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エッセイ/ストーリー

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思いのままに自由な文体で書いたものです。エモさ重視でストーリーが多めです。サラッと読めます。短編集みたいな。
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記事一覧

ぼくと孤独ちゃん。

孤独ちゃん 孤独ちゃん。 きみとは長い付き合いになるね。はじめに会ったのはいつだっただろう。 はじめてお母さんを嫌いになった日だろうか。それとも、みんなにはお父さんがいると知った日だろうか、いやもっと小さい頃か。 いずれにせよ、きみはずっとぼくのそばにいて、ことあるごとにぼくを不安にさせたり、焦らさせたり、かと思ったら変にプライドをもたせたり。散々ぼくをおちょくって、もてあそんできたよね。まったく意地が悪い笑。 きみとは腐れ縁みたいで、何度か絶交しようとして頑張ってみた

スマホが奪っていったもの#1-テレビとカレーと網戸のそよかぜ-

スマホが奪っていったものみなさんこんにちは、スマホが現れてから、私たちの生活はあっという間に便利になりました。いつでもどこでも写真が撮れるし、分からないことがあればすぐに調べることができて、そこには何かしらの答えがありなんとなく納得できちゃいます。手軽にいろんな人と繋がって仲良くなれるし、興味がないこと、嫌なことはスルーして楽しいことだけを選ぶことができます。 今ではほとんどの人がスマホと生活していて、一日の6割以上スマホを使ってるなんてことも珍しくありません。 このシリー

捨てざるをえなかった君へ

きみは「それ」を捨てた「それ」はとても痛い。  いつも君を、いじらしく、いやらしく、むごたらしくズタズタにした。 だから、君は「それ」を捨てた。捨てざるを得なかった。 そうしなければ君の方が壊れてしまいそうだったから。 みんな責めるけど 君自身も責めるけども それは そうせざるを得なかったわけで そんな君を誰も笑えない。誰も笑わない。 きみは、まわりや「きみ」から薄情だ、親不孝だ、最低だなんだと言われて、 でも 幸せになって何が悪い。きみが、きみのために生き

1500円のかみさま -自分の軸が分からなくなったら-

神様なんて信じない「神様を信じるやつなんてバカだ」 だってそれって子どもみたいだし、なんだか宗教じみてる。私は無宗教だし何を信じるかなんてどうでもいい、必要ない。そう思って生きてきた。 だから、キリストにお祈りするあの子を好きになれなかったし、いつも「仏さまの教え」をひっぱりだして説教するおばあちゃんも苦手だった。 揺れていた私は、いとも簡単に壊れた。そんなわたしにも就活がやってきて、あっという間にボロボロになった。 どれだけ頑張っても認めてもらえないし、不採用の通知が来

かつて18歳だった君へ。-若さはゆるやかに溶けて-

あの頃のわたしたち あの頃はいろんなことがわずらわしくて、まぶしくて、きれいだったね。 グラウンドを染める茜、廊下に落ちる影、眠たい朝とふてぶてしい校舎、笑い合う声。 あの時間は何より貴重だった。 それなのに勝手に「受験」なんてものがやってきて、二度と会えないであろう彼らを尻目に、わたしたちは歩き方さえわからないまま走り始めた。 教室を染めていった灰色はいたるところに広がって、わたしたちの色を、放課後を奪ってっいった。与えられた「答え」に向かって、一列に並んで走るわた