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はしゃいだ帰り道

久し振りに散歩にでた

誰も居ない

町の王者の気分だ

走り回ってやろうじゃないかっ

雨が降ってきた

パラパラしてしっとり濡れる

雪に変わった

ベットリ濡れる

足が冷たいから壁に登った

どんどん上に行ってみた

降りれなくなった・・・

長い間、ずっと「おーーい!おーい!誰かー!」と叫んでみた

前の家の物干し台の扉が開いて、若い男の子が出てきた

助けてくれる感じがする

部屋に戻って行った

「おーい!オーーい・・・」

戻ってくると手に何か持っている男の子

物干し竿の先にダンボールの箱を付けている

それを、グイーーっとわたしの前まで伸ばしてくれた

でも、でもね、その時点で男の子の筋力は限界に見える

顔も真っ赤じゃん

どうみても限界に見える

プルプルしている

ここに?

ここに乗れと?

一本の棒にダンボールの箱が付いているこの箱に?

入れと?

これ乗ったら、くるっとまわってわたし落ちるよね?

それよりも耐えられるのあなた?

恐る恐る、足を出してダンボールに触れてみる

グラ〜っと揺れるし傾く段ボール

「ふぐあああぁ!」

と男の子が叫ぶ

いや、無理でしょあなた

触っただけよいま、予想以上にダメでしょ

あなた高校生?

部活は?

帰宅部だったらやめてねその挑戦

先端ダンボール物干し竿が引っ込んだ

諦めたのか若者よ・・・

しばらくすると、わたしの後ろの扉が開く

この建物の人が気付いてくれたみたいだ

良かったー もう寒くて寒くて 死んじゃうかと思ったよ

あれ?

「すいません!本当にありがとうございます!」

そう言ってわたしを抱えてその建物を後にする男の子

ありがとう男の子

迎えに来てくれたのね


るどるふ



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