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'23北海道釣行③

Day.4

前日は楽しすぎたのが、泣く泣く酒の量をセーブした。
この日の釣りがだめになったら元も子もないからである。意識しないと飲みすぎるのがわかっていたのでね(楽しい男といればそうなる)。

ビジホの朝ごはんは全部手作りで、とても素晴らしかった。
これで4,000円/泊はすごい。ごはんにはウニと花咲ガニまでのっていた。


昔北海道に通っていたころに思い入れのあった川へ向かう。上流域はクマが怖いのと、日曜で先行者がいるだろうことから、
下流域へ入った。水は相変わらず綺麗で、素晴らしい川だ。


平瀬の何にもないところは無視して、それっぽいところだけを拾っていくことにした。
屈曲部のプール(河原はまっすぐ)を打つことになるが、ポツポツとマメが釣れる。何を食っているかは分からないが、たまにライズもしている。
気持ちいいし、楽しい。

上下に全く人がいない。どこまでも抜ける視程でありながら、土手以外の人工物らしいものが視界からなくなる(護岸さえ)こともあり、
これが北海道だよなぁとしみじみする。

右岸側に水中に岩盤が切り立っているポイントがあった。岩盤のトップはフラットになって、崖が丸ごと水没していて、崖の際を通したらいかにも釣れそうだというポイント。 

一投目で予想通り反応があった。35ぐらいかなー。無茶苦茶に引く。そこから2.5~3mぐらいはあるようなので、下流に走るわ下に突っ込むわで大騒ぎ。


その後もそのポイントだけで5、6尾は尺がらみのが釣れて大変楽しかった。フライはずっと同じやつ。昔に比べると大分丈夫に巻けるようになったもんだ。

目当てにしていたポイント(水中にブロックが大規模に敷設してある)に着いたけれど、反応がなかった。人間の思惑と結果は必ずしも合致しないものだ。
上流側のプールに何人かの人影が見えた。ガイドフィッシング?もうちょうどいいし、川を変えようかな。

川が見える土手でセコマのおにぎりを食べてから、この旅用に持ってきた葉巻をやりながら車まで帰った。


次の川は清流で有名な川にしようと、川にまで下りたのだが、渇水のせいもあってか、水がなにかどんよりとしている。

清流で有名な割に何か懸濁もあるらしく、泡もひどい。これだとドライはちょっと目立たないよなーとか自分に言い訳したけれど、多分初日の川に行きたくなっているなという自覚もあったので、それに従う。

初日の区間はストレートでドライだとやりにくいなと思われたので、それよりも多少川が曲がっている区間を狙った。
入渓点は太い道路からも離れていて申し分ない。入ってすぐ、擁壁の際の深みにバブルラインが出ていた。草むらも多少かかっている。

雰囲気はむんむんだが、さすがに入渓点直下ってのはどうなのよ?

と思いながら一応フライは通す。ちょっと目を逸らして(また!?)戻すとズバッと吸い込むようなバイト。絶対デカい!

はいきたはいきたはいきた!ぜったいぜったいぜったい逃がさないよオラオラオラオラオラ!
あっあっあっでも下流に堰堤がある?あるよね?あの感じあるよね?やばいやばいやばい!!!

とかなんとか思いながらも、一昨日の失敗を生かしつつ、絶対に跳ねさせない、綱引きしないというキメで、
寝せたロッドでプレッシャーをかけつつこちら岸へ寄せる。最初は対岸のブッシュに突っ込もうとしていたような気もするが、もう細かいことは覚えていない。

こちら岸はこちら岸でブッシュというか枝が気になる。
絡まれたら厄介だなと思いつつ、自分が上流側に入って引きずっていく。鱒は弱っているというよりも、期を伺っているようにも見える。

幾度か突っ込むのをいなしてを繰り返し、徐々ににこちらに寄せてきた気もするのだが、ネットを入れるのはまだ緊張するなという程度。

大鱒釣りはランディング場所に困る。デカいのが出るときに限ってちょうどいい場所がない。今思えば、もう少し下流に流してしまえばよかったのがだが、この時はそうは考えなかった。

しばらく溜めたあと、もう大丈夫そうかと思い、流心方向に魚を出して、自分が岸と魚との間に入る。

……ネットを取り出す。突っ込み時にリーダーとフライラインの結節がガイドに引っ掛かりそうなのが気になり、
少しラインを送る。竿を立てたり寝せたり、魚の様子を伺いつつ......

もういくしかないと思ったので、ネットを刺そうというところでヤツは下に突っ込んだ!

そう!そしてまたもブレイク!

流石に気絶しそうになったというか、何もかも投げ出したくなった。もう少し過激な男だったら竿を折っていたかもしれない。そのぐらいがっかりした。

もう、今回の旅でこんなチャンスあるわけないのだから。