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【CMJ】140号『皇帝の戦争』感想

コマンドマガジン140号の『皇帝の戦争』を結婚記念日に妻から贈ってもらい、ソロプレイしてみたので簡単に感想を書いておきます。通常ルールのみです。
https://commandmagazine.jp/com/140/index.html

内容

第一次世界大戦のヨーロッパ~アジア戦線を1918年3月から最長で1919年12月まで遊べます。1ターンは2か月、1ヘクスは100kmのスケール、1ユニットは軍~軍団の戦略級のゲームです。デザイナーはミランダさん。

システム

ターンは動員⇒移動⇒戦闘⇒戦闘で構成されています。動員は勝利得点(VP)を消費して、各種ユニットをお買い物できます。移動は普通の移動ルール。ただ、鉄道移動と海上移動があります(戦略級っぽくて良い)。戦闘もメイアタックで普通な感じ。ただ、CRTが普通の消耗CRTと特殊な浸透CRTの2種類があって、戦車軍団とか突撃軍が戦闘に参加しているときは浸透CRTが使えます。浸透CRTのほうが追撃がやりやすいです。

メインエンジン(VP is 神)

コマンドマガジンのHPの紹介文にも書いてありますが、このゲームではVPが神です。どんなサイクルでVPが増えたり減ったりするか簡単にご紹介します。
まず、毎ターン動員フェイズで首都や資源都市、政治都市からVPが湧き出てきて、プレイヤーの財布に入ります。そして湧き出たVPは、動員、移動、戦闘に全て関わってきます。

 動員フェイズではユニットを購入するのに使えます。あと、次の移動フェイズでVPを消費するとユニットの移動力を2倍にできたり、戦闘フェイズで攻撃力を2倍にできたりします。景気よくVP使えばドンドコ進軍できます。
また、損害を喰らってユニットが吹き飛んだりするとVPが強制的に減ります。例えば、4点で購入できる歩兵軍は、吹き飛ぶと6点財布から奪っていきます、キー!潜在的には10点もするのかお前!

勝敗もVPの多寡で決まるので、もうまさに神。

戦って敵都市を占領する⇒VPの生産量アップ⇒動員数アップ⇒さらに進軍!というサイクルになれば最高なんですが、さすが第一次世界大戦、まず最初の「戦って敵都市を占領する」がくそむずいんですね。
戦う⇒ユニットが飛ぶ⇒VPが減る⇒戦線維持のため動員する⇒戦う⇒何か知らんけどさらにVPが減る、というサイクルになりがちです。総力戦~。

ドイツ軍の戦略

ドイツ軍の戦略目標は3つあります。
1つ目はパリ。史実通りに地獄の塹壕戦を戦い抜きます。
2つ目はサロニカとヴェネツィア。連合軍を南欧から追い出すことを目指します。
3つ目はジェノヴァとヴェネツィア。フランスを裏庭からこんにちわします。

これら3つのうち、どれかひとつを3ターン目の終わりに達成できてないと同盟軍はサドンデス負けです。ひー、キビシイ。

初期配置だけ2つ目か3つ目がよさげなんですが、地中海の制海権は連合軍が握っており、イタリアやギリシャに連合軍はめちゃめちゃユニットを送りやすいです、一方で、同盟軍は鉄道移動のルールの関係で増援が送りにくいです。浸透CRTだ、なんだといっても結局本質は消耗戦なので、放り込めるユニット数で負けるのは、やっぱりきついかなって感じです。

じゃあ1つ目が楽なのかというと全くそんなことはないのですが、ダイスを振る回数が多くなるのと、動員勝負もまあまあ互角って感じなので、一番負けから遠い感じがします。

アジア戦線はやっぱ攻めるとユニットが吹っ飛んでVP減るのがきつい気がしてます。余力があれば小さいユニットを動員して、バグダッドとか、エルサレムとか攻めてみたいですが、VPの差引は結局、損な気が…。

まとめ

それほど多くないルール量で1918年全体を俯瞰できるので楽しいです。3ターン目にサドンデス判定があるのもサッパリしていて良い感じです。全てVPに集約されるのもサッパリしています。まさに今のジメッとした季節にピッタリのゲームではないでしょうか。

選択ルールがすげーたくさんあるので、物足りなければドバドバ入れていきましょう。

皆さんに栄光の日々がありますように。

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