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ブッシュマン・コイサンマン・グウィ/カラハリ砂漠の狩猟採集者

割引あり

私がカラハリ砂漠の狩猟採集者について興味を持ったのは、NHKの番組『人間は何を食べてきたか』シリーズで紹介されたときでした。

定住化を進めようとするボツワナ政府の動きがまだ本格化する前、かろうじて従来に近い生活を続けてきた人々の様子が収録されていました。当時の私はビデオに録画したこの回を再生しながら眠ることを習慣にしていたほど、好きな回です。カラハリ砂漠の狩猟採集者たちからは、昔の日本人に似たような印象を受けたりもします。

彼らは、ブッシュマン、コイサンマン、グウィなどと呼ばれます。昔話題になった映画ブッシュマンの主人公ニカウさんがこの部族の出身です。

彼らの伝統的な生活ぶりをよく伝える動画をYoutubeで探してみたのですが、なかなかよいものが見つかりません。男たちが狩猟に出かけるものや、近年の問題について伝えるようなものばかりで、女性や子供を含めた暮らしぶりを記録した動画がそもそも少ないのです。その中で、ある程度納得できたのが、次の動画です。

川のない沙漠で、植物の根を掘って水を得ています。驚くほど水分を豊富に含んだ植物のようで、母親が握りしめると大量の水が落ちて、まだ幼い子供がおいしそうに飲ませてもらっています。細かく砕く方法などにも秘訣があるのでしょう。

人は、定住化によって、それ以前の気楽な生活を失ってしまったといいます。

その後、農耕を開始して、出産間隔を短縮できるようになるなどしたことから、人口増加圧が上がり、戦いを繰り返すようになりました。

やがて、国ができ、巨大化し、産業革命が起き、経済成長が加速する中で、自然環境を破壊して、生物種の大絶滅時代を招きました。

私は、動植物に囲まれた環境で生まれ育ち、生まれつき生物が好きでした。昔は川に魚がうじゃうじゃいたという話を聞き、しかし学校ではかつての公害問題を解決して今があるという話を教わり、やがて、かつてのように魚にあふれる川を取り戻すのが文明社会であると信じていました。

今になってわかったことは、グローバリストたちが支配する文明社会は、それとは真逆な存在であるということです。とにかく利益を優先し、でたらめな理屈でメガソーラーを推進して山を破壊し、川を細らせ、動植物の生息地を奪うのが文明社会です。

狩猟採集者たちの日常を見ていると、動物としても自然で、余計な負担を背負わされることのない幸福感を得ながら、他の生命との調和という面でも文明社会とはけた違いに優れた生き方であることが見えてきます。

農耕は工業化の一種であり、農耕によって始まった人類の自然に対する裏切りが極まったのが現代であると、私には思えます。

Youtubeで「Hunter-Gatherers」などで検索すると狩猟採集者たちの動画が見つかります。この人たちの人生はどのようなものなのかを想像しながらご覧ください。私たちの生き方よりもずっと当たり前の生き方であることが見えてくると思います。

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