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9/28 DAY#14 キャプテンズラン@味スタ

今日のスケジュール
08:00 朝食 ボディースクリーニング
09:45 ホテル出発
10:30 キャプテンズラン
13:00 ランチ
16:00 スナック
17:45 BK/FWミーティング
18:00 ディナー
21:00 スナック

今日はいよいよキャプテンズラン!
早いようで長い、これまでのスケジュール。
多分夜のお付き合いがそう感じさせてるんでしょうけど…

ウェールズは試合日程には恵まれてて、試合間隔は予選プールでは最終ウルグアイ戦の中3日以外は全て5日あいていた。
これは非常に大きなアドバンテージ。
ご存知の方も多いと思いますが、2015年大会のジャパンは予選突破を掛けたスコットランド戦を、中3日のスケジュールで戦い負けてしまいました。
因みに大会日程はホストカントリー、ティア1チーム、前回大会結果で決まると言われています。
私も高校生時代に花園で中1日を5試合決勝まで戦った事がありますが、最後は体ボロボロです(笑)
RWCではテストマッチで中3日!コレは地獄ですね…
その為各チームは選手層を厚くし、誰が代わりに入っても同じ戦術を同じパフォーマンスでこなせる様にトレーニングしています。
下記のJRFUコーチネットに掲載されている、
「RWC2019S&C データから見た日本代表」に、ジャパンと南アのスターティングメンバーにおける総出場時間比較があり、ジャパンの選手達は南アの選手達に比べると、予選プール全戦で約1試合分多くゲームをこなしていた。と紹介されています。
それだけ南アが選手交代を巧く行い、各選手の負担を減らしていたと言う事になります。
チーム全員で戦い、優勝をモノにしたのでしょう!
*約20分の動画で他にも興味深い内容ばかりです。お時間ある方は是非ご覧下さい。

いつものモーニングルーティン。
ランドリーピックアップして、
朝食摂りながらリエゾンミーティング、
そしてアランを探して何か無いかお伺い!
(このお伺いが意外と大事w)
アランと話してるとスタジアムまでの移動時間についてやたら聞いてくる。

ア「スタジアムまではどれくらいかかるんだ?」
ラ「ナビ通りだと50分位です」
ア「ナビ?お前らは機械を信じてるのか?」
ラ「…地元じゃ無いので頼りにしてます…」
ア「何の為のリエゾンなんだ!じゃロボットの方がもっと何でも知ってるだろう!」
ラ「はぁまあそうです…」
ア「もっと頭を使え!○○委員会と同じじゃないか」
ラ「???」
ア「これを見ろ!」

ア「RWCホスト国が出してきたオフィシャルインフォだぞ!?どう思う?」
ラ「僕たちも同じの持ってます…」
ア「これでどうやって予定を建てるんだ?」
ラ「僕たちも全く同じ事思ってます(笑)」
ア「いいか?今日遅れたらお前らはクビや。○○委員会より出来る事を証明しろ」
ラ「はい…」

ウェールズ人がなのか、アランや特定の人だけなのか、彼らは物凄く時間にうるさい。
というよりイラチ?遅れるのが嫌?ジッとしてられない?のか移動時間に関してはかなりシビアだ。
この前チームでディナーアウトで焼肉食べ放題に行った時も、事前にGoogleで調べた時間は13分。
なのでシューちゃんが15分と伝えていた。
ただ夕方だったので渋滞で少しは遅れが発生するとも伝えていたが、
10分を過ぎたあたりからアランがしきりにあと何分だ?と聞いてくる。
貧乏ゆすりエンジン全開... 明らかにイライラしてる。
結局掛かった時間は20分と少し…
この瞬間からシューちゃんの名前は「Mr. 20mins」に変更www
3日間ぐらいそう呼ばれてた。

またプールマネージャーのナツさんから聞いてた話は
以前日本に下見に来た時、首都高で渋滞に巻き込まれて全く動かなくなった時に車から降りて歩き出したらしいw
と、言うくらい止まるのが嫌。
今回のバスでの移動でもバスが転回(切り返し)した時に大激怒。
それ以来バスのルートは全て確認し、転回する場面がありそうな時は変更してもらうようにしていた。

しかし困った。
確かに45~130分はやりすぎ。そらこれ見たらアランも怒るわ。
て事で、ここはプロに聞くのが一番。
バスの運転手さんとホテルにいたタクシー運転手さんに聞いてみた。
土曜日の10時前ならそこまで混んでいないはず!
恐らく50~60分というのがプロのご意見。
これを目安にとりあえず行くしかない!

前回同様、JRとキャプテンズランの用意をする。
相変わらずの効率の悪さ!!!
前回選手に渡した衣類をまた全く同じ物が行きわたる様に仕訳けていくだけ。
なのに前回誰にどれを渡したか書いた紙がないと言い出す。
番号が振ってある衣装ケースを全て開けてひっくり返していく...
JRは酷く古風なおっさんなので紙とペンしか扱えない。
ジャージに入れる刺繍もすべて紙に手書き。
これもまた業者さん泣かせなのだ、刺繍する機械はデータでしか受け付けない...
まぁこんなことだろうと思い、前回シューちゃんとアレックがJRの指示に従い服を仕訳けていった後で、僕は全てをPCに入力しリスト化していた。
それをJRに伝えPCを見せようとすると、プリントアウトして来いと言うw
本当に面倒くさいおじさんである。

前回よりかはすんなり準備もできてようやく東京スタジアムに向け出発!
首都高に乗るまでは車が多く少し時間がかかったが、高速に乗ってからは目立った渋滞もなく順調に進んでいた。
しかし永福あたりを過ぎてから急にスピードダウン、恐れていた渋滞である。
こればっかりはどうしようもない。
DHLトラックでバスの後ろを走ってた僕にシューちゃんから着信が

シ「コウジュ、今どこら辺走ってる?」
ラ「バスのちょっと後ろくらい、かろうじて見えるくらいかな」
シ「ちょっとヤバそうやね...」
ラ「うん、明らかに車増えてきた」
シ「あ、前完全に止まりそう」
ラ「マジ?アランは?」
シ「今はまだ大丈夫そう」
ラ「完全に止まったらヤバイな...」
シ「うん...あ、ちょっと待って」
 何やらシューちゃんとバスの運転手さんが話している
シ「今バスの運転手さんが他のバスの運転手と連絡とりあってくれてる」
ラ「お、ナイス」
シ「趣味でアマチュア無線やってる人が非番らしい」
ラ「それ完璧なやつやん」
シ「この先ずっと混んでるみたいでこのまま正規ルート行くと完全に遅れるって」
ラ「あかんやん...」
シ「運転手さんが高井戸で降りてバイパスで行くって、そっちのほうが多分早いし信号以外は止まらへんって」
ラ「よし、それで行こう!!」

運転手さんの超ファインプレーでなんとオンタイムでスタジアム入りすることが出来た!
これで遅れてたらマジで殺されてたかもしれんと思うと運転手さんに頭が上がらない。
IDを提示しスタジアムの中へ入る。
スタジアムでは明日の準備に色んな人が行きかっている。
そのためかスタジアムに入ると中はスタンドを囲むように道路は時計回りに一方通行になっていた。
入ってすぐ20mくらいに入り口があるのにほぼ一周させられる...
これにアランはアホ過ぎるとキレていた。これには完全同意。
しかもバス以外のチーム車両の停車場所が更に後方にあるため、入り口で荷下ろしした後、さらにほぼ一周させられる...
なんかなーもう少し考えたらいいのになー。

道具を下ろし、トラックを停めたら明日の下見。
メディカルルームやメディアルーム、大会関係者事務所に選手席の位置確認。
図面では見てるけど実際に現場で見ておかないと合っているかもわからない。

一通り見終わったところでキッカー練習にお付き合い。
何気にこの練習もしんどい。結構ピッチを行ったり来たりさせられるのだ。
入念にキックの確認をするキッカー3人。
ダン・ビガーはいつも通りな感じでほとんどのコンバージョンは決めていく。
リー・ハーフペニーは明日はベンチ外、黙々と自分のペースで蹴り込む。
気になったのはリース・パッチェル。
何となくいつもより成功率が悪い…と思ってたら本人も調子が悪いのかイラついている。
それにいち早く気付くのはスキルコーチのニール・ジェンキンス。
さり気なくパッチの元に歩み寄り、時折何か声をかける。
それでも調子は上向かず、蹴った後に何か「クソっ、」とか言っている…少し気になった。
明日はどんな激闘になるんだろう... このPK一つで天国か地獄かも知れない。

そんなこんなでキャプテンズランを終え、ホテルへの帰路へ。
そしたら帰りも大渋滞w アランはイライラマックス。
でも帰りだったからまだ良かった。これだから都会は嫌なんだと言ってるくらいだった。

ホテルについてからはランチを食べ、すぐに試合ジャージを御徒町までJRと取りに行く。
約束の時間になってもJRは降りてこない。いつもの事。
20分遅れで出発しマツヤさんにてジャージの受け取り。
社長さんと女将さんとおばあちゃんのお出迎え、缶ジュースと冷えたお茶を差し入れてくれる。ありがたい。
そして納品の確認。
仕上がったジャージをJRが背番号と刺繍個所の確認をしながら読み上げ
それを僕がリストと合っているかを確認していく。

ウェールズチームの仕様は特殊、刺繍個所は3か所。
■左袖にウェールズ語で対戦国と日付。
■左胸のエンブレム下に4桁の数字、これは各選手の代表番号。
 *代表歴が長い選手は番号が若くなる。
■右裾には下記の様に英語で入れる
 名前、対戦国、日付、その試合でのCAP数
 *リザーブ選手のジャージにはCAP数は入れない

*この試合はキャプテンのアラン・ウィン・ジョーンズが
 ウェールズ単独首位CAPを獲得した記念の為、糸が金色!!

これがまさかの事態を引き起こすなんて、この時は気づいていなかった...

マツヤの人達にセミファイナルで東京に戻って来て、また刺繍してもらう約束をしてお別れ。
さて戻ったら自分の荷物とチーム荷物やリエゾン用品の整理とパッキング。
そう明日の試合後、また荷物の積み込みがあるのだ...憂鬱。
スナックはほんの少しつまむ程度で抑えて夕食にちゃんと食べる様にする。

チームの倉庫を整理していると何やらチームルームが騒がしい。
SNS担当者のバズが倉庫にやって来て、今ジャパンがアイルランドと試合してるぞ!片付けは後にして一緒に見よう。と呼びに来てくれた。
実はRWC期間中、僕はまともに他のチームの試合を見た事がない。
全部ハイライト。開幕戦だけマネージメントとパブで観たくらい。
RWC始まる前までは、なんやかんやで観るだろうと思ってたがマジで時間がない。

この試合は後半からだけどみんなと見れた。
実はここだけの話、ウェールズはジャパンをめちゃくちゃ応援してた。
5年前まではどんな選手がいるのかも全く知らなかったと言ってた。
でも今大会は本当に素晴らしいゲームをすると思う、ホスト国だし期待してる。と皆が口をそろえて言っていた。​


*これは終了間際77分頃の様子

さてジャパンがアイルランドから歴史的な勝利を挙げた後は
キャプテンズランの夜恒例、マネージメントとディナーアウト。
今回はアランの知人の行きつけの高級焼き肉屋に行くらしい。
何やら依然知り合った人でその人の息子さんが案内するみたい。
まあ僕たちは奢ってもらえるので当然ご一緒する、べろべろになるまで飲む事になるけど今日は何と言ってもお店がよさそうな感じだ。

バスを出し銀座方面へ。帰りは皆流れ解散。
お店に入ると何故か10人程のスナックやクラブ風のおねえちゃんが!
私服ではあったが滲み出る雰囲気と香水や化粧品の匂いは誤魔化せない!
なんなんだ、この焼き肉屋は...
とりあえず席に着く。店の人でもないおねえちゃんが何飲まれますか?と聞いてくる。

ラ「なあ、アレック、シューちゃん。ここ何かおかしいやろ?」
シ「うん、この人ら明らかにプロや」
ア「なんかあの人が前北九州に来てた人の息子さんで今日の主催者らしいで」
ラ「あれ?あのワインハウス持ってる人?」
ア「そうそう、例のワインハウスの」
シ「なるほど、何か納得やわ」

話しながらアランの方を伺うとおねえちゃんに酒を注がれ超笑顔w
これは放っておいても大丈夫!という事で食事を楽しむ。
高級なだけあって良い肉ばっかでナイス!

暫くすると入り口が何やら騒がしい。
入り口のほうを見ると...


何と!稀勢の里関!!
しかも明日は大銀杏を落とす、断髪式なはず!!
どうやらあの人が手配したらしい... 物凄いコネやな...
とにかくついこの前までの横綱の登場、みんな大盛り上がり。
写真を撮るのはもちろん、腕相撲を挑んだり。
チームメンバーから相撲部屋に見学に行きたいと言われ
僕のコネで探したんだけど、この時はちょうど秋場所が終わった直後で
どこも練習をやってなかって結局叶わず終いだった。

横綱の登場もあり酒は進み、息子さんもどんどん良い酒を開けていく...
僕らもだいぶ出来上がってしまった。
そろそろここはお開き。でも何人かはおねえちゃんに言われるままタクシーに乗ってしまうw
それはいかん、なんせ会話が殆ど成り立っていない。ボラれても知らんぞ。
タクシーを止め、おねえちゃんに事情を話すがこっちのメンバーも飲みたいと言ってるw
じゃホテルのバーで飲めば?と提案しその案で落ち着きみんなでホテルへ。
2階にあるバーで飲み始めたけど僕もフラフラ。
帰ろうとした所でマネージメントメンバーに止められる...勘弁してw

R「ヤーマン、どこ行くんだ!?」
ラ「いや、もう無理。帰って寝るよ」
R「じゃ通訳はどうするんだ?」
ラ「今までも全部通訳してないでしょw」
R「まあそうだな...」
ラ「なんかあったら電話して」
R「わかった、最後にひとつだけ」
ラ「なに?」
R「アランの部屋番号教えて、ここのお代全部部屋に付けるから」

予算はまとめてアランが管理だもんねw
なるほどこの手があったか。
これでまた解決手法が増えたwww

続く

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