ランスオフ会振り返り〜憲法記念日に鬼畜王を崇める者共〜
令和五年五月三日、憲法記念日。
日本国憲法の施行された日である。
この日、猿と蛮族が現行憲法のここがダメだあれがダメだと議論をしたり、はたまた帝国大学卒のインテリが改憲論者に法的措置を検討したりする、そんな日のはずである。はずである。そんなことは梅雨知らず、大半の人々は休日を謳歌していた。
十七時、東京都中央区の繁華街からすこし離れた路地にて、見るからに怪しく胡散臭い団体が集合した。
団体の人数は20人弱に及んだ。大半が男性だが、一部女性もいた。
これだけの人数を集めて、彼らはいったい何をやらかそうというのだろうか...
回りくどい文を書くのに飽きたので簡潔に概要を書きます。
ランスというゲームがある。平成元年から平成三十年までアダルトゲームメーカーのアリスソフトが展開したシリーズだ。
主人公のランス様が世界中の美女とまぐわう為だけに、町内のちょっとした事件から大国間の戦争まで顔を突っ込んでは問題を解決したり新たに問題を起こしたりするドタバタファンタジー(R-18)である。
内容が内容だけに、表立ってこの作品が好きだと主張することはできない。しかし、一度その世界観に惚れてしまうと、その魅力を他者にも教えたくなってしまう。教えたがりは人間の性なのである。
この!二律背反!!あぁ主よ!!!なぜ世界をこんなにも不完全に作られたのですか!!!!
なーんて恨み節を連ねていたのが前世紀までの話。現代はネットがあるのでエロゲみたいなニッチでエッチなジャンルでもある程度のゾーニングをすれば布教活動及び同好の士によるコミュニティの形成が可能になったのである。そんなこんなで出来上がったランスコミュニティでの、所謂オフ会が五月三日に開催されたのです。
十七時、オフ会の参加者が揃い町中華っぽい店に入る。席に着き、料理が卓上に並ぶのを待たずに、各々が抑圧された感情を吐き出した。
「サテラが好きなんですよ〜」
わかる~。最終作で一気に好きになりました。
「クルックーは俺のママなんですけど〜」
ぼくnoteのアイコンになってるのがクルックーです。ぼくが描きました。ぼくのママでもあるんですよ〜(笑)
「どの作品から入りましたか?」
ぼくは鬼畜王→6とやってから、セールで03、5D、戦国、クエスト、9、10をまとめ買い、今02をやっています。
「ぼくはアベルトが推しって言い続けてます」
こいつはぼくですね。
会話に蕾が付いて来た頃に油ぎった料理とビールが運ばれてくる。こうなると蕾は花開き、声量は上がり、より舌が早く回るように...過熱したオフ会は遂に危険な領域へと突入する。
「ランスとビヨンホウが酒を飲み交わすシーンで・・・」
ビヨンホウって誰だっけ...あぁ自由都市の町長の一人だ。ランスシリーズは登場キャラが膨大な上、一作しか出てこないキャラも多々いるので名前と顔がすぐに出てこないこともある。
「マハが革命軍から脱退するのって正規軍のどの部隊と戦ったあとでしたっけ・・・」
4軍の後くらい...じゃなかったかな...?
しかし、みんな博学だなぁ。感心しちゃった。ぼくも負けてられないよ。
もう一度シリーズ一周しようか?でも後期作品(5~10)だけでも100時間くらいかかるからなぁ。
ぼくの左隣に座っていた方はランス様について語り合う同志と会うのは初めてだと言っていた。まぁ、行動力のある人が「この日のこの時間にこの場所でランス総統閣下を称える会を開くから来てね」とでも言わない限り、こんな機会はないだろうね。
で、話は「如何にしてランス様の顔と名を広めるか」に移行。
やはり王道の「キャラから」案。シリーズの一番の人気キャラは当然ランス様なのだが、エロゲなのでかわいいキャラはいっぱいいる。ランス様には及ばないけれど魅力的な男キャラもね、いますよ。それらの魅力で釣る作戦。
次「めんどくさいゲーマー」案。『最近のゲームってのは、演出ばっかり凝ってて肝心のゲーム性ってのがなってないよねぇ。それと比べるとランスシリーズは適度な面倒臭さ、それを乗り越えた時のカタルシス、これが出来てる骨太の作品が多い。きみも一介のゲーマーならば是非やってみたまへ』みたいな。これは廃案。
まぁ、シリーズが完結してからも新規プレイヤーが少なからず増えている(ぼくもだよ)のは感じているので、特に策は弄せずともランス様という英雄の名は尾ひれをつけつつも広まっていくことでしょう。
あっというまに時間は過ぎ、集団は店から追い出された。時刻は二十時。
普段語り合える機会がない分、3時間だけではまだまだ物足りない様子だ。集団の中からは自然と二次会を所望する声が上がった。
二次会会場の定番と言えば、そうカラオケだ。
異様な雰囲気を放つその集団がカラオケボックスに押し寄せる。大所帯なので大部屋に案内された。歌うのにノリ気な者は早速マイクを取り歌い始める。
2013年くらいまでにリリースされたアリスソフトの歌モノは大体カラオケで歌える。そのなかにはThe Engaged Fortuneー原曲はぱすてるチャイムのBGMでそれに詩をつけたものなのだがーも含まれている。
ぼくは歌手の橋本みゆきが大好きで、小学6年生の時にその歌声を聞いて以来大ファンなのだ。その橋本みゆきが歌っているのもあって、このThe Engaged Fortuneはアリスの歌モノのなかでも特に好きな曲なのである。
内向的な性格のぼくだが、アルコールの力を借りてマイクを取ることにした。この曲Shade作曲だし、どうせみんな知ってるでしょポチー
The Engaged Fortune
ぼく「ワンツースリーフォールキフォミーワンツースリーフォーロキニュオハッ!タイトビーキザンダダンスオノナステージゲンカイムリヤリトッパギミッ!」
ぼく2「ゲマイラためらわない~フィーマハーこわがらずにふみだそう~高鳴る胸はトノンストよず~うと~」
がんばった、よくやったよ。
総括!
楽しかったです!これ以上の言葉は蛇足でしょう。
上司に土下座をして(してない)休日をもぎ取ってきたかいがありました。
主催者様、及び会の最中常時挙動不審だったぼくに構ってくださった好事家の皆様に感謝申し上げます。
蛇足
読了多謝(完)
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