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クイズにおけるレーティングシステム導入の夢とそこに至るまでの課題の整理

はじめに

早押しクイズは楽しい。でも地蔵は辛い。早押しクイズを楽しむためにレーティングが必要だと、以前から感じていました。早押しクイズにおけるレーティング制度の導入について、簡単に検討し整理してみたいと思います。
なお、私はクイズの最前線から少し離れていますので、今は違うんだよということがあれば教えてください。

レーティングとは

「強さを表す数字。でかいほど強い」第一義的にはこれでいいんじゃないでしょうか。でかいと強い。調べるとMasseyだのEloだのGlickoだのいろいろ出てきますが、やはり本質は「でかいほど強い」だと思います。

みんはやにも、簡単なシステムですがレーティングがあります。スプラトゥーンなどで触れたことのある人もいるでしょう。ゲームの世界ではとてもメジャーな存在になっています。

レーティングがあると何がいいの?

プレイヤーの強さに応じて参加制限をかけることができます。例えば大会参加要件をレーティング1500以下と設定すれば、強い人が参加できなくなり、フルオープンでは活躍できない人が活躍を見せてくれるでしょう。
逆に2000以上限定のように強い人に限定することによって、有力者の白熱した戦いをじっくり見ることができるでしょう。こうした大会が開催されれば、あの大会に参加したいから頑張ってレーティングを上げよう!というモチベーションも生まれるかもしれません。

ちなみに、これまでにもレギュレーションが設定された大会はありました。例えば「クイズ歴○年以下の人」とか「オープン大会でペーパー抜けたことない人」とかあったかな。でもクイズ歴と強さは必ずしも比例しませんし、ペーパー抜けも枠の数や他のプレイヤーの強さに左右される指標です。
レーティングは、対戦結果と対戦相手の強さに応じて変化するところがポイントです。同じ順位でも、強い人ばかりの時と弱い人ばかりの時では価値が違うのです。その価値の違いを反映できる方法が、レーティングにはあります。

導入の難しさ

いい話ばかりではないのが現実です。クイズのレーティングには難しさもあります。

一つ目の課題は、頻度です。レーティングは安定するために一定回数の試合をこなさないといけません。クイズ大会の頻度は、このレーティングの安定という点において若干足りないと思います。
例えばみんはやでは、シーズンが変わるごとにレーティングがリセットされます。レーティングが安定するまでは実力にそぐわない相手との対戦が続きます。みんはやなら1日で何度も何度もプレイできますが、これがクイズ大会だったらどうでしょう。レーティングが安定するのに1年、2年かかってしまうかもしれません。

二つ目の課題は、納得感です。クイズ大会は、大会によってルールも問題傾向もまちまちです。特に問題傾向は、その変化によって勝者も変わる繊細な問題です。そうしたさまざまなクイズ大会を十把一絡げにしてレーティングを算出していいのか?という意見があるでしょう。私の答えは「問題ないだろう」です。多く勝てる人が強いのであって、特殊な傾向でのみ勝てたとしてもそれは強いとは言えないと思うからです。
しかし、不安や疑念を抱く人はいると思います。その疑念はやがてレーティングの不信感につながります。どうしたらこの不信感を払拭できるか。これが課題です。

三つ目の課題は下位層のモチベーションの低下です。上位層はレーティングの上昇がモチベーションになるかもしれません。しかし上位層がいれば、下位層がいるのです。こうしたプレイヤーは、上がらない/下がり続けるレーティングを前にして逆にモチベーションを下げてしまうかもしれません。これを防ぐためには、レーティングアルゴリズムを上手に設計する必要があります。
また別の角度としては、レーティング算出のために蓄積したデータを用いて何か上達のヒントになる情報を提供するといった方法があるかもしれません。

まとめ

クイズにおけるレーティング導入の夢。いかがでしたでしょうか。自分自身クイズのための勉強に興味がなく、またクイズを観戦するよりもやっぱりプレーしたいというタイプだったので、同レベルの人とやれたらなぁと思ったことがこの検討の発端にあります。
もし、3つの課題を解決する鍵をお持ちの方がいれば、ぜひ連絡をください。お待ちしています。

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