旭川市の2020年12月の超過死亡

本日、旭川市の人口動態のページを確認したところ、12月分が更新されていたので、超過死亡を調べました。

※ 1月6日時点で旭川市より公表されているデータをまとめたものです。

まず、一年間の死亡数月間推移を2013年から2020年と、2013年-2019年の平均について次のグラフにプロットしています。

図1

赤の太い実線が2020年で、黒の点線が2013年-2019年の平均です。また旭川市は人口が年々減少しているにも関わらず死亡数は増加していて、高齢化が進んでいるとものと考えられます。そのため、比較のために直近の2019年のデータも紺色の太い実線で強調されています。

見てわかるように12月の死亡数は過去のデータを大幅に上回っています。12月の死亡数は483人で、これまで一番多かった2018年でも362人なので、これを30%程度上回っています。

例年1月が多いのはインフルエンザの影響で、12月の死亡数はインフルエンザ並の死亡数になっていることがわかります。月間の比較をするときは各月の日数に注意する必要がありますが、どちらも31日なので、直接の比較が出来ます。
また、数字はインフルエンザ並ですが、対策を行いインフルエンザの発症が抑えられているに関わらず、インフルエンザ並の死亡数が出ているのです。つまり、これはCovid-19がインフルエンザよりも強力なウィルスであるということを示唆しています。

1月以外で過去一番死亡数が多かったのは2019年の5月(31日間)ですが、420人でこれも上回っています。

12月中の旭川市発表の死亡日別のコロナ療養中の死亡数をまとめると54名なので、その倍近くの超過死亡が発生していることがわかります。これがすべて直接的にCovid-19が原因であるかどうかは感染研の分析を待つ必要がありますが、関連している可能性は高いと考えられます。
また、Covid-19療養中の死亡数は12月1日〜12月8の期間に34名と集中しています。このあたりまではさらに厳しい状況であったことが、伺えます。

旭川市は北海道の人口約33万人の都市です。この規模の都市としては日本最北にあります。
旭川市で感染の拡大が始まった(吉田病院での院内クラスターが観測された)11月上旬は首都圏の都市の1月と比べても特段に気温が低くはありません。そして、連鎖の起こった11月下旬に向かって気温が下がっています。
https://weather.goo.ne.jp/past/407/20201100/

感染拡大が気温変化による換気の質の変化に関連しているとすれば、日本の多くの都市はこれからが正念場と言えそうです。

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