【済ます】-2023年12月24日夜の日記
▼12月24日──。
夕方にのそのそと起き出した私はひとまず今日の計画を立てることにした。
最終的に木屋町で酒を呑んで帰ることは確定。それまで何をしようか。
身支度もそこそこに家を出た私は、いわゆる「カップル」が沢山流れ着いていそうな場所を目指した。
今宵は俗に言う「クリスマスイブ」である。
京都駅。
言わずと知れた京都タワーのお膝元。
その京都タワーも赤と緑の輝きを纏うのが今日である。
星なんて1つも見えぬ明るい空の中、埋もれぬようアピールには事欠かないらしい。自らがクリスマスの象徴であるかのように振る舞っている。
きっと京都エリア担当のサンタクロースが不慮の事故で死亡するとここでリスポーンするのであろう。
▼そして大方の予想通りなかなかの人混みである。
芋を洗う様とはこのことだ。否、こんなところに独りで来ている私のような人間が最も芋に近い。
とりあえず上階へ向かうとする。クリスマスの京都駅は大階段でイルミネーションが行われているはずだ。
途中で振り返って気がついたが、上から見てみるとそこまで人が多いわけではなかった。
何事も渦中に居る人間の視点より、メタ視点の方が客観的であるとはこのことなのだろう。
▼京都駅の大階段。最上部の展望エリアへ続く文字通りデカくて長い階段である。クリスマスはここにツリーの設置と階段の発光が行われるのである。
フフ……相変わらずカップルばかりだ……な?
ん? なんか……違うな。やけにコスプレイヤーが多くないか?
なんだなんだ。いつの間にこんなイベント会場と化したのか。
ひとまず……無駄に1番上まで登ってみるとしよう。
うーん。展望エリアでもコスプレイヤーの方々がめちゃくちゃ居て写真撮影してるぞ。
「右も左もカップルだらけだぜ、やれやれ」とか言おうと思ってたのにまさか上と下にはコスプレイヤーと。誰が予想できるか。
写真を撮る。
……なんだか、ここ数年の間に同じことを何度もやっていた気がして虚しくなった。ここからの写真も何度か撮った気すらする。馬鹿の一つ覚えめ。
▼さて、人混みを眺めることでクリスマスは摂取できた。ついでにイオンで買い物して移動しよう。
イオンで一組のカップルと同じエレベーターに乗った際に気づいたが、本当に苦痛なのはカップルを見ることではなくカップルの会話を至近距離で耳に入れられてしまうことのようだ。知見。
▼木屋町へやってきた後は酒を呑んで帰るだけである。さっさと流そう。
「そういえば今日やらなかったらもう今年中はやらないだろうな」と思い立ってやってみた河原呑み納め。
今年もよく呑んだな……。思い返せば河原呑み始めてから2年くらいもう経っている気がする。
ちなみに今日は寒すぎて体験としては最悪だった。
▼今年における私の変化として、「店で酒呑む頻度が増えた」というものがある。
さっき言った通り河原呑みばっかりしていた私だが、秋頃から普通に寒くて店で飲むようになった。行きつけの店ができる。新たな店を開拓する……。そういったことをするようになった。
少しはまともな酒飲みに近づいたのではなかろうか。
酒飲みにまともなんてものはないという意見は一旦スルーだ。
▼終電で帰宅して、その後はよく覚えていないがいつのまにか寝た。
そんな1日。そんな12月24日。そんなクリスマスイブ。
別にいつも通りの休日として家でゴロゴロ過ごしてもいい筈なのに、なんだか空気を味わっておいた方がいい気がして外出することにした。
やはり1年に一度という希少性に押されてしまったのだろうか。そんな事を言い出したら365日いつだって1年に一度だが。
そんなわけで義務的にイベント空気を味わい済ますクリスマスだった。
読者諸兄はいかなクリスマスイブを過ごしたか知らないが、これだけは言っておこう。
冬の河原で酒を呑むのは普通に風邪ひきかけるからやめておけ。
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