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「限りある命なのでね」

私の祖父は今、もう残り少ない命を力の限り燃やしている。 

ついこの間まで入院先の病院はコロナ予防のため面会禁止だったが、それももう解けた。
「いつどうなるかわからない状態なのでいつでも直接会いに来てもらっていいです」
医者からそう言われて以来、祖母はほぼ毎日足しげく病院に通っている。
 
祖母だって若くないのに片道一時間毎日通うのは相当厳しいはずだ。
私は祖母の体調と気分の確認のため毎朝LINEをしているのだが、今朝こんなやりとりがあった。


昨日も病院へ面会に行っていたが今日も行くという祖母の体調を心配して私は
「無理しないでね。おばあちゃんのからだも大事だよ!」と送った。 
すると返ってきたのが


「ありがとう。でも、限りある命なのでね。」


もうすぐその限りを迎えようとしている祖父と、年齢的に自身の限りもそう遠くないと悟っている祖母。

こんなにもその言葉の重さを受け止めた瞬間はなかった。

  


私はなにができるのだろうか。
祖父のために、祖母のために。

世界中の人々のために。

私の命のためにーーー。


私はなにができるのだろうか。
   





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