平家物語 琵琶弾き語りという宝
割引あり
私は近年、古い日本の書物に触れる機会を多く持っています。というよりも新しい本に触れる機会よりも、昔の本に触れることが多い状態です。1980年頃のものから、戦前の本や絵葉書、雑誌、中には江戸時代の本などもあります。
そうしていると、特に絵葉書に源平合戦を扱ったものが多くあります。私の知識がないせいもあり、調べてみて初めて源平合戦に関係する人物や場所であることがわかってくるのです。おそらく昔の日本人は、芝居や落語、琵琶法師、歌舞伎などを通じて平家物語の世界に広く親しんでいたのでしょう。
私自身、古い本に触れるようになって初めて知った、日本という国のすばらしさがいくつもあります。布をいっさい無駄にしない日本の着物。年月を経ても経年によるやけで読めなくなったりしない和紙でできた本。多種多様な内容を持つ和本。庶民を中心とする文化の豊かさ。
そんなわけで、改めて琵琶法師による平家物語を聞いてみたいと思いました。
(筑前琵琶)
(薩摩琵琶/途中まで)
(薩摩琵琶)
三者三様に楽しませていただきました。
川村旭芳さんの琵琶の美しさ、岩佐鶴丈さんの琵琶は、平家の魂が隣で聞いているかのように感じました。西原鶴真さんの琵琶は、ついに平家が破れるそのときの無念さや物悲しさを感じることができました。
いずれも、どこまで従来の手法が引き継がれているのか私にはわかりませんが、琵琶という1本の楽器を使うだけでここまで人の心を揺さぶることができるのだと教えていただきました。
勝ち組/負け組などという言葉ができ、どこまでも正義が勝つのだというような考え方が広められてしまっている今こそ、こうした日本の伝統文化と触れたいものですね。
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