FIELD OF VIEW // 29年目の Last Good-Bye
私は「FIELD OF VIEW」や今回のLIVEについて感想を綴るつもりはありませんでした。人が人を想い紡がれた29年という年月。そこには計り知れない各々の歴史がある様に感じていました。
苦楽を共にした同志の様な間柄でしか触れてはならない領域がある様に想っていました。
( 時に浅岡さんを面白可笑しく比喩する事があったとしても?それは愛すべくが…とお許し頂き…)
しかしながら双方が大事に重ねてこられた歴史を私如きが何を語れると言うのでしょう。
想いの丈は語るべくに値する方々が表するに相応しい。そう思っておりました。
それはレガシーへの敬意にも似た感情なのかもしれません。
▶Last Good-Bye
この曲を会場で聴きながら何とも言えない感情に包まれて居ました。
わたしがFOVというグループを朧気ながら認識していたのは「Last Good-Bye」この曲の印象が強かった様に思います。
FOVが結成から解散の瞬間(とき)を迎えるまでの間、熱狂的なファンの方々の様に時間を共有した想い出もなく。
アニメが好きな人々なら世代を問わず熱くなる「ドラゴンボール」「DANDAN心魅かれてく」「遊戯王」「渇いた叫び」…私は全くアニメにも興味がなかった。。
そんな私に記憶されていたのは、坂井泉水さんが作詞された愁いを感じさせるこの曲だったのかもしれない。
落ち着いた雰囲気の身なりに物静かな男の人(達)が歌うこの曲が哀しくもメロウで、他のグループとは少し違う位置付けだったのかもしれません。
私には当時の記憶があまり無い。
履歴書でも書けというのなら細かく思い出せるやもしれないけれど…。
何をしていたのかは定かではないが、とにかく「忙したった」のだと思う。
29年という年月を持して新たに動き始めたFOVは決して遺産ではない。
進化し変貌を遂げ続けている。
当時、自然と耳にした曲を今の私が新宿ReNYで聴いている。
当時の自分には想像もつかない。
あの頃の自分は感傷的になる事を意図して避けていたのかもしれない。
ジェットコースターの様に目まぐるしい毎日で、傷つけ傷つけられた事さえも街中で流れる曲かの如く聞き流し、立ち止まる事など無かった様に思う。
この曲が発売された1995年
20代には作詞された事になる。
歌われていた浅岡さんは26歳。
自分が傷つく事など恐れていなかった年齢かもしれない。
「 誰も間違っていない 」
その言葉に込められた「優しさ」「物哀しさ」「強さ」に、若さゆえ未来しかない自分が重なる。
この年齢になり聴いた「Last Good-Bye
」は逃れる事の出来ない心の内を触れられた様に感じた。
それこそが「今」を生きている証に想えてならなかった。
今の「FIELD OF VIEW」にしか歌えない
今しか発する事の出来ない音があるのかもしれない。
そんな想いを感じ得た夜でした。
(追伸)
小田さんが「 はじめまして 」と仰った際に、浅岡さんは「はじめましてじゃないだろww」と??嬉しさを隠せないデレデレの笑顔でツッコまれておられたのですが…私は心の中で「はじめまして!!」と返事をしていた。
偶然にもお隣の方も初FOVで挙手されておられたので同様に「はじめまして」と唱えられて居たに違いない。
今を生きるということは「はじめまして」が生まれる。
30周年に向けたメモリアル的な意味合いの大きさは勿論だけれど、歩み進むという事は新たな何かが生まれ派生する。
新曲『ガラクタ』を聴きながら
FIELD OF VIEWとして
小橋琢人さん
浅岡雄也さん
小田隆さん
新たな活動と個々の今後の躍進を祈らずにはいられなかった。