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8/18TSS 『ナポレオン1815』

すごく面白かったです!

8/18のTSSでシナリオ4を2戦できましたが、1戦目はフランス軍を広げて戦い、ブリュッセルを落としイギリス軍を半壊させました。字面だけ見ると良い感じですが13VPで負けです。

1戦目でフランス軍の火力が足りないなと思ったので、2戦目はフランス全軍を1か所に集中してハイスタックを作りました。カトルブラとリニーで連合軍が決戦に応じてくれたので物量で圧殺して0VPで勝ちました。

とくにカードの仕掛けが良いと思いました。フランス軍しかやってないので、その視点から述べます。

カード

本作はカードがシステムの中心に据えられているのですが、この使い方が面白いです。毎ターン、引いたカードをイベントとして使用して効果を発動する、という使い方のほかに、ユニットを動かすときの移動力を決めるとき、戦闘で相手に与えるダメージを決めるときにデッキをめくってカードに書いてある数値、戦闘結果を使います。このあたりGCACWっぽくてマジで好きです。

で、手札制限はないので、戦闘結果の弱いカードを手札に貯めこんでデッキ圧縮するという戦略が有効です。山札が無くなったら、捨て札だけを混ぜて山札を作り直すので、弱いカードはデッキから抜けます。

これを後押しするかのように、戦闘結果が弱めのカードはあんまり使いたい感じがせず、強いカードは逆にガンガン使いたい感じになっていました。

弱いカードを手札に持っておく→山札から弱いカードが抜ける→強いカードが来やすくなる→強いカード使えて嬉しい→弱いカードの分山札が減るので回転が早くなる→神

という感じのサイクルが自然と作られます。

当然連合軍も同じことができるので、ゲーム終盤になるとお互いの山札が煮詰まって、戦闘でのダメージがかなりド派手になります。この仕掛けで、否応なしに最終決戦がドカーーーンと盛り上がる気がしてます。良いです。

最初ゲームを眺めたとき、「カードの強弱がハッキリしすぎているのでは?」と気になっていたのですが、これがかなり面白い効果を生み出しています。

強いカードを引ければ、効果が使えて嬉しい、弱いカードが引ければデッキが強くなって嬉しい。と、どっちを引いても美味しいので、ストレスが少ないのも良いです。むしろ、弱いカードこそ引きたいとさえ思っています。

カードをゲームに取り入れると、ランダム性のためにどうしても弱いカードが必要になってしまうと思います。その弱いカードをそのままにしておくのではなく、弱いカードだからこその活用法だったり、デッキから抜く手段を設けてあげると、ゲームにコクが生まれるなあと感じました。

ゲームバランス

ここからネガティブな面にも触れてみます。すこし気になったのはゲームバランスです。フランス軍が勝つのはかなり難しいような気がしています。

登場する軍団が無傷で全て一か所に集合して戦闘が起きた場合、
プロイセン軍:10枚 + イギリス軍:9枚 + ウェリントン/ブリュッヒャー:1枚 vs フランス軍 15枚 + ナポレオン 1枚
になります。

めくったときに相手にダメージを与えるカードが出る確率はデッキ圧縮をしていない場合、連合軍で1/3、フランス軍で1/2です。ダメージの期待値は連合軍が20×1/3で6.67、フランス軍が16×1/2で8になります。要塞化された農場や森など1枚多く引ける場所で戦えば、連合軍の期待値は7になりますが、それでも戦闘はフランス軍が有利なことが分かります。

ということでフランス軍は決戦を求めて動きますが、連合軍にはそれを受けて立つ動機が薄いようです。

勝利条件は最初10VPから始まり、フランス軍が地図上の目標エリアを占領するたびにVPがマイナスされ、0になったら勝ちです。ゲーム終了時に1以上だったら連合軍が勝ちです。そして、連合軍が7個以上目標エリアを支配しているターンは+1VPされるというルールがあります。

目標エリアから得られるVP(最初に連合軍支配のエリア)は10なので、1ターンでも7個以上目標エリアを支配できたら11VPになり、あとはエリアを全て占領されても最大-10VPになり、合計1VPで連合軍が勝ちます。

このように動機に則って考えると、勝利条件の面でも戦闘の面でも連合軍が決戦を受ける必要がなく、とにかくフランス軍から逃げ回るのが最適解になる可能性があります。折角、最終盤に向けて盛り上がるカードのシステムが勿体ないように感じます。

私は連合軍をプレイしていませんし、連合軍が逃げ回る戦略を使った試合をやっていないので、机上の空論かもしれません。ダミーの騎兵をうまく使って騙したり、連合軍間のコミュニケーション不全でそれは無理となるのか。何か対抗策があれば良いなあと思っています。

感想

ナポレオンにはロシア・オーストリアという敵がおり、早期にイギリス・プロイセン軍を撃退する必要がありました。一方のイギリス・プロイセン軍は援軍を待っていればよいので決戦を避け続ければよかったはずです。ここまではこのゲームがプレイヤーに与える動機と合致します。

しかし、現実にはそうはならず決戦は行われました。それは逃げ続ける選択をとるのが軍事的に難しかったのか、政治的に難しかったのか、また何か別の理由があるのか。歴史上起こったことがそのまま起こるように設定する必要があるとは思いませんので、そういった何かが反映されていないのは構いません。ただ、ゲームとして見たときに、逃げ回る戦略が実際に超強かった場合、それが連合軍にとっての支配戦略になるので、それはどうなんだろうと思います。試してないので分かりませんが。

逃げ回った結果、『道路閉塞』や『混乱』で逃げ遅れたユニットがフランス軍に飲み込まれて、結局決戦せざるをえなくなる可能性もあります。それは面白い気がしますね。

もしかしたら、シナリオ4ではなくシナリオ5をプレイしてみたらそれだけで解決するかもしれません。シナリオ4は距離の関係で何だかんだリニー・カトルブラに来るだろうなという予測が立ちますが、シナリオ5はフランス軍が何を狙ってるのか全く分からなくなるでしょう。面白そう!

シナリオ4をプレイするにしても、どうせ同じ1点なのでと連合軍にとって有利なカトルブラ・リニーを避けて、アト・アールストーンを取りに行くのがいいかもしれません。全軍でナミュールに向かうのもプロイセン軍の増援を潰せる可能性があるので良さそうです。

こういう試行錯誤を考えるとウキウキしてきます。とにかくもっとやりたい!本当にマジでめちゃくちゃ面白いゲームです。オススメ!!!!!!!!


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