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「ツバイク ウォール街を行く」季節性指標-一年を通した相場予測案内

(タイトル画像は「みんなのフォトギャラリー」より写真を使わせていただきました。いつも 美しい作品をありがとうございます)


マーティン・ツバイク「ツバイク ウォール街を行く」2004年2版 パンローリング社


実践的、テク的なことが書かれている一冊ですが、はっきり言って米国株屋向きの部分がほとんどです。ですが、日本市場いうのはどうにも米国市場にものすごく影響を受けてしまう市場です。9章の「季節性指標」の項目などは参考になります。
シーズンアノマリーについてはジェフリー・A・ハーシュの「アノマリー投資」という良書もありますが、そちらは2013年が初版。ツバイクは2001年初版。

主なカレンダーとして、例えば
米国市場が休場となる大きな祝日は7回。
・イースター(復活祭。春分の日以降最初の満月の次の日曜)
・メモリアル・デイ(戦没者追悼記念日。5月の最終月曜日)
・独立記念日(7/4)
・レーバー・デイ(9月の第一月曜日)
・感謝祭(11月の第四木曜日)
・クリスマス
・ニューイヤー

これら祝日前の最後の取引日に市場は上昇するという傾向。特に最も強気な傾向はレーバー・デイとニューイヤー。また、感謝祭とクリスマスはその翌日も強いというバイアスがある。

ダウ平均の傾向としても、99年間の月平均上昇率57%に対し、12月は71.7%、1月は65.6%と強い傾向が見て取れる。逆に弱いのは9月の40.4%。S&P平均変化率も12月が+1.44%、1月が+1.62%、対して9月は-0.2%。

次に選挙サイクル。大統領選前年と当年は70%以上の確率で強含んで、選挙終了でパフォーマンスが悪化。(この選挙前に株価が上がるという傾向はどの国にもみられる気が。)

そして12月初めの数週間の節税対策のための下げ。これ安値を付けつつある年に有効で、強い年はあまり作用しない。

あと、ツバイクなりの推奨銘柄数(分散方法)は、投下金額5000ドルまで(日本円65万円程度)なら個別銘柄でなくてファンド、10万ドル(1,300万円程度)なら12銘柄、25万ドル(3,000万円程度)なら20銘柄程度。ツバイク・フォーカストでは25銘柄で4%ずつ~33銘柄3%ずつだそうで。

私、他人様が何銘柄でどんな傾斜つけてるのかってとても興味深く見てるんですよね、性格とか投資スタンスがわかるのがこれな気がする。「リスク分散は利益も分散させるから、自信のない人間のやることだ」というのも「未来はわからないのだからできる限り謙虚に分散するのがいい」というのも、どちらも面白い。(いまのとこ、自分は傾斜つけて分散してます。長期スタンスで分散しつつ、そのときの環境に強そうな子たちに大きく持たせて壁外に進撃させる感じです。)

カレンダー投資、シーズンアノマリーもあくまで確率での話ではありますが、現にイースターはそれほど顕著でもなかったですが、波の傾向を知ることで無駄な動揺をしないようにしていきたいと思う所存です。



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