかローンチ2日前になってしまいました。。と言っても、これから校正入稿製本、、、という段階があるのでそれを報告できたら、と思っています。

一旦まとめとして、
9月5日 「半麦ハットから」予約販売開始(BASEにて)
10月初旬 配送開始・店舗販売開始
です!

どうぞ気に留めておいていただきたく。

経緯

さて、今回は「はじめに」的な感じで経緯を。
この本は、編集者の出原日向子さんとの共作として販売するのですが、きっかけは昨年の春だったか、藝大の青木淳さんのレクチャーの懇親会でした。
当時フリーで編集の仕事をしていた出原さんが「なんかZINE作りたいんですけど、どうですか?」みたいな感じで話していて、私は絶賛半麦ハット現場進行中で、どうやってまとめたり発表するかを考え始めていた頃だったので、「半麦ハットどうですか〜」とすぐさま作ることになったという感じでした。

それから、一度私の事務所で、お互いのイメージとか構成をシェアして、イメージを共有するところから始めました。
・寄稿スタイル(テキストやイラストなど媒体は限らない)
・硬くない
みたいなざっくりとしたことからスタートしたのでした。

寄稿スタイルについて

寄稿スタイルというのは、私の唯一の希望だったのですが、その理由は色々あります。

一番は、半麦ハットが何か分からない、という戸惑い。この建築に対して、私は常に「分からないようにしたい」という思いで向かい合って来て、なんのスタイルでもないような、見たことないような、でも派手じゃないもの、馴染みのあるものにしたい、ととっても回りくどい気持ちで付き合って来ました。おかげで竣工しても、はっきりとした感想が自分の中で浮かばずもやもやとしていました。
なので、見に来てくれた人が、これに対してどんな感覚を抱くのか、検証してみたいという気持ちがありました。それを通して、自分でもこの建築がどういうものだろうか、と発見したいというような贅沢な欲求です。

二つ目は、私が街の風景を通して建築をつくったように、この建築の向こうがわには何が見えるのだろう、と知りたかったからです。私の中で、何かものを生み出すことは、それで終わりではなくて、そこからまた新しい思考がスタートして、別の何かが生まれるみたいサイクルみたいなものをイメージしています。
まあそういう構造を、建築を見に来てくれた人に対しても当てはめてみよう、というか、「あなたのそれからも覗き見させてください」みたいな気持ちでオファーしました。

「半麦ハットから」というタイトルにしたのも、この本は建築「半麦ハット」ではなく、新しい別の本であることを表明したいという思いがあります。

本のデザイン

今回の本は、デザイナーのtanukiさんにお願いしました。
グラフィックデザインを中心に、立体的な紙物のデザインや雑誌などのデザインをされている方です。とても洗練された上品さと、細部に見える無骨さの同居に興味をもち、声をかけました。

初回の打ち合わせで、造本の提案があったのですが、そこで出原さんと私はグッと心を掴まれてしまいました。。(詳しくはお楽しみ)設計者である私の建築に向けた意図を丁寧に汲んでくださり、建築の様々な決定に対する価値観も「これはOKだけど、これはダメ」とか「流通品を使ってはいるけどオープンエンドなデザインではない」とか、ニュアンスの話をたくさんできたように思います。先日新宿の珈琲西武で打ち合わせをした際、モックアップを見せてもらいましたが、本としてかなり強度のあるものができる予感がビシバシあります。

それにしても、表紙に並んだ「半麦ハット・板坂 留五」って。。。冷静に考えると誰もみたことのない言葉、いや言葉ですらなく謎の文字の羅列やな。。。と思ったりして。。
むしろ、私たちが内容がわからなくても、この本の造りかっこいい!と思って買ってしまうように、建築を知らない人、海外の人など私のことを知らない人にまで届く本のかたちを目指しています。

つづく

なんか製作日記というのは難しいです。伝えなくては、と思うと肩肘張っちゃうなあ。
明日は、書影をtanukiさんと撮影します。事務所に照明がないので、外で撮ろうという話なのですが、どうかゲリラ豪雨が降りませんように。。。

今後、予約販売を開始した後も、寄稿者についてや、これからのイベントなどについてアップしていこうと思います。トピックの要望も聞かせてください〜