ぱちん、と振られた手のひらはまぬけな音を出して、福富の尻に着地する。 「や、嫌だ、金城! ほんき、なのか……」 次は、もう少しまともな音を、ばしん! 嫌だ、ダメだ、と一回言うごとに、一回叩くから。それが今日のお約束。 こんなふうに、お互いの部屋でからだを重ねる関係になったと言うのに、福富はいつも嫌だ、ダメだ、やめてくれ、そうくりかえす。もちろんオレにはわかっている、福富のいやよいやよも好きのうち。しかし、それだってあんまりに言い募られるとこちらがひどいことをしているような