見出し画像

アクセサリー



誰かがいないと生きていけないなんて
誰かを想うだけで涙を流すなんて

そんな恋愛を二度としないと思っていた。

誰かに愛してるを告げて
いつかいなくなって
わたしが壊れてしまうなら

もう、そんな恋愛はしないと誓っていた。

それなのに、制御が効かない。

分かっている。
自分の気持ちなんて
自分でどうこうできるものではなくて
惹かれてしまったら止められないこと。

わかっていたのに。


好きな人と過ごす時期が長くなりもう3年近く。

今振り返ると、
出会った頃はこんなにも彼に夢中になるなんて
思っていなかった。

ふと、思い返してみて
連絡ツールのやり取りを見返してみたら
出会ってすぐからお互いに互いを欲し合っていて
こんなにもハマっていたのかと思うと驚いた。

しかも、
出会った頃よりどんどんあなたを好きになる。

誰かを出会った頃よりどんどん好きになって
想いが大きくなるなんて初めてで少し戸惑う。

だって、付き合いが長くなるにつれて
嫌な部分が見えてくるはずでしょう?

きっと、お互いに思うところはあると思う。

けど、それを乗り越えるくらいの
好きや大切な想いがあるから
うまく行っているのかな。とも、思う。

嫌な部分なんてきっとどうでもいいと思うくらい
そんなもの吹っ飛んでしまうくらい
大切なんだと思う。

好きで好きでたまらなくて
苦しくて狂おしいほど愛している。


それでも、わたしはいつだって不安定。

あなたがいなくなってしまったら
あなたに嫌われてしまったら
あなたが他の女性といたら
他の人を好きになってしまったら…

くだらないやきもちを妬いて
そんな不安にいつだって駆られてしまう。

その度にあなたに助けを求める。

あなたは
大好きだよ。
ずっと一緒だよ。
わたしだけだよ。
離れないよ。
そばにいるよ。

たくさんの愛情をくれる。

それでも安心はなかなかできない。

たくさんの愛の言葉をもらっても
あなたを信じられない。
とか、そういうものではなくて、

ただただ、自分でもわからない恐怖があるだけ。

こんな、弱いわたし
いつも、ぐずぐずしてしまうわたし
愛想を尽かされてしまう。

しっかりしなきゃと思うのに
あなたのことが関係するだけで
不安で不安でたまらなくなるの。

ふと、聞いたことがある。

もう何年もこんな状態で
嫌にならないの?
何かあるなら言って欲しい。

そう、告げると

わたしのわがままは
わたしのアクセサリーみたいなものだよ。

そんな風に受け止めてくれた。

わたしの弱さを、わがままを
ありのままに受け止めてくれて
それごと愛してくれる。

なんて幸せなことなんだろう。

涙が出るくらい幸せで
このまま溶けて蕩けて
あなたの腕の中で死んでしまいたいと思った。

あなたは、死んじゃダメだよ。
と言う。

かつて、唯一愛した彼は
わたしがあなたと一緒に
消えて無くなってしまいたい。
と言った時、

このままふたりだけの世界にいこう。

そう言って、一緒に死んでくれようとした。

幸せのまま、この先を望もうとはしなかった。

あなたは違う。

死んじゃダメ。

そう言って、
おじいちゃんおばあちゃんになるまで
ずっと一緒に楽しく過ごすことを
約束してくれた。

そんな未来を
わたしなんかが望んでいいのかと、
そんな想いをくれる人は初めてで
涙が止まらなかった。

ずっと一緒を望んでいいのかな…

いつか、紙切れ一枚で結ばれて
一緒になれるかな。

そんな未来を願ってしまう。


好みが似ていて
お揃いの靴やお洋服がたくさん増えていく。

デートをするときはおそろいの格好をして
いい年して外でキャッキャふざけてしまう。

キスをして笑って拗ねて仲直りして
そんな日々を繰り返す。

お揃いのものもいいけど、
やっぱり指輪が欲しい。
と、あなたに初めて言った。

あなたは一緒に買おう。
今度見に行こう。

そうすぐに返事をしてくれた。

他の人の指輪がわたしの左薬指に嵌まる前に
あなたの指輪を嵌めたいと思った。

ふたりの繋がりがこうして増えていく。

そしてこのまま、幸せで愛しいふたりの時間を
大切にしたい。

一分一秒を大切にしたい。 

きっと、わたしはまた不安定を繰り返して
あなたにそれをぶつけて
あなたはそれを受け止めて
そうやって、あなたに守られながら
生きていくんだと思う。

そうやって日々を繰り返して
本当にいつか
ふたり結ばれる日が来ることを願う。

それがいつになるかはわからない。

本当にしわしわのおじいちゃんおばあちゃんに
なってからかもしれない。

でも、それでもいいの。

あなたのおかげで少しだけ前向きになれたから、
そんな未来がくることを祈って生きていくの。


いつか…きっと。ね?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?